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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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交差した思い。
*
「(嘘っ、あの店員さん何処行ったのよ…)」
「で、どうよこれから」
「わ、私、待ち合わせがあるから失礼します」
立ち上がろうとした瞬間、二の腕を力任せにつかまれ、思わず顔をしかめる。
抵抗するより早く引っ張られ、尻餅をつくように座席に座り直されると、腰に暑苦しいほど熱を帯びた角刈り男の腕が回り込んでがっちりと締め付けて立ち上がれないようにされてしまう。

「誰と待ち合わせ?オンナノコ?それなら誘って一緒に行こうよ」
「ちょっと、手、離してよ!」
「ん?何?聞こえなかったなあ」
腰の上辺り、腰骨の筋肉をつねられのどかは顔をしかめる。
「いっ!何すん…」
「黙って言う事聞けや。な?痛い目見たくないだろ?」
右隣の金髪の手が、太股をまさぐっているのが分かって不愉快が全身を走る。
デニムのショートパンツ上から、いやらしい感触が這うように伝わってくる。
怒りを堪えてのどかが眉をひそめる様子を見て、男達は二ヤけた笑みを浮かべてのどかを見つめていた。
「!………」
ど、どうしよう、どうしよう!
普通にゲームやってるようなモヤシ男ならともかく、見るからに腕っ節じゃあ勝ち目が無いよ!
普段なら物怖じしない自分も、流石にこれほどに屈強な強面が両隣では身の危険を感じる。
下手にビンタしたら、裏通りに連行されそうな空気である。
「(あ、杏奈ちゃんはまだ講義中だったかな…えっと麻美…ちゃんはバイト…藍子ちゃん…は絶対ダメ!無理!茜先輩は…嗚呼!今日はバイトの日だ!…)」
必死に脳内で友人知人の顔を思い出し、どうにか連絡とって助けを呼んでもらおうかと思いを巡らせるも、全滅くさい感じである。
唯一格闘技が出来そうな、一つ先輩の茜も今は土木作業のバイトに行ってる時間のはずだ。

ダメもとで、ポーチを探るふりをしてケータイの電話帳を手早く呼び出し、
「茜坂」のメール欄に空メールを打ち込むとモードを「マナーモード」へ切り替える。
もしバイト中でも気がついてくれれば、サークルの誰かに連絡取って確認してくれるはず。
そこからどうにか逃げる糸口を…。
ああでも、それまで時間稼ぎか、これは一旦外に出て隙を見て逃げるしか…。

「どうする?早くいこうぜ」
「すぐ車呼べるからさ」
「(うわあ…逃がさない気満々だ…)」
涙目である。
俯いて唇を噛み締めたその時。

「あのさ」

ふいに降ってきた聞き覚えのある男の声。
「アレ?」と、のどかが思う前に左側の角刈り男が「ああん?」とあからさまに不機嫌な喉声を鳴らした。

「どいてくんないかな」
男の頭に隠れてハッキリ顔は見えないが、ややくせがある堅そうな短髪、ロンTにジーンズ、スプリングコート…。

「んだとお?」
「そこに落としたはずなんだ。カードケース。それないと部屋の鍵が開かなくて…」

何か続けて言いかけたところで、彼の視線がのどかの手元でピタリと止まる。
「それ!」
彼の指先が、のどかの手に収まっていたカードケースを指した瞬間、角刈り男の肩越しに互いの顔が視認できた。

あ、とのどかは口を開いたまま二の句が継げなかった。
脳天気そうな、人懐っこい丸顔。忘れる訳がない。見間違うはずがない。

イオリ。
アンサ イオリ。
…いた!

「ありがとう、拾っててくれたんだ~」

全くもって空気を読まず、ニコニコと手を差し出そうとした庵の首根っこに、反射的にのどかは飛びついていた。

【続く】












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