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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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仮面の奥で揺れる悪意。
*

肺が焼き切れそうなほどに激しい呼吸をしたのは何年ぶりの事だろう。
学生時代、いたずらに不満を溜めては突っかかってくる田舎ヤンキーにヤキを入れた時も、
大学時代にしつこい悪質な金貸し屋の取り立て連中を半殺しにした時も、
…シャドウに関わり、正気も善悪の判断も失い、破滅へと世界を道連れにしようと目論んだ連中をこの世から消し去った時も、
こんなにしんどかった覚えは無い。

小学生の頃好きだった、帰り道の急な坂を全速力で駆け上るような爽快感も無い。
あるのは底の無い闇。
自分を掴んで離さない、上からのしかかってくる、重苦しい視線。
その奥底の見えない孔の向こうに感じる、果てしない負の思念。

お前は一体なんなんだ。
子供達を従え、統率する意志。
明らかに、短絡的で幼い下腹部の子供達よりも明瞭で高等な知性を感じさせる「頭部の女」。
子供達が双葉を恨むのは理解できる。
たとえ、双葉の立場では何も出来なかったと分かっていたとしても、だ。

しかし、それをまとめている中心の意識?=「ママ」?と呼ばれている存在……?
これはイコールなのか、それとも彼らにシャドウとしての生命を与えただけの意志なのかは判別がつかない。
だが、そうした女性の存在は、記録にも記憶に無い。
日向の研究施設にいたのは男性のスタッフばかりだったはず。
保母にあたる存在もいなければ、保健室の先生みたく子供達が心のよりどころにした女性の記録も無かったはずなのだが。

そして、この容姿。
双葉の、母親を模した相貌。

ママ。
死神の小僧は、双葉をビデオで一度だけママと呼んでいたっけな。
そうでなくても、あの施設に連れてこられたのは孤児ばかりだった。
母親が恋しいのは当然だ。

ふと、思い出す。

天上の母。
滅びの女王。

ニュクス。

かつて、研究者の間で囁かれていたシャドウの母胎。
異質な陰に潜む生命体の母なる存在。

もし、こいつがそうだとするなら。
戯れに死んだ子供達の無念に形を与え、弄んでいると言うなら。

それは「死」そのものだと聞いた。

「死」とは全ての「滅び」だとも。

「死」を滅する。「滅び」と滅ぼす。

そこまで考えが行き着いて戦慄した。
そんなこと、ちっぽけな人間でしかない俺に、出来るのか…?

迷いは、心の隙を生み出す。
俺は眼前に飛んできた黒い拳を辛うじて飛び退き避ける。
ほんのコンマ数秒、数センチ手前の地面が拳に砕かれ、えぐれ、地面が揺れる。
バランスを崩し、思い切り転倒し顔をしかめる俺を見下ろし、けらけらと女はせせら笑った。












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