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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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執着の蛇。
*

ぬめぬめと油を塗ったような濡羽色の黒髪、黒曜石の肌、耳元まで裂けた口元の上を白磁のマスカレードが縁取る。

腹に憎悪を貯め込んだ、復讐の黒蛇。
二人を見下ろす巨大シャドウの頭部と思われる「女」の顔は、双葉の顔をしげしげと覗き込みにたりと微笑む。

『 みーつけたー こうたいー 』

キャッキャッアハハと、耳障りな金切り声で「女」は笑い声を上げる。
ろくろ首とは違い、伸びた鎌首には薄っぺらい手と申し訳程度の乳房が垂れ下がっている。
下半身にあたるであろう壺状の膨れた胴体で地を這いずりながら、邪魔だと言わんばかりに『愚者』は噴水を根本から掴んでもぎ取り、チャペルへ投げつけた。
「うわあ!」
チャペル正面玄関部分のステンドグラスが派手に割れ、解体用の足場が連鎖して崩壊し、地表へ雨あられと降り注ぐ。
素早く榎本を抱き抱え半身分だけ身体をどかせると、三秒後にその場へ鉄骨の柱が崩れ落ち地面に突き刺さった。
背中に冷や汗が伝うのを感じ顔を上げると、『愚者』は双葉の必死な様を見てにやにやしていた。

『 ふたばちゃん にげてばっかり どこいくの ? 』
「愚者…」
『 おにさん こうたい なんで にげるの ?』
「逃げてなんかない」

『愚者』の黒く薄い腕が、鞭のようにしなり、チャペルの屋根を一文字に薙いだ。
レンガ造りの表層が崩れ、土煙を巻き上げて頭上に降り注ぐ。榎本を庇うように身体を覆うと、後頭部や背中に細かな破片が幾つか当たり、肉と骨がきしむ痛みに顔をしかめ必死に耐える。止めに頭上から降ってきた土埃をもろに背中に浴び、むせ返ると『愚者』はその手に大きな金属の棒を掴んでいた。

チャペルの屋根に飾ってあった、十字架。
施工時のセメントを全て取り払ったのだろう。錆ついた十字の根元部分、尖った切っ先だけが硬質の青白い光を放っていた。

『 うそつき うそつきうそつき いきかえらせるって やくそくしたのに 』
「………」
『 しかも にげた なかまにいれてあげようと おもったのに 』
「僕は、逃げてない!」
『 うそつくな!! 』

記憶の片隅にある、母の声の混ざったノイズが鋭く双葉の耳に、心に突き刺さる。

『 おもいだしたんで しょ ? おまえは わるいこ ひとごろし
  ちちおやと おなじ ひとごろし うそつき うそつき 』
「…ああ、思い出した。僕が、昔ペルソナが使えた頃の事。父と一緒に、皆に何をしたのか。
実験を止められなかった事、許されない事も、もう取り返しがつかない事も分かってる!
だけど分からない、皆プレアデスの戦士だったんだろう?どうしてシャドウになんかなったんだ!?」

『 なりたくて なったんじゃない 
  ぼくらは わたしは しんだ 
  しんだのに てんごくも じごくも みえなかった
  だから ままのいうとおり からだつくった
  きっと おまえのせい おまえのちちおやの せい 
  だから おまえが おに おまえ つかまえたら たべたら おわり 』

「…なん、だって…」

天国も、地獄も無い。
どういう意味だ。
困惑する双葉の腕の中で、榎本が「ペルソナだよ…」とか細い声で呟いた。












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