3373plug-in

ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
触れ合う指先。
*
「…おとーさん」
消え入りそうな声で、双葉は囁く。

「これ、貸して」
おねだりとは又違う、至極真面目な面持ちで、双葉は陽一に訴えかける。

「駄目だ」
振り払おうとした手を、双葉はぎゅっ、と掴んで離さない。

「だって、身体…」
「心配ねえって。痛み止めより良く効く魔法だ。後でタネは教えてやるからさ」
「なら榎本さん、助けに行ってあげて。お願い…」
目を逸らし、俯いたまま双葉は陽一の手の甲に爪を立てる。
そっと、カタが付く程度の皮膚の痛み。
その指先が、震えていた。

「榎本も助ける。まだ死んではないんだろ?微かだが生命反応は感じるんだ…どこかはっきり分からんが」
「教会の出入り口に居る。このままじゃ死んじゃう…でもこのままじゃおとーさんも死んじゃう」

バカッ、と小さくたしなめると、右手を無理矢理振りほどこうとしたものの、双葉は普段想像も出来ないような力としつこさで必死にその手を離さない。

「双葉。…お前、俺の今の状況を見て、怖くはないのか」
「何も」
「………化け物が目の前に居るんだぞ」
「別に」
「…俺の、お前の前にも何か得体の知れないモンが浮いてるんだぞ。怖いだろ?」
左の親指を立てて差す先に在る、陽一のペルソナを一瞥し双葉は驚きもせず答えた。

「どうでもいい。…僕の中にもいるから」

双葉は真っ直ぐに陽一を見上げていた。
ただ黒い、黒い漆黒の玉石が二つ、こちらを見ている。
俺の外面と、本質の投影を。
真っ直ぐに見つめている。
陽一は、拳銃を握った手の内がじわりと汗ばんでくるのを感じた。

「………!?…お前…まさか……」

「おとーさん死なないで。僕が戦う。
あいつは僕が戦わないといけない相手。
僕がまだ秘密のお友達を知っていた頃の友達。
僕には分かる。僕を呼んでいるのは、僕の死を願っているから。
でも僕死ぬために戦うんじゃない。
おとーさんも、おとーさんの大切な友達も守りたいから。
きっと、僕でなきゃ駄目な気がする。
…僕のペルソナで、なければ。でも、自力でどうしても出せない…!
感覚が、姿が、もう見えない…」
「双葉…」
「たとえ今目の前に居るおとーさんが幻だったとしても、もう一度、僕のせいで誰かが死ぬのは嫌だ!!
…ううん、もう、もう、家族を、大切な人を見殺しにするなんてしたくない…僕は、僕は…」

目を逸らし、無理に力を込め手を振り払うと、陽一は拳銃を掴んだまま………グリップ部分で双葉のおでこを強めに小突いた。
予想外だったらしい。双葉は不意打ちをモロに喰らい、涙目で額を押さえて悶絶した。

「……いっ、たぁ」
「ったく、子供が生意気言うものじゃありゃあせんよ」

『 うふふ うふふ うふうふうっふ しんじゃえ しんじゃえ 
  うそつき いっしょに しんじゃえー !! 』

ふいに、『愚者』の伸びた胴体が大きく波打ったと思った瞬間、蛇女の口が三日月に耳元まで裂け、呪言の渦が二人の頭上に二度三度と降り注いだ。

「…ちっ、無粋な」
『愚者』の放った呪言が到達する数秒の間に、二人の周囲を光のバリヤーが包み込む。
爆音と暗褐色の波動が地を削って轟き、噴水は跡形も無く消し飛び、溜まっていた泥と血の池は一瞬で干上がった。
しかし、土煙が消え、彼らの跡形すらも消えている事に気付くと、『愚者』は顔を歪め、地を揺るがすような咆吼を上げ天に吠えた。












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://3373plugin.blog45.fc2.com/tb.php/119-ee39ab35

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。