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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

目覚めと安堵と。
*

目覚めて最初に感じたのは、全身の筋肉の硬直した感じ、そして至る所にいつの間にか出来ていた筋肉痛。
きっと、服を脱いでお風呂に入ったら全身青タンだらけなのは間違いなさそうだ。
何年も身体を動かさなかったかのような、意識に全身の筋肉や神経が追いつかない感覚。バンザイの状態で昼寝してしまって、気がついたら両腕が痺れていた時に少し似ている。

そんな事を瞬間的に思い巡らせられるほど、意識はくっきりした輪郭を得て冴え冴えとしていた。

意識だけじゃない。
肉体も、やっとはっきりとした輪郭を感じられる。
腕も、足も、胴体も、鼻も目も口も耳も。
全て、在る。

僕は、まだ生きてる。

そう思い、嬉しくて飛び起きようとして全身が一斉にきしんだ痛みを上げ、悲鳴の如く短く呻いてまた地面に突っ伏す。
…情けない。
ここ数週間の不摂生な生活がこんな形でツケになり巡り巡ってくるなんて。
自分のもやしっ子ぶりを再認識して悲しくなっていると、しかめっ面で顔を覗き込む人影が視界に映った。

「ふたば、くん…?」

おそるおそる、おどおどと問いかける口調。
ああ良かったと、互いにほっとして、何故だか答える代わりに笑みがこぼれた。

「…はい、榎本さん、僕です。双葉、です…」
「………あああ、よかったぁ~…本物だ、本当だぁ~」
心の底から安堵しきって、全身から疲労しきったオーラを放っていた榎本は、土気色の困憊した顔元にくたびれ半分喜び半分の力無い微笑みを浮かべて、横たわったままの双葉をそのままそっと抱きしめた。












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