ごぶさたしています。
ずっと何もないのもナンなので、書いてる小説をちまちまアップしようかなと思っています。
で、読む前の諸注意を。
※要クリア。ネタばれも含みますがクリアされていないと訳が分からない点(クリアしてても分からないのはスルーしてやって下さい…)も多いと思われます。
・個人的に主人公の子供の頃を補完するために書いた、昔の話。
・悲しくなるほど他のメンバーが出てこない。
・オリジナル設定がバリバリ。
・捏造設定もバリバリ。
・主人公は自分のプレイ名で書いています。
・長々と続きます。
・その他色々つっこみどころ満載ですが、それでも許容できる方はどうぞです。
以下続きからどぞー。
ずっと何もないのもナンなので、書いてる小説をちまちまアップしようかなと思っています。
で、読む前の諸注意を。
※要クリア。ネタばれも含みますがクリアされていないと訳が分からない点(クリアしてても分からないのはスルーしてやって下さい…)も多いと思われます。
・個人的に主人公の子供の頃を補完するために書いた、昔の話。
・悲しくなるほど他のメンバーが出てこない。
・オリジナル設定がバリバリ。
・捏造設定もバリバリ。
・主人公は自分のプレイ名で書いています。
・長々と続きます。
・その他色々つっこみどころ満載ですが、それでも許容できる方はどうぞです。
以下続きからどぞー。
その子供は、身体に不釣り合いなほど大きなパイプベッドに寝かされていた。
大人用を間に合わせで使用しているのだろうが、真っ白いシーツにくるまれた布団と枕に埋もれたその小さい身体は、まるで病院という無味無色の白地にぽつりと残されたシミのように、「ここにいる」と、無言のまま、ささやかな存在をひっそりと訴えているようだった。
子供は目を覚ましたらしく、二度三度シパシパとまばたきをすると俺の方にそっと、顔だけを向けた。感情は読み取れない。がらんどうの真っ黒いビー玉が二つ、こちらを見ている。
その子の名前は、フタバ、といった。
俺の大学時代の恩人、葛センパイの大切な一人息子。
最後に出会ってから二年。
俺・成瀬陽一は、因果な運命の元、再びこの少年と引き合わされる事となった。
*
桐条の起こした、忌まわしい爆発事故から二年。
俺は、当時の「極秘プロジェクト」に関わった者として、「爆発事故」に巻き込まれた「被害者」の追跡調査を仲間と共に行っていた。
話せば色々とごちゃごちゃ面倒なので割愛するが、その過程で、今回の「被害者」とも出会った。
とある施設から、桐条管轄のこの病院に担ぎ込まれた少年たち数名_中でも、フタバは特別扱いを強いられた。
…特別、といってもVIP待遇の意ではなく、むしろ真逆…「厄介者」として、だった。
「…ね、頼んます先輩。この子担当してくれないですか?身体の治療は一応できますけど、まあ…。あの、大学時代に心理学とか勉強してるんでしょ?それに、元機械工学のエンジニアでバリバリ頭切れるし、だったら児童心理とか、お茶の子さいさいでしょ?ね?それに…その…な、成瀬さんだから頼むんですよ?ね?」
すがるような目で、担当の医師(元職場の同僚)に懇願され、俺は別件の調査を知り合いに頼むと「しゃーないねえ」と二つ三つ、小言をもらして引き受けた。
…どちらにしろ、ここにいるつもりだった事は内緒にしておいた。あいつは、下手に出るとつけあがる。
「厄介者」の少年の正式な名前は、日向 二葉(ひむかい ふたば)といった。
カルテの生年月日から確認すると、もうすぐ9歳になるはずだ。
両親共に桐条グループのエリート社員。母親は元、だったが、父親は研究員としてあの事故にも関わっている。
二人とも、あの爆発事故で「亡くなった」事になっている。
彼の母親こそ、俺の恩人、センパイ、そして…憧れのヒトだった女性、葛木葉子(くずき ようこ)…。
事故から二年経過しているはずのフタバ少年の身体は、まるであの日、時が止まったかのように小さかった。
いや、学校側から受け取った身体測定の資料と照らし合わせて見ても、7歳当時の身長、体重、どちらも1センチ、1キロ前後の誤差しかない。
まるで時間にもおいてきぼりをくったようなちんまりした少年は、部屋に行くといつも閉じられた窓の方を見ていた。
「よう、元気か?どこも痛くないか?」
「…」
返事はない。こちらに向き直り、じっとビー玉の目でこちらを見ている。
「俺の言葉、分かるか?この指何本立ってるか分かるか?分かるなら、まばたきしな」
「…」
フタバはぱち、と一回だけまばたきをする。
分かっているようだ。
「じゃあ、これは」
「…」
ぱち、ぱち、ぱち。きっちり3回まぶたが動いた。
「オッケイ、上出来だ。よしよし」
頭をなでてやると、少し目を閉じて背中を丸める。こういう動作は、猫に似ている気がする。
近所の野良猫を、指先で誘って、あやすような。
「空気変えるか」
病室の湿っぽい空気が苦手なので、いつも話をするときは窓を開けるようにしている。
人里離れた殺風景な森林地帯だが、薬品とカビの匂いよか、ましだ。
「…無理にしゃべる事はねえよ。ただ、このままじゃ具合が悪くてもいちいち調べなきゃならねえ」
「…」ぱち。まぶたが動く。
「だから、ゆっくり休んで、またしゃべりたくなったら、ちょっと声を出してみな。練習するか?」
「…」動かない。嫌なようだ。
「そうか。なら、また何か俺が話でもしてやるよ。さて、何の話がいいかねえ…」
ここに来て二ヶ月。
進歩はない。だが、それでも良い気がしている。
なまじ記憶や感情が戻れば、きっと死ぬほど苦しむだろう。
それが当人にとっても周囲にとっても良い事なのか、未だ判断しかねている。
普通の傷なら、さっさと治るのも歓迎なのだが…。
「宣告者」
少年の父、日向双次郎(ひむかい そうじろう)の遺した、研究記録。
そこに記されていた、生々しく、おぞましい「研究」の成果と狂気。
それは、ここで書くには重たすぎる内容だ。
また後日、時間を割いてまとめたい。
今はただ、俺は葛センパイの愛したフタバ少年の心を、どうにか癒してやりたい。
そして、願わくば彼の宿しているであろう…「死神」のペルソナを、封じたまま…。
スタッフは逃げ腰だが、それは仕方ない。協力してもらえるだけマシだと思う事にした。
ペルソナ相手では、俺以外勝ち目は無いからな。
ともかく、このまま様子見だ。
センパイ、見ててくださいね。俺、頑張りますから。
大人用を間に合わせで使用しているのだろうが、真っ白いシーツにくるまれた布団と枕に埋もれたその小さい身体は、まるで病院という無味無色の白地にぽつりと残されたシミのように、「ここにいる」と、無言のまま、ささやかな存在をひっそりと訴えているようだった。
子供は目を覚ましたらしく、二度三度シパシパとまばたきをすると俺の方にそっと、顔だけを向けた。感情は読み取れない。がらんどうの真っ黒いビー玉が二つ、こちらを見ている。
その子の名前は、フタバ、といった。
俺の大学時代の恩人、葛センパイの大切な一人息子。
最後に出会ってから二年。
俺・成瀬陽一は、因果な運命の元、再びこの少年と引き合わされる事となった。
*
桐条の起こした、忌まわしい爆発事故から二年。
俺は、当時の「極秘プロジェクト」に関わった者として、「爆発事故」に巻き込まれた「被害者」の追跡調査を仲間と共に行っていた。
話せば色々とごちゃごちゃ面倒なので割愛するが、その過程で、今回の「被害者」とも出会った。
とある施設から、桐条管轄のこの病院に担ぎ込まれた少年たち数名_中でも、フタバは特別扱いを強いられた。
…特別、といってもVIP待遇の意ではなく、むしろ真逆…「厄介者」として、だった。
「…ね、頼んます先輩。この子担当してくれないですか?身体の治療は一応できますけど、まあ…。あの、大学時代に心理学とか勉強してるんでしょ?それに、元機械工学のエンジニアでバリバリ頭切れるし、だったら児童心理とか、お茶の子さいさいでしょ?ね?それに…その…な、成瀬さんだから頼むんですよ?ね?」
すがるような目で、担当の医師(元職場の同僚)に懇願され、俺は別件の調査を知り合いに頼むと「しゃーないねえ」と二つ三つ、小言をもらして引き受けた。
…どちらにしろ、ここにいるつもりだった事は内緒にしておいた。あいつは、下手に出るとつけあがる。
「厄介者」の少年の正式な名前は、日向 二葉(ひむかい ふたば)といった。
カルテの生年月日から確認すると、もうすぐ9歳になるはずだ。
両親共に桐条グループのエリート社員。母親は元、だったが、父親は研究員としてあの事故にも関わっている。
二人とも、あの爆発事故で「亡くなった」事になっている。
彼の母親こそ、俺の恩人、センパイ、そして…憧れのヒトだった女性、葛木葉子(くずき ようこ)…。
事故から二年経過しているはずのフタバ少年の身体は、まるであの日、時が止まったかのように小さかった。
いや、学校側から受け取った身体測定の資料と照らし合わせて見ても、7歳当時の身長、体重、どちらも1センチ、1キロ前後の誤差しかない。
まるで時間にもおいてきぼりをくったようなちんまりした少年は、部屋に行くといつも閉じられた窓の方を見ていた。
「よう、元気か?どこも痛くないか?」
「…」
返事はない。こちらに向き直り、じっとビー玉の目でこちらを見ている。
「俺の言葉、分かるか?この指何本立ってるか分かるか?分かるなら、まばたきしな」
「…」
フタバはぱち、と一回だけまばたきをする。
分かっているようだ。
「じゃあ、これは」
「…」
ぱち、ぱち、ぱち。きっちり3回まぶたが動いた。
「オッケイ、上出来だ。よしよし」
頭をなでてやると、少し目を閉じて背中を丸める。こういう動作は、猫に似ている気がする。
近所の野良猫を、指先で誘って、あやすような。
「空気変えるか」
病室の湿っぽい空気が苦手なので、いつも話をするときは窓を開けるようにしている。
人里離れた殺風景な森林地帯だが、薬品とカビの匂いよか、ましだ。
「…無理にしゃべる事はねえよ。ただ、このままじゃ具合が悪くてもいちいち調べなきゃならねえ」
「…」ぱち。まぶたが動く。
「だから、ゆっくり休んで、またしゃべりたくなったら、ちょっと声を出してみな。練習するか?」
「…」動かない。嫌なようだ。
「そうか。なら、また何か俺が話でもしてやるよ。さて、何の話がいいかねえ…」
ここに来て二ヶ月。
進歩はない。だが、それでも良い気がしている。
なまじ記憶や感情が戻れば、きっと死ぬほど苦しむだろう。
それが当人にとっても周囲にとっても良い事なのか、未だ判断しかねている。
普通の傷なら、さっさと治るのも歓迎なのだが…。
「宣告者」
少年の父、日向双次郎(ひむかい そうじろう)の遺した、研究記録。
そこに記されていた、生々しく、おぞましい「研究」の成果と狂気。
それは、ここで書くには重たすぎる内容だ。
また後日、時間を割いてまとめたい。
今はただ、俺は葛センパイの愛したフタバ少年の心を、どうにか癒してやりたい。
そして、願わくば彼の宿しているであろう…「死神」のペルソナを、封じたまま…。
スタッフは逃げ腰だが、それは仕方ない。協力してもらえるだけマシだと思う事にした。
ペルソナ相手では、俺以外勝ち目は無いからな。
ともかく、このまま様子見だ。
センパイ、見ててくださいね。俺、頑張りますから。
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