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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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ふと振り返って。
*
三十分後。
自信あり!の大きなピンポン音が店内にこだまする。
「これよ、これ!」
画面上の選択肢ボタンを小気味よく指差しで叩いていく。
ダン!ダン!ダン!ダン!
セピア反転した画面に、効果音が重なるアンサーフィニッシュ。一瞬の間を置いて。

…ぴろりろりろーん♪
正解と共に、自分のアバターがクイズ番組のメインモニタ前で優勝トロフィーを掲げる演出へと画面が切り替わる。
「いや~、気持ちいい!これ面白ーい!」
そうそう、これだ。自分がかつてクイズ番組に求めていた快感は。
早押しボタンで競り勝ち、颯爽と答えを積み重ね、優勝の座をゲット!

嗚呼やはりクイズの醍醐味はボタンですよボタン。
これをこう、ぴろーん!ぴろーん!と…。

「お、お客さん…あの、あんまりプレイ以外の時に強く叩きすぎないでくださいね…」
「はっ…あっああ、スミマセン…」
先程の若い店員に冷や汗混じりに注意を促され、のどかは思わず手を止め頭を下げるばかりである。
いけないいけない、ここは香川の田舎とは違うんだから…。
ついつい、寂れたゲーセンを想起してしまいがちな田舎者の自分に赤面しきりである。

「さて、もう一回やって帰ろうかな…」
ウエストポーチの財布を探っていると、そこへケータイの着信音が。
慌てて取り出すも、自分の着信ではない。見れば、さっきの店員がモップに頬杖をついてケータイで話をし始めた。

「…はい雨み…ああ先輩どうしたんですか?へ?革のカードケース落ちてないかって?
えーと…」

「(仕事中にケータイは切ろうよ…)」
バイト先のカフェにいる高校生の後輩を思い出し、少しブルーになる。

最近の高校生って皆ああなんだよね…と、ほんの二年前まで高校生だった自分が心で呟いている。
自分も、もう二十歳か。
こんなところでなにやってるんだろう。
やりたい事があると、両親を無理矢理説得して上京したのに、私ちっとも変わってない…。
「夢を目指すだけなら、別に地元の学校でもいいんじゃないか?」
そう首を傾げた父の顔が思い出される。
それはそうだと思う。
だけど、ずっと田舎で漫然と親に甘えて暮らす生活を続けていたくなかった。

試したい。
どこまで自分ができるか試してみたい。
そう思って、女子大最難関のアナマリア女学院大学を受けたはずだったのに。

ああまた。
落ち込んできた。

いけないなあ、と思い、財布にプレイ用カードをしまう。
田舎の両親に無理を言って通わせてもらっているのに、自分は何しにここにいるのやら。
時々、分からなくなってくる。
足下に置いておいた提げ鞄を持ち上げ、席を立とうとしたその時。

鞄と筐体の隙間に、薄いカード状の何かが落ちている。

「誰のだろう…落とし物かな?」
つまんでひっくり返そうと思った矢先、座っていた座席の隣に、良からぬ気配が何の前置きも無く滑り込んできた。

「ねえねえ、今一人?」
「へ?」
思わず間の抜けた声が出てしまう。
と、突然横に座った見知らぬ男がにこーっ、と笑いかけてきた。
見るからにヤニで黄ばんだスキっ歯にださいスタジャン、しかも金髪。
田舎にもこんなローテクなヤンキーは今時いない。

目を丸くして言葉に窮していると、隣の筐体座席に同じような風体の男がどかっと座り込む。

「可愛いねえ、アン大のコ?何年生?」
「ねえねえ、外で遊ばない?おごるよ?」
「いやあの、その、誰ですか?」
「誰でもいいじゃん?遊ぼうよ」
ヤニ臭い口臭に顔をしかめると、金髪はニヤリと品の無い笑みを浮かべる。
「…私、用事が」
「えー、暇じゃないの?さっきまでゲームしてたのに?」
「どうでもいいでしょ」
「んだと?」
不快感を隠さず強気な返事をした途端、両隣を挟んできたあからさまにムキムキ体育会系な野郎二人に上から睨まれ、ぞくっ、とのどかの背中に寒気が走る。
そっと周囲を確認するも、通話中だったはずの店員の姿は既に視界の外に消えていた。












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