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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

本能に抗う叫び。
*
「アハハハハアハハ…ああ、阿呆らしい!
生きるの生かされてるの、お前等一体この世に何年存在してたんだ?
影時間の間だけの存在だったとしても、お前等はずっと複数のシャドウ、いいや、かつて共に同じ時を過ごした仲間だったんだろうが!
なら何故気付かない?何故理解していない?
息子を庇うのに理由なんてあるのか?特別な存在ってなんだ?
要る要らないなんて、どこの誰様が区別付けたってんだ!

「生きる」事に上下なんかねえよ。

悪と戦う使命など無くても、この世に産まれて、精一杯学んで、働いて、世界の一部としてこの世を回し続けているのは、
お前等が見下している、何の特別な使命も超能力も持たない、その他大勢の「凡人」なんだよ。
俺は知ってるぜ。
特別な力があったからって悪の組織がいなければ、ヒーローなんか要らないのさ。
でもそれは良いことだろう?世界が平和だって証なんだから。
ならば双葉は「悪」か?…俺の答えは「否」だ。
お前達をシャドウに変えたのは、実験を行った研究者であり、研究に関わった俺達であり、馬鹿な妄想に取り憑かれた大人だ。
双葉も、お前達と同じ研究の犠牲になっただけ。恨むのは筋違いなんだよ。
でも、お前達は声高に叫ぶ。
自分たちは正しい。被害者だ。だから、双葉を食べる権利があると。でなけりゃ、正義の味方の名折れ、だもんな。
だがな。
………チャチな正義の味方ごっこがしたいなら他でやれ!下らん選民思想にいつまでもしがみつき続ける気か?
「正義の味方になるため」に!
無理矢理敵を作って!
意地になって生に執着し続けて!
それがお前等の「生きる意味」だったってのか!?
そんなのだから、シャドウに成り下がっちまったんだろうが!!」

『 だ… だまれ ! 』
ほんの少し前まで余裕しゃくしゃくであった『愚者』の表情が、憤怒一色に染まり、ヒステリックに歪む。

「いや、黙らんよ。…お前達、本当は双葉を食べたいのは解放される云々じゃなくて、もっと直接的な願望からじゃないのか?
第一、何故双葉を食べて鬼ごっこが終わって、成仏出来ると?根拠は?ソースはなんだって?
ママにちゃんと説明してもらったのかな?」

『 ……… 』

「ほれな。…お前等は、ただ悔しいだけなんだ。
選ばれた戦士だと言われ、孤児の孤独と悔しさを戦士の誇りにすり替えられて、それだけをプライドにしてたんだものな。
だが、現実は違った。ペルソナは確かに異能の力だったが、それはお前達を英雄にはしなかった。
実験体にされ、意識だけがこの世に執着し残され、挙げ句シャドウにまで変じ、未だ「生」に執着し続けている。
…だから、悔しいんだろう?
双葉が。
一番、お前達の中で弱く、
低い立場に置かれていた双葉が、今この世に普通に「生きている」事が。
…正直、お前達が全部悪いとは言わない。
だが理不尽な「死」の理由を双葉に求め復讐じみた贖いを迫るのは筋が違うだろう!」

『 ちがう! フタバ ちちおやと ぐるになった 
  でも ちちおや しんだ そいつも ころす
  しにがみの ペルソナ とりあげて ころす! 』

「双葉もあの馬鹿な父親に騙されただけだ!そんな事したって何もならん!
新たな悲しみと不幸を呼び込むだけだ!」

『 いいや フタバで おわり フタバたべたら みんな じゆう
  わたしには きこえる ままの こえ きこえる
  ままは わたしたちに いった 
  フタバ しにがみ つれてきたら じゆう じゆう
  まいにち まいばん きこえてた ままのこえ
  ピカピカひかるいしの なかから きこえてた 』

「光る石の中から…」

『 そうだ だから 喰わせろ くわせろおおおおお 』

黄土色の仮面の下で、愚者は粘土質の黒い肌を歪ませ、口を大きく開き陽一を威嚇し襲いかかる。
陽一はためらいもせず、眉間に銃口を突きつけ引き金を引いた。

「アシュヴィン!」
理性を駆る白銀の騎手が宙に現れ印を結ぶと、その指先から万魔の閃光が炸裂し、雷鳴のような轟音を伴い愚者の大口に吸い込まれる。

『 みぃっ ぎいややあやあああああ 』
『愚者』は不意を吐かれ、仰け反って悶え苦しみ地にのたうった。

「…流石にメギドラオンは、効いたか…」
『…す、凄いっすね先輩!何時の間にそんな強力な術使えるようになってたんですか!?』
タイミング良く、榎本の興奮気味な思念波が伝わってくる。
「ついさっきだ。威力の分だけ精神力を喰うから連発は出来んが、まだ何とかなりそうだな」
『つ、ついさっきって…まだペルソナが進化してるんですね…』
「そうらしい。有り難いこった」
驚きもせず、至極冷静な冷えた思念波を返すと、「ほぅ」と榎本の安堵した溜息が聞こえたような気がした。
『でも、相手はまだまだ健在です。気をつけて下さいッス!』
「ああ。…こいつは、何が何でもねじ伏せる。今そういう気分になった」
『先輩…?』












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