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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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義父の願い。
「オルフェウス…いや、双葉…」
全てなし終えて、ふらつく脳みそで倒れるのを堪えながら、陽一は何とか笑顔を作ってみせる。

『…私は、主と共に貴方とずっと一緒にいたかった…愛した人と、家族と、ずっと一緒に…』
「それじゃ駄目だと、思ったんだ…」
『え?』
「それで、俺もお前も幸せかも知れなかったな。でも…それは、俺にとっての幸せだ。
きっと、双葉は本当の幸せを知らずに大切な青春を失っていく…。
双葉は、あいつは孤独を畏れている。
それ故に、愛されたいがために、自分を殺して、他人の望む自分を無意識に作ってしまう…俺と一緒に居てくれたら、と俺もずっと思ってた。でも、そうすれば、きっとあいつは自分の望みよりも先に俺の幸福ばかりを考えて行動する。
俺と一緒に暮らすための就職、生活を安定させるため働き、俺に孫の顔を見せるため見合いして適当に結婚して…双葉、お前ずっとそんな事ばっかり言ってたものな…俺はその度にずっと思ってた。
自分の望むものを探してほしいと。
お前が何をしようと、俺はずっと信じて見守るつもりだった。
だけど、お前はずっと良い子だった。
良い子の仮面を付け続けて、自分の本当の顔すら、忘れていく…自分のやりたいこと、将来の夢、全部俺に合わせるだけで何も考えなくなっていく…俺はそれが一番辛かった。だけど、それを否定して、お前を手放す事になるのを想像したとき、俺はどうしても踏ん切りがつかなかった…」
『………』
オルフェウスは、無言のまま宙で俯き、短い嗚咽をこぼす。
「双葉。いや、オルフェウス。…いつか、双葉に伝えておいてくれ。
自分のために、自分で道を探し、自分の望んだ人生を歩め、と。
誰のためでもない、自分だけの道を、歩めと。
たくさん友達作って、好きな人作って、困難でも自分の納得した人生を作るように、と…」

『…………はい』
オルフェウスは僅かな沈黙の後、小さく頷いた。

「ありがとよ。…餞別だ、とっておきな」
陽一が指をぱちんと鳴らすと、オルフェウスの掌に小さな炎が生じ、松明にも似たささやかな光がオルフェウスの顔を照らした。

「…力の大半は、デスの封印に使ったせいで、そのぐらいしか残してやれなかったが…それでもちったあマシだろ?
…オルフェウス。
…説明しなくても分かってるな?
お前の中に、俺は俺の持っていた力の全てを注ぎ込んだ。
お前はデスの封印の器だ。双葉を頼む。
内から双葉を、あいつの心を守ってやってくれ」
陽一の掠れがちになった声に、オルフェウスは何度も頷いた。

『分かりました…貴方のご恩は、一生忘れません…』
涙を流しながら、オルフェウスは胸元に炎を大事そうに吸い込むと、宵闇の虚空に溶け込み、満月の光の内に消えた。












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