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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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長髪青年、春にふと思う。
*

くっしゅん、とくしゃみをしたのを見て、「風邪?」と問われて青年は「いや、違う」と苦笑いを浮かべる。
ほぼ真ん中分け、うなじが隠れるくらいに伸ばした濡羽色の黒髪がよく似合う切れ長の目と整った面差し。
隣を並んで歩く友人とそう大差ない服装ながら、全身ワンランク上の有名ブランドでコーディネートされており、なおかつそれをサラリを着こなしているのが小憎らしい。背丈も友人より拳一つ分くらい大きく、全身の肉付きは薄いものの足が長く、モデル然としたバランスの良い容姿をしていた。

「…花粉症かなあ。最近よくクシャミ出るんだよね。庵は?」
「俺は全然。噂されなくなった証拠だね」
「そっか。僕らはそれがあるものな…元有名人は辛いよ」
それとも女の子の噂かな、などと茶化すと隣の友人=安佐庵と笑い合う。

上京二年目、アーサー国際大学二年生経済学部所属、安住晶。
成績優秀、容姿端麗、品行方正な彼と安佐庵は、かれこれ十年来の付き合いとなる、自称「最強最悪の腐れ縁」の仲であった。

「で、その後メールあった?」
「こないだの合コン?いんやさっぱり」
「あーやっぱりなーそうだろうとおもってたー(棒読み)」
「だったら聞くなよ!!」
ゴメンゴメン、ととぼけた様子で笑顔を浮かべると、適当にくっちゃべりながら学生寮へと帰る日々。
毎日講義とレポート、時々男友達と遊び、時々女の子と付き合って何故かフラレての繰り返し。
自炊も家事もこなし、成績も優秀、教授の覚えも上々、大学内でも割と人気者。
そんな彼だが、どれだけ順調で順風満帆に端から見える人生にもどこかに不安や悩みは付きまとう訳で。

一つは彼女が出来ない。
出来ない、というより長続きしない。
付き合い始めて二ヶ月三ヶ月でフラレてしまってばかりいる。

…理由は定かでないのだが。
(某友人には無意識に二股=優柔不断だからだと言われるが、そんなつもりは無い…はず)

そしてもう一つは…今、隣にいる親友の庵、である。
紆余曲折を経て、小学校一年生から小中高と、遂には(結果的にとはいえ)大学まで一緒に通っているほどの仲ではあるが、思う事が無い訳ではない。
かつて、この友人はクイズ以外でも日本中に注目されていた。

そして真っ逆さまに落ち、そして這い上がり。

それを一番間近で見ていたのは、きっと自分だろうと思っている。
二年前の「事故」以来、問題は多々あるものの立ち直りかけてきてくれているのは良いのだが。

…いい加減、自炊くらい出来るようになって欲しい。
家事洗濯掃除と、何一つ生活基盤の基礎が出来ない二十歳ってどうなんだよ、と思わなくもないのである。

「今日メシどうするの?」
「ん?コンビニ」
「即答かよ」
悪びれもせずジャンクフードで済まそうとする。
そして、そのまま実行する。庵はそういう性格である。

良く言えば裏表が無い。悪くいえばまんまいきあたりばったりである。

「明日は講義午前中だけだからモツ鍋屋のバイト行ってくる。そこで賄いを腹一杯食べて帰るんだ~」
「あーまた肉ばっかり食べて帰るつもりだ…そんな食生活してると、絶対将来メタボになるよ」
「大丈夫。その頃にはお嫁さんにゴハン作ってもらうから~」

皮肉とかジョークでなく、心からそう言っている。
今現在女っ気の全く無い現状においてこれである。
打算とか計算とか無く、実際にそれで満足してしまって栄養素なんか考えもしない。
洗濯も替えのパンツが無くなるまでしない、掃除は部屋中埃まみれでも気がつかない。

だから、誰かが心配しても不思議じゃないだろう?

溜息混じりに、晶はいつもことあるごとにそう思うのだ。

「あーもう…仕方ない、カレー食べる?今日作るけど」
「行きます!いっきまーす!カレー大好き」
「はいはいよしよし、サラダも作ろうね~」

世話焼きもほどほどにしなきゃな、と思いつつ、楽しんでいる自分も考え物だよなあ、とこの頃晶はしみじみ思うのであった。












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