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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

鼓動。
*

最初に異変に気付いたのは、見事なまでに破壊し尽くされた児童公園に着いた時だった。
『愚者』の気配に感づいて、同時に双葉を探しながらポケットの「切り札」をまさぐった。

無い。
カードが、消えている。

焦った次の瞬間、同時に「あれ?」とも思った。
そもそも、ペルソナはカード状に出来る代物だが、非常時以外は所有者の心の海に沈んでいる=収納されているはずだ。
それが、手元から消えたって事は。

「切り札」は、手に入れた直後は像すら浮かんでいない素札の状態だった。
それが、幾月にお礼参りをして自重させ、堂島の本心を知り、走る道すがらついさっき確認したときまで、その間ずっと表面の絵柄は目に見えて濃度を増していった。
少年雑誌の付録にあった、太陽の光で焼き付けるオモチャのカメラとその写真を想像してもらえるといい。
あんな感じで、他者の思いに触れる度、俺の内面でも化学変化が起こっていたらしい。

消えたんじゃない。
俺のそもそものペルソナであるスーリヤと、同化?したのか…。

そこまで思い至った瞬間、頭の片隅で何か弾けるような感触を覚えた。

正解か。
むかつくような、わかりやすくて有り難いような…。
フィレモンは、つくづくテストが大好きなようだ。

しかし、試しにペルソナを使って戯れにそこいらのシャドウを蹴散らしたが、やはり姿はスーリヤのまま。
足りない。
何か足りない。
まだ、「もうひとつの俺」に新たな形を与える、きっかけが必要なのか?

ならば…思い当たる答えは一つだけ。
そして、あいつに出会った時、俺は手中に「答え」を収めた。












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