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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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ここから、また、明日へ。

*

2009年3月31日。その日、世界の運命は静かに回り始めた。
堂島と榎本の思い、そして幾月の暗い欲望をエッセンスのように己の運命にかき混ぜながら、少年はそうとは知らず約束の地に今立っている。
数週間前、自分の元に来た「手紙」_その中にあった場所、母と義父…いや、実父が再会した地、港区。
ムーンライトブリッジの見える小高い丘にある墓地。

実の母・葛木葉子の墓を前に、双葉は持参した菊花とお供え、線香を手にしたまましばし眼下に広がる海岸都市の昼下がりを眺めていた。

潮騒が白く群青の海を凪いでいるのが見える。その上を羽ばたいて飛ぶ海鳥も、少し朱に染まった陽光に照らされる大橋も。
二時を少し過ぎて、街にはまばらな人の活気が満ち始めている。
丘下の神社からモノレールまで伸びる駅前通り。住宅街は静かに夕暮れを待っている。
子供達が春休みで空き地を駆けている。
全てが初めての光景なのに、ここには不思議と彼の心を惹き付ける何かがあった。

少し汗ばむような陽気に包まれながら、手早く墓の掃除とお供えをすると手を合わせ深々と一礼し、しばし物言わぬ墓石を見つめる。
どうせ、何も答えが返ってくる訳がないのに。
そう思いながらも、双葉は母を思わずにいられなかった。
それに、もう母の思いと答えは、予想外の形で知れてしまったから。

十年越しに母から届いた手紙。
だが、それは結局自分へ宛てたものではなかった。
最期まで自分を見守り、慈しみ育ててくれた父・成瀬陽一へ綴った愛の手紙。
その手紙が、今この地へ自分を誘った。
母と父を再び結びつけたこの地で、双葉はもう一度自分の生の意味を確かめようとしていた。












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