3373plug-in

ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
電話の向こうから、突きつけられた銃口。
*

「(…届いたか)」
一度のコールですぐに着信した。
以前と変わらない、重苦しい声色が耳に入る。
堂島。
対シャドウ戦闘員チーム時代の同僚。
現・桐条グループ影時間対応型機器の製作主任。
陰気で素っ気ないが、気心の知れた良い奴だった。

「ああ、来たぞ。よく普通の宅配便で送れたな」
「(まあな)」
「住所は榎本に聞いたのか?あいつは元気にしてるか?」
「(ああ、生きてる)」

相変わらず、素っ気ない返答である。

「完成したとは聞いていたが、結構立派な代物だな。てか、これを本当に桐条のお嬢さんが使ってるのか?」
「(ああ。毎日やってる。最高だそうだ)」
「そりゃすげえ。最高だな」
「(全くだ。笑えんが)」

数年前、あいつからメールが来たので開いて見たら、珍しく煮詰まっているとの内容が記されていた。
タルタロス探索に向かうペルソナ使いの暴走と召喚失敗を防ぐべく、安全にペルソナ召喚が出来る器具の開発。
その条件がまた厳しかった。

『誰でも簡単に持ち出せないような仕様で、使う際に発動させる「きっかけ」になるような擬似的衝動を精神に与える物。
なおかつ、それは簡単に素早く使えるものでないといけない。』

…そもそも自分ちのじいさんの不始末で社員を巻き込んでいるのに、金持ちの発想は果てしなくわがままだ。
そんな愚痴をこぼすあいつを不憫に思い、趣味感覚で、久々に職場のパソコン上でこっそり作図まで行い、データをpdf保存してあいつに冗談半分で作成案を送った。
『面白いものが出来たので送る。試しに作って渡してみろよ。出来るものなら、やってみなってな』
そんなメールを添えて送った。それがこうして現実化するとはケツ毛ほども思っちゃいなかったが。

「(動くか?)」
「いや、まだ試していない。だが、今になって何故これを?俺もお前もこんなオモチャに頼らなくても…」
「(お前のじゃない)」
「?」
「(ガキに使わせろ)」
「なっ…!」

とっさに言い返せずにいると、堂島は畳みかけてきた。

「(…もういい歳だろう。練習させろ)」
「待て。…あいつの中に、何がいるのか分かって言ってるのか?」
「(ああ。だからこそ、練習させろと言っている)」
「しかし…」

少し間があって、怒気のこもった声色が耳に飛び込んでくる。

「(…いつまで尻ぬぐいをする気だ。お前、あのガキに囚われてやしないか?)」
「何が言いたい」
「(…未婚、養子、殺し屋の始末…何故そこまでしてやる?そのガキの親にどれだけ恩があるか知らんが、命張って人生捨てて、お前はそれで満足してるのか?)」
「堂島、お前言って良いことと…」
「(…本当なら、お前はそこにいるはずはない。ここに、いるはずだ。能力と、実績に見合った場所に)」
「………」
「(悪いが、俺は相手が子供だろうが何だろうがシャドウに関わった人間は全員疑って見ている。お前と、榎本の奴以外はな)」
「堂島、お前」
「(…もう少し、自分のために人生を使え。そのガキが大人になっても、まだお前が守るつもりでいるのか?タルタロスは消えん。影時間も消えん。いつか、お前の養子は何も知らず、恩も知らずにお前の元を出て行くさ。その時、お前に何が残る?歳食って婚期も逃した俺のように日干しになるのを待つか?俺はおふくろがいる。親孝行出来れば、それでいい。だが、お前は俺と違う。せめてジジイになった時の茶飲み相手くらい見つけろ)」
「…心配しすぎだ。俺は、充分今の生活で満足してるし、子供とコーヒー飲むのも悪かない。茶飲み相手は、老人ホームで見つけるさ」
「(そうか)」
「そうだ」
「(…まあいい。さっきの話だが、嫌ならお前が管理しておいてくれ。返送は効かん。ゴミに出しさえしなければ、好きにしてくれ)」
「考えておくさ。すまなかったな」
「(構わん。それに)」
「それに?」
「(いつ暴発するともしれんしな)」
「なっ…!?」
「(…勘違いするな。機械の出来は最高だ。…要は使う者次第、ということかな。それと、お前らをつけ回している鬱陶しい連中の方は心配するな。俺が手を回して手出し出来んようにした。後はゆっくり、自分の人生を楽しめ。いいな?…せいぜいコーヒーに毒を盛られんように、気をつけろ)」

電話は一方的に切れた。

…堂島の意図が読めた気がする。

これは、「ペルソナ召喚の練習」のために送ったんじゃない。
むしろ「暴発」を「誘発」させるために、
いや、
俺に、
双葉を、
「凶悪なシャドウの化身と化した元人間」として、
「やむなく」始末させるために…。

俺は深々とため息をつくと、召喚機を箱に仕舞い、クローゼットの奥にねじこんだ。












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://3373plugin.blog45.fc2.com/tb.php/11-b7161290

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。