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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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怒れる瀬賀大生。
*
「…認めねえ!!認めねえぞこんなの!」
台を力任せに叩き声を張り上げた角刈りに対して、庵は横に座ったままぴくりとも動揺しない。
「だって、俺は最初から何もルール変えてないし。お前等がもう一回もう一回って言うから」
「うるせえよ!何だよあのバカ押しは!…幾ら百円玉突っ込んだと思ってんだ、金返せよ!」
「てめえ何かインチキ使ってんだろ!?でないと可笑しいだろこの速さは!」

怒気をあらわに詰め寄る角刈りにも、庵は涼しい顔である。
「やだな、ボタン押さないそっちが悪いだけだろ?」
「押せるかこんなスピードで!問題の半分読む暇すらねえのに何で分かるんだよ!
インチキだ!絶対にそうだ!」

「クイズおたくがお前等如きにデータをいじるような手間暇かけるとでも?このローテクな脳みそを使って真っ向勝負する方が遙かに早く決着が付くのに」

「んだと!」

「クイズおたくの代表として教えてやるよ。クイズにだって神様がいるんだよ。
お前等みたいな不正も脅しも恐喝も嫌いな、真っ向勝負の大好きな神様がな。
俺はそれに則ってお前等と勝負しただけだ。
…なんなら、場所変えるか?条件同じ、コインそっちもち、ギャラリー有りでいいなら幾らでもやってやるよ。…結果は同じだって、断言出来るけどな」
ぐぐ、と男達の顔色が青くなったり赤くなったり信号のようにコロコロと変容する。

「見苦しいぞー瀬賀大生ー(笑)!」
「終わったなら帰れよなー!連コインは次の客が居ないときにしろっての!」
「順番待ってるんですけどー?ねえまだー!?まだですかあー?」
周囲の観客からは失笑混じりの盛大なブーイングの嵐が起こる。

「…ちっ、くっそ!覚えてろよ!」
「おめえ、ぜってえ許さねえからな!夜道歩けないようにしてやっからよ!」
角刈りと金髪の男が立ち上がり、座席を派手に蹴り上げて立ち去ろうとした前方を、一人の男が立ち塞がる。

先程、観衆の中で揉めていたソフトモヒカンである。

「あん?なんだお前?今すげー俺等気ぃ悪いんだけど」
「お前等だろ?…最近ウチの大学の複数のサークル騙って女ナンパしまくってる留年生は」
「だったら何?もてないヒガミ?…どけや。どかねえと畳ん…」

角刈りがタンカを切り終わる前に、観衆の反対側、店内奥に向かって角刈りの巨体は思いっきり投げ飛ばされていた。

側に立っていた数名の悲鳴に紛れて、トイレ脇の自販機横、燃えないゴミのアルミスタンドがひしゃげる金属音と男の短い呻き声が店内に響き渡り、周囲は水を打ったかのように静まりかえった。

「…こないだ、俺の主催してたクイズ研究サークル名乗っただろ。
…俺等だけじゃなくて、他のサークル連中もすっげー迷惑してんだけど。
でな、お陰様で俺のサークルは上の指導でとばっちり喰らって解散だ。責任とれ」
手首をこきこき鳴らして詰め寄るソフトモヒカンに、金髪は腰を抜かしてあわあわと後方へ引き下がる。
「いや、あの、それはだって」
「…でさ、しかも聞いてみればアン大で新入生狙ってカツ上げまでしてたって?
お前等何なの?…ああ、心配すんなって。
お前の友達、さっきそこでシメておいたから。
…お前も、ちょっと外出て頭冷やそうか…」

ヒイイ、と情けない悲鳴を上げて逃げようとした金髪の後方を、今度は別の人影が塞いで通せんぼする。

「…何だお前、瀬賀大の奴だったのか。情けない!文武両道の名が泣くぞ」
「間違いない、こないだ僕を脅した連中の一人です!警察呼びますよ!」
紙袋を抱えて立ち塞がる、夏彦と敦の顔を見て、金髪が動揺した隙にソフトモヒカンの瀬賀大生が金髪の襟首を掴んで無理矢理立ち上がらせる。
ぐえ、と短い悲鳴を残し、金髪はだらりと力無く頭を垂れる。
気絶したらしい。

「チッ、瀬賀大の恥さらしが。…おい、誰か店員に警察呼んでもらってくれるか?
あと、そこのそれ、どっかにくくっておいてくれ」
トイレ入り口に上半身を突っ込んだ状態で失神している角刈りを指差して指示すると、船乗りの荷物の如く、失神して白目を剥いている金髪を背負った状態で瀬賀大生が庵とのどかの横へそれとなく立ち止まる。

「久しぶりだな、安佐」
「え?」
「お前もこのゲームやってたんだな。…ちょっと、嬉しいぜ」
不敵に笑いかけられ、庵ものどかもきょとんとしている。

「また今度人のいない時に勝負しようぜ。リベンジしてやるから」
「ん?ああ、それはいいけど…

………えーと、お前、誰だっけ?」

ポカーンと首を傾げる庵に、のどかと瀬賀大生が思いっきりずっこけそうになったのは言うまでもない。

「はああ!?何、お前俺の事覚えてないの?天下の人間図書館が何ど忘れしてんだよ!!」
「そうだよ、どうしたの庵君?知り合いの人じゃないの?」
のどかも、困惑し眉をひそめる。
さっきは一度しか会っていない自分の事もすぐさま思い出せたのだ。
因縁めいた相手くらいすぐに思い出せそうなものなのだが、庵は眉間にシワを寄せている。
「あ、あー…えーとね、えーと…
ああ、そうだ、お母さんが息子に尋ねるようなテイストで一つ」
「っざけんなあ!…くっそ、それとも俺なんか歯牙にも掛けてなかったって事かよ…むかつく!スゲー頭きた!ぜってえやりこめてやるから!覚えてろよ!」
捨て台詞を吐き、人混みをかき分け不良留年生を担いで出て行く瀬賀大のソフトモヒカンの背中を見送ると、庵ものどかもほっと一息ついた。

【続く】












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