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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

以前のブログにて、
ついカッとなって書いたストレガ主の小説です。
全二回、山なしオチなしエロもなしw
ただ単にファルロス好きな主人公が書きたかっただけというすみませんすみませ(ry

ストレガな主人公の独白形式ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
やや女性向けなので、受け付けない方は注意。

↓追記よりどうぞ。


*
僕の名前はフタバ。
日向二葉。
だけど、そんなのはあまり関係ない。

今の僕の職業は復讐代理人。
西洋の魔女の名前からとって「ストレガ」と名乗っている、裏サイトの管理者だ。
とはいえ、サイトのデータ製作と立ち上げだけが僕の担当で、管理は僕の部下が行っている。
ジン、という名前のちょっと頭の薄い奴だ。僕と同い年くらいなのに、もうリー○21の世話にならなければならないほどの薄さだ。
我部下ながら、泣けてくる。でも、気心の知れた良い奴だ。少なくとも、サブリーダーのタカヤや諜報役のチドリに比べたら、まだ会話が通じるだけマシというもの。幾ら普通とかけ離れた生活をしているとはいえ、常識は必要だ。

僕たちは、とある機関の手によって開発された生体兵器のなれの果て、である。
ペルソナ。
僕らを蝕み、苦しめる己の現身。
桐条財閥の非合法な秘密研究機関に幼少時に監禁され、僕らは地獄の苦しみを味わい、そこから脱出した。
僕とタカヤたち三人は元々別々の研究所だったけど、後に僕が研究所を手当たり次第に攻撃・破壊していた時に三人を気まぐれで救って、それから面倒を見ている。

僕は過去の記憶が無い。
というか、曖昧模糊としてうすらぼんやりした気色の悪い画像しか見えてこない。
その代わり、ある頃からの映像ははっきり覚えている。
孤島の研究所で僕のペルソナが暴走し、改めて自我を得た時の記憶。
…いや、僕にそもそも自我があったのかすら分からない。
親がいたのかもさえ。
僕は、あの研究所で産み落とされた人間のクローンだよ、と言われてもきっと不思議に思わないだろう。
僕はずっとおかしな実験を受け続けていたらしい。
気がついたら頭から他人の血にまみれてべっとべとで、
真っ赤っかで、
大人のパーツが5・6体分くらい四肢がバラバラになった状態で散乱している中、僕は再びこの世界に、己自身の意志を持って生まれ落ちた。
後で、赤ん坊もそうやって母親の血にまみれて産まれると知って、何だか合点がいったのを覚えている。

僕はその時傍らに立っていた僕のペルソナ=デスと友達になった。
デスは、化け物だったけど、僕のココロを殺し続けた研究者を皆殺しにしてくれた。
僕を助けてくれたんだ。
ペルソナはもう一人の僕のはず、なんだけど、デスはちょっと変わっている。
上手く言えないけど、彼は僕であり僕でない。
僕の中に宿った子供。その言い方が一番的確な気がしている。
僕の血肉を得て、僕の無くした気持ちの悪い記憶を食べて育った、もう一人の僕。
僕の兄弟。
そして大事な大事な坊や。
彼は普段小さな少年の姿で「ファルロス」と名乗って、僕の前にだけ影時間の時だけに現れる。
その姿の可愛い事。
僕は、父親になれたならあんな可愛い子供が欲しかった。

どうせ、僕は薬物の副作用で子供が望めない身体だそうだから。
語弊の無いように付け加えておくと、僕は生態学的には男。
みかけ小柄だし、顔が女っぽいらしいからよく間違われるけど。
それでも、自分の手で身内が作れないというのは結構ショックだ。

いや、もう彼がいるからいいや。
僕のファルロスは可愛い。とびきり誰よりも可愛いんだ。
だから何でもワガママを聞いてあげる。

だから、僕に思いっきり甘えて。僕を、必要として、坊や。

本を読んであげよう。遊んであげよう。撫でてあげようね。だっこして。おんぶして。
オムライス食べるかな。プリン食べたいかな。オセロしよう。チェスしよう。

坊やは、僕に望んだ。

「僕の記憶を探して」

彼がそう望んだから、僕は再び港区に舞い戻った。
かつて僕が暮らした、記憶に全く残っていない、郷愁も何も無いこの街に。













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