お盆前に少しだけ浮上しました…。
いつも来ていただきありがとうございます。
ずっと休んですみません。今日明日だけ、更新いたします。
次回更新は未定です(__;)
砂粒の問いかけ。
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次回更新は未定です(__;)
砂粒の問いかけ。
*
温かい。寒い。ぬるい。凍える。
気持ち悪い。気持ちいい。不愉快。綺麗。寒々しい。
畏れ。不安。孤独。悲しみ。嘆き。
いっそ吐き出して全て捨ててしまいたかった感情と言葉。
その全てが解け合い、今僕はあらゆる感情にまみれ、その一つとなり、世界を構築する一つの雫になろうとしている。
いや。
雫とも言えない、一掴みの泥。
その中でもぞもぞともがいている、一握の砂粒。
「僕」という、一個人の存在を全て手放し、「僕」は「僕」ですらなくなった。
真っ黒い泥に溶け、その一部となり、その泥を構築させ、この世に存在させる事だけを考えていれば良いようだ。
輪郭も無く、何かを掴むための形すら無い。
だが、それでいいのだ。
「僕」一人この世から消えても、世界が終わる訳では無い。
むしろ、世界に必要とされない余剰なネジ一本消えるだけで、世界はほんの少し広くなるかも知れない。
ゴミは、さっさと処分された方が良いだろう。
もう、自分を待つ者もいないのだ。
もうどうでもいい。
…どうでもいい。
「何が」
声がした。脳内に静かに響いてくる、優しい声色。
男の声。
僕は答える。
…何でも。
そもそも「僕」は、何故この世に産まれたのかすら、分からないでいる。
どうして、こんな目に遭い、ここに今居るのかも。
…大なり小なり、生きている人は皆、そうなのかも知れない。
だけど、僕はそもそも存在すら否定されていた。
ならば、何故自分の存在を肯定出来る?
「僕」は、ただ生きていただけ。
息を吸って、吐いて、飯を食べて、飲んで、諾々と毎日を過ごしていただけ。
そこに、意味なんてあるの…?
「ならば、何故お前は揺らいでいる」
声がした。
僕は答える。
揺らぐとは、何?
「迷い。果たされなかった願い。すなわち未練」
…お義父さん。
僕と共に8年間を過ごしてくれた、成瀬のお義父さん。
会いたかった。
死ぬ前に、もう一度会って、ちゃんとお礼を言いたかった。
きっと、「僕」のせいだ。
「僕」が、お義父さんに無理をさせたんだ。
仕事でも、私生活でも、きっと「僕」のせいで自由もきかなくて、大変だったはず。
ごめんなさい。
…謝ったって、許してもらえないだろうけど…。
「偽るな」
声は続く。
ほんの少しの怒気をはらんで。
僕は答える。
嘘なんか言ってない。
僕は、本当にお義父さんに迷惑かけたと思ってる。
本当に申し訳ないと…。
「己が真実より目を逸らし続ける限り、真なる顔は得られない」
真なる、顔…。
「目を背けるな。耳を塞ぐな。口をつぐみ、歩みを止めず、己の海に語りかけよ。自らの心の海の底にこそ、光り輝く真珠が在る」
声は諭す。
ほんの少しの慈愛を含んで。
何故だろう。
もう姿形すら失ったはずなのに。
僕は身体が奥から震えるような高揚を感じていた。
温かい。寒い。ぬるい。凍える。
気持ち悪い。気持ちいい。不愉快。綺麗。寒々しい。
畏れ。不安。孤独。悲しみ。嘆き。
いっそ吐き出して全て捨ててしまいたかった感情と言葉。
その全てが解け合い、今僕はあらゆる感情にまみれ、その一つとなり、世界を構築する一つの雫になろうとしている。
いや。
雫とも言えない、一掴みの泥。
その中でもぞもぞともがいている、一握の砂粒。
「僕」という、一個人の存在を全て手放し、「僕」は「僕」ですらなくなった。
真っ黒い泥に溶け、その一部となり、その泥を構築させ、この世に存在させる事だけを考えていれば良いようだ。
輪郭も無く、何かを掴むための形すら無い。
だが、それでいいのだ。
「僕」一人この世から消えても、世界が終わる訳では無い。
むしろ、世界に必要とされない余剰なネジ一本消えるだけで、世界はほんの少し広くなるかも知れない。
ゴミは、さっさと処分された方が良いだろう。
もう、自分を待つ者もいないのだ。
もうどうでもいい。
…どうでもいい。
「何が」
声がした。脳内に静かに響いてくる、優しい声色。
男の声。
僕は答える。
…何でも。
そもそも「僕」は、何故この世に産まれたのかすら、分からないでいる。
どうして、こんな目に遭い、ここに今居るのかも。
…大なり小なり、生きている人は皆、そうなのかも知れない。
だけど、僕はそもそも存在すら否定されていた。
ならば、何故自分の存在を肯定出来る?
「僕」は、ただ生きていただけ。
息を吸って、吐いて、飯を食べて、飲んで、諾々と毎日を過ごしていただけ。
そこに、意味なんてあるの…?
「ならば、何故お前は揺らいでいる」
声がした。
僕は答える。
揺らぐとは、何?
「迷い。果たされなかった願い。すなわち未練」
…お義父さん。
僕と共に8年間を過ごしてくれた、成瀬のお義父さん。
会いたかった。
死ぬ前に、もう一度会って、ちゃんとお礼を言いたかった。
きっと、「僕」のせいだ。
「僕」が、お義父さんに無理をさせたんだ。
仕事でも、私生活でも、きっと「僕」のせいで自由もきかなくて、大変だったはず。
ごめんなさい。
…謝ったって、許してもらえないだろうけど…。
「偽るな」
声は続く。
ほんの少しの怒気をはらんで。
僕は答える。
嘘なんか言ってない。
僕は、本当にお義父さんに迷惑かけたと思ってる。
本当に申し訳ないと…。
「己が真実より目を逸らし続ける限り、真なる顔は得られない」
真なる、顔…。
「目を背けるな。耳を塞ぐな。口をつぐみ、歩みを止めず、己の海に語りかけよ。自らの心の海の底にこそ、光り輝く真珠が在る」
声は諭す。
ほんの少しの慈愛を含んで。
何故だろう。
もう姿形すら失ったはずなのに。
僕は身体が奥から震えるような高揚を感じていた。
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