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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

昨日から続く食事風景完結編。

どうでもいいのですが、
食事風景は平和でいいですな。

*
ゆかり「おいしー!」カレー皿を突く音が聞こえる…。
風花「じゃがいもホクホク!」
熱くて大きなジャガイモを口の中でハフハフしている姿が脳裏をよぎる…。
真田「あいつのと良い勝負だな…」
きっとプロテインを微笑みながら振りかけている…。
美鶴「これが家庭の味…回を増すごとに腕を上げるな…」
上品にポタージュを口に運ぶ姿が目に浮かぶ…。
成瀬「ウン、上出来」
…あいつが上出来と言う時。それは「最高に上手く出来た」の意味…。

階下から食事の音が続いている…。

「成瀬くーん、このポタージュも手作り?」
「うん、こないだ時価ネットたなかでミキサーのセット特売してたから、試しに買って使ってみた」
「ええ?ポタージュの素も使ってないの?!それでこの美味しさって…」
「この瓶は?」
「カレーの辛さを調整するスパイスです、真田先輩。それもミキサーで香辛料を混ぜて作りました」
「ふむ、まるで専門店のようだ。そつがないな成瀬」
「桐条先輩それほどでもないです」
「それはいいな。さっそくプロテインと一緒にカレーの上に」
「真田先輩かけすぎです」

階下から食事の音が続いている…。

「おかわりしていい?」
「うん、いいよ。今日は一人分浮いてるから多めに食べても大丈夫」
「やった!」
「あの、こっちのお皿は?」
「気にしなくて良いよ。夜食だから」
「そ、そう…」

階下から食事の音が続いている…。

「ああ、美味しかった~」
「お腹いっぱい~」
「デザートもあるよ。クリームたっぷりプリン」
「何と!今日はフルコースだな」
「済まないな、成瀬」
「いえいえ」

階下から食事の音が続いている…。

「もう入らない~…」
「今日はタルタロス、ちょっと無理かも…」
「僕も片付けあるから無理です」
「では、今日は明日からの探索に備えての滋養を取ったので後は休息、とするか?」
「そうだな、にしてもこんなに腹が満足したのは久しぶ…」

真田が言いかけて、廊下の隅に目をやる。

「………」
そこには、非常に物欲しげにこちらを見やるテレッテ順平の姿があった。
全員の視線が突き刺さる。
彼は小さくなって、その場にそろりと入ってきた。

「あ、いや、小腹が空いてさ~…夜食、何か、無い、かな~…と」
「そう。じゃあこれどうぞ」
成瀬は台所の奥に引っ込むと、大きなスーパーの袋を持ってきて順平に手渡す。
にっこりとした成瀬の微笑み。ビニールのへこみから、大体中身の予想が付くが…。
おそるおそる、順平は中を覗き込む。

そこには、大量のカップ麺が入っていた。

「…」
「気にしなくていいよ。特売のばっかりだし。じゃあ、僕片付けの後に明日の食事の仕込みもしないといけないから。では、ごちそうさまでした」
成瀬は何食わぬ顔で、そそくさと大皿から何から手際よく引っ込めて台所へと去っていった…。
「え、えーと…成瀬君、私も手伝うよ」「あ、私も…」
食卓に不穏な空気が立ちこめる…。
数十分後、順平は、人気の無くなった二階のロビーで一人ラーメンをすすっていたという…。

数日後。
成瀬に頭を下げる順平の姿があった。
「もう…もう耐えられねえ…毎日毎日あんな美味そうな匂いが寮内に立ちこめてるのが我慢ならねえんだ!ホント、悪かったよ、機嫌直してくれよ…」
「外食すればいいんじゃない?」
「金が保つかぁ!!」
「カップ麺」
「飽きた。…ああ、もう悪い、悪かった、俺の全面白旗でお手上げ侍」
「…分かった。僕も大人げなかったよ。今日は安く親子丼にするけどいい?」
「良い。すげー食べてえ。…あー、もうエントランスで留守番よりきつかった…」
「そう。しばらくそうなるけど、大丈夫だよね順平?」
「へ?」
「食べ物を大事にしない奴は一流になれないとお義父さんよく言ってたし。ちゃんと食べ物のありがたみが分かるまで二軍になってもらうから。嫌ならまたカップ麺買ってきたげるよ」
「………」
マジだ。目がマジだ。本気で怒っている。そうだ、こいつ貧乏生活長かったからずっと港区来る前腹へってばっかだったとか最初に聞いた…。
「いいよね?伊織君」
どうやら、俺は、成瀬双葉の触れてはいけない逆鱗に触れたようだ………。
それ以降、伊織順平が食生活とタルタロスでの権限において彼に意見する事はとんとなくなったと言う。












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