お陰様で一段落したであります。ちょっとだけ浮上します。
*
攪拌する痛みに沈んで。
*
攪拌する痛みに沈んで。
*
おとうさん。
(どうした?また具合悪ぃのか?どれ、こっち来な)
おとうさん。
(ほら、心配すんなって。夢だから。とって喰われやしねえよって)
おとうさん。おとうさん。
(…おお、そんなに怖かったのか。泣くなって、もう大丈夫だ)
大きな手。暖かい手。優しいぬくもり。ほっとする声…。
おとうさん、おとうさん、おとーさん…。
いかないで。とおくにいかないで。
おとうさん、おとーさん…。
幻影が消えていく。
冷たい白い部屋。冷たい誰かの声がする。
(…申し訳ないが、君のお父さんはもう助からない。こんなに転移していては…)
………さん。 お とー さん…。
セピア色の帰り道。大嫌いだった同級生の影だけが路地を滑って帰って行く。
(…双葉君、本当のお父さんじゃないんだって。なのに、昨日べったりくっついて帰ってた)
(気持ち悪ぃ!俺の父ちゃん、汗くさくってデブだから大嫌いだ!普通、小6にもなって親と帰るか?)
(そういうの、ファザコンて言うんだぜ?キモ!)
(あいつ、いっつも暗いしキモイよな?転校したてで話しかけてやったのにマジつまんねーしー)
どうして? なんで わかってくれないの…?
アカネ色の電柱が消えていく。
見知らぬ誰かが立っている。こちらに背を向けた、男の人と、女の人が。
(寄るな!このゴミが!お前がいるだけで不愉快だ!お前なんか私の息子じゃない!)
(お母さん、仕事なの。ご飯は冷蔵庫。参観日は欠席に丸しておいて。…何?話は、また今度にして)
消えゆく男女の背中に向かって、「僕」は叫んでいた。
いやだ いやだ ひとりぼっちは いや だ …。
だれも たすけて くれない だれも ぼくのおはなし きいて くれないよ
(お前はできそこないなんだって、日向博士が言ってたぞ)
(だから、鍛えてやってるんだろ?出せよ、ペルソナ!)
(ほらほら、反撃してみろよー?…オラオラ!立てよ!もうヘロヘロかよ!)
(雑魚だぜこいつ!…あーあ、泣いた)
(もらしたんじゃね?こいつ、くっせー!ゴミじゃん!アハハハハ…)
薄暗い、狭い部屋の中で、小さな子供たちに取り囲まれる。
薄汚れた「僕」が、その中央で泣いていた。
ホコリだらけの、血だらけの、青タンだらけの、カビくさい、汚い子供…。
いたい いたい いたいよ たすけて たすけて たすけて だれ か …
「僕」は泣きながら助けを呼ぶ。
だけど、誰も来ない。
こわい。こわい。こわい…。
(おまえのせいだ)
ちがう。 ちがう。 なんのこと…。
(おまえのせいだ)
(おまえのせいだ)
(おまえのせいだ)
(おまえのせいだ)
(おまえのせいだ)
(おまえのせいで、みんなしんだんだ)
(おまえのせいで、ゆきちゃんはしんだんだ)
(おまえのせいで、おとうさんもけんきゅうしゃもしんだんだ)
(おまえのせいで、ぼくたちはみんなしんだんだ)
ちがう ちがう ちがう!! ぼくは あんなの のぞんでなかった …!
(うそつき)
(ひとごろし)
(おやのいいなり)
(じぶんだけつよくなれればいいんだ)
(さいてい)
(きえろよ)
ごめん ごめんな さい… ごめんなさい ごめんなさい…
ぼくは ぼくは…
(おまえのせいで またひとり しぬ)
(おまえがいたせいで おとうさんが しぬ)
(おまえがいたから しぬんだ)
(おまえなんか いなければ よかったんだ フタバ )
きえる きえる ぼくが きえる
でも そのほうが いいんだ よね?
だけど
いきてて ごめんなさい
こわい よ おとーさん
「まってろよ」
え?
「いますぐ おまえのもとに たすけに いくから」
おとー、さん?
どこ?
どこなの?
とーさん、おとうさん、お義父さん!!
おとうさん。
(どうした?また具合悪ぃのか?どれ、こっち来な)
おとうさん。
(ほら、心配すんなって。夢だから。とって喰われやしねえよって)
おとうさん。おとうさん。
(…おお、そんなに怖かったのか。泣くなって、もう大丈夫だ)
大きな手。暖かい手。優しいぬくもり。ほっとする声…。
おとうさん、おとうさん、おとーさん…。
いかないで。とおくにいかないで。
おとうさん、おとーさん…。
幻影が消えていく。
冷たい白い部屋。冷たい誰かの声がする。
(…申し訳ないが、君のお父さんはもう助からない。こんなに転移していては…)
………さん。 お とー さん…。
セピア色の帰り道。大嫌いだった同級生の影だけが路地を滑って帰って行く。
(…双葉君、本当のお父さんじゃないんだって。なのに、昨日べったりくっついて帰ってた)
(気持ち悪ぃ!俺の父ちゃん、汗くさくってデブだから大嫌いだ!普通、小6にもなって親と帰るか?)
(そういうの、ファザコンて言うんだぜ?キモ!)
(あいつ、いっつも暗いしキモイよな?転校したてで話しかけてやったのにマジつまんねーしー)
どうして? なんで わかってくれないの…?
アカネ色の電柱が消えていく。
見知らぬ誰かが立っている。こちらに背を向けた、男の人と、女の人が。
(寄るな!このゴミが!お前がいるだけで不愉快だ!お前なんか私の息子じゃない!)
(お母さん、仕事なの。ご飯は冷蔵庫。参観日は欠席に丸しておいて。…何?話は、また今度にして)
消えゆく男女の背中に向かって、「僕」は叫んでいた。
いやだ いやだ ひとりぼっちは いや だ …。
だれも たすけて くれない だれも ぼくのおはなし きいて くれないよ
(お前はできそこないなんだって、日向博士が言ってたぞ)
(だから、鍛えてやってるんだろ?出せよ、ペルソナ!)
(ほらほら、反撃してみろよー?…オラオラ!立てよ!もうヘロヘロかよ!)
(雑魚だぜこいつ!…あーあ、泣いた)
(もらしたんじゃね?こいつ、くっせー!ゴミじゃん!アハハハハ…)
薄暗い、狭い部屋の中で、小さな子供たちに取り囲まれる。
薄汚れた「僕」が、その中央で泣いていた。
ホコリだらけの、血だらけの、青タンだらけの、カビくさい、汚い子供…。
いたい いたい いたいよ たすけて たすけて たすけて だれ か …
「僕」は泣きながら助けを呼ぶ。
だけど、誰も来ない。
こわい。こわい。こわい…。
(おまえのせいだ)
ちがう。 ちがう。 なんのこと…。
(おまえのせいだ)
(おまえのせいだ)
(おまえのせいだ)
(おまえのせいだ)
(おまえのせいだ)
(おまえのせいで、みんなしんだんだ)
(おまえのせいで、ゆきちゃんはしんだんだ)
(おまえのせいで、おとうさんもけんきゅうしゃもしんだんだ)
(おまえのせいで、ぼくたちはみんなしんだんだ)
ちがう ちがう ちがう!! ぼくは あんなの のぞんでなかった …!
(うそつき)
(ひとごろし)
(おやのいいなり)
(じぶんだけつよくなれればいいんだ)
(さいてい)
(きえろよ)
ごめん ごめんな さい… ごめんなさい ごめんなさい…
ぼくは ぼくは…
(おまえのせいで またひとり しぬ)
(おまえがいたせいで おとうさんが しぬ)
(おまえがいたから しぬんだ)
(おまえなんか いなければ よかったんだ フタバ )
きえる きえる ぼくが きえる
でも そのほうが いいんだ よね?
だけど
いきてて ごめんなさい
こわい よ おとーさん
「まってろよ」
え?
「いますぐ おまえのもとに たすけに いくから」
おとー、さん?
どこ?
どこなの?
とーさん、おとうさん、お義父さん!!
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