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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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あの人にとって僕は。
お義父さんが倒れた。
余命三ヶ月。
僕よりも、早く、想像していた以上に早く、いなくなる。
おとうさんが、家族が、また、消える。

お義父さんの知人のマンションに居候して数日が経った。
どのくらい日にちが経ったのかは、はっきり分からない。
ずっと横になってるだけ。起きあがる元気が出ない。
ぼんやりシミ一つ無い白い寝室の天井を眺めてる。
きっと高級マンションなんだろうな、こんな所にお義父さんを住まわせてあげたかったな、と思って、
また、目の奥が熱くなる。
こぼれる。
ぬぐう気も起きない。

ごめんなさいお義父さん。
僕は重荷だったよね。
僕がいたから何にも楽しい事できなかったよね。
僕のせいで病気になったんだよね。
僕が食事に気を遣わなかったから、身体壊したんだよね。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
謝ったって、何も返せないのに…。

しばらく霞む天井をぼんやり見ていたら、隣に気配を感じて首を動かす。

また、あの「犬」だ。
知人のおじさんが飼ってるらしい、ゴーグルを着けたレトリバー。
気がつくと、人が知らぬ間に物音一つ立てず僕の隣にお座りしている。
この犬は、おじさん曰くアニマルテラピーの一環で自分の手元に置いて育てているそうだ。だからなのか、身に着けているゴーグルが精密手術にでも使ってそうな物々しいメタリックフレームで、最初見たときびっくりしたのを覚えている。視力を補助する道具らしい。
きっと良い物を食べてるんだろうな、毛並みはいつ頭をなでても艶々で、非常に人懐っこく、絶対に吠えないし噛みつかない。
そして、いつも僕が悪い方向へ思考を巡らせていると決まって姿を現す。

「おいで」
そう言って布団から手を伸ばすと、掌に鼻先を擦り寄せてくる。
枕元まで首を伸ばしてきたので、そっと手を伸ばし抱きしめる。
シャンプーの香りなのか、動物的な体臭は全くなく、いつも草を思わせる爽やかな匂いがする。
それが鼻をくすぐると、とてもほっとして、ほんの一瞬だけ、全て許されたような安堵感を得られた。
全くの錯覚。
それでもすがりつかずにおれないのは、
僕は罪深い人間だから。
何の理由も無いはずなのに、何にも悪いことをしていなかったはずの、7年前から、胸の奥にあった確信。

僕は、ここにいるはずのない、いてはいけない、誰からも愛されない、子供。

お義父さんは、そんな僕にずっと「大丈夫」と言ってくれた。
ここがお前の家だから。俺達は家族だから、と。
いつも温かい手で僕の手を握ってくれた。

ごめんなさい、お義父さん。
僕は悪い子です。
僕が悪い子だから、本当のおとうさんも、おかあさんも、死んだんです。
僕が悪い子だから、誰も僕を引き取ってくれなかったんです。
お義父さん、僕には面と向かって言わないけれど、僕は何となく分かっていました。
僕の両親が死んでからの「空白の2年」、僕はずっとどこかでそんな自分に相応の「罰」を受けていたように思います。

だって、最近また悪夢がはっきり見えるようになった。
悪夢は僕に言うのです。

「お前が宣告者だから、皆死ぬんだ」と。

その言葉は、きっと、嘘じゃないと、僕は思います。












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