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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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雁首揃えて日が暮れて。
*

「と、いう訳なんです」
のどかの、やや庵を男前に誇張しすぎな表現を大目に見れば、概ね的確な説明に晶もひとまず納得した様子である。

「じゃあ、庵。君はのどかさんを助けようとして『初めて』このゲームをしたのかな?」
「その通りですお代官様」
「へえ~」
先程の騒ぎで無人と化した2階「アンサー×アンサー」筐体前にて、晶・夏彦・敦そしてのどかと椅子を並べて着座した中央に腰を据えさせられて、首をすくめてションボリ反省顔の庵に、晶の情け容赦ない疑惑の視線が突き刺さる。

「…のどかさん、庵のカードケース、まだ持ってる?」
「え?あ、はいここに」
「ちょっと貸して」
「あ」と何か言いたげにピクリ、と右手を伸ばしかけた庵を無視して、晶はのどかから革のカードケースを受け取ると、無造作に中のプラスチックカード数枚を取り出す。

「やっぱりな」
「何がです?」
「コレ」
某ツンツン頭の弁護士に眉をひそめる某美形検事よろしく、庵の眼前にどこかで見たようなカラフルなカードが突きつけられる。
途端、庵の顔面から脂汗がダラダラと流れ落ちた。

「それは…」
「このゲームの、専用カード…」
筐体のデモ画面と、カードに書かれた文言を見比べて敦が指摘すると、一斉に視線が庵に集中した。

当の本人は、これ以上ないほどに小さくなって俯いている。

「庵君、何だろうこれ」
「お代官様、お見逃しを、お見逃しを」
「よろしい、ハリセン追加」
「イヤアアアアアアア!!」


再び、三連続で乾いた炸裂音が響き渡った。

「ああ、すっごい久しぶりに二回も人前で伝家の宝刀抜いちゃったよ。全く、恥ずかしい…明日から講義の前後にしばらくまた言われるだろ?どうしてくれるのさ」
「お代官様申し訳ねえです、ほんとにほんとに」
「まあ、何となく感づいてたけどね。でないと、いくら何でも早押しのタイミングが早すぎる。一度『見た』問題が割と含まれてたんじゃないかと思ってさ。かくいう僕も二・三回したことあるし、コレ」
「知ってたのか?ひ、卑怯なり!悪代官だ」
「君と僕とじゃ立場が違うでしょうが!
…よろしい、ならばもう一度復習だ。そこにケツを出したまえ」
「謹んでお詫び申し上げます」
晶さん、すっごいノリノリでハリセン振り回してたくせによく言うなあとは思っても、怖くて口に出来ない敦であった。
…庵はと言えば、これ以上ないくらいの涙目で情けないショボーン顔を晒して小さく席に着座し直す。

「…まあ、今日はこのくらいにしておいてあげるよ。人助けで使ったなら、まあ許せるし」
「お代官様ありがとうでげす」
「お代官と百姓ごっこはもういいから!」
「あの、ちょっといいですか?」
黙って事の成り行きを見ていたのどかが、周囲の男四人を見回して手を挙げる。

「晶さん、庵君はどうしてクイズゲームをプレイしたらいけないんですか?」
「そうそれだ。俺も一年前にお前さん達に問いただした時には、そこがハッキリとは聞けなかった。理由はなんなんだ?」
「あー…それか。…どうする庵?事態が事態だし、ヒゲの安藤先輩にも、こちらののどかさんにも一応、君の事説明した方がいいんじゃない?」
「僕も、僕も聞きたいです!折角安藤先輩とクイズ研究サークル立ち上げるのに、是非お二人にも入っていただきたいですし!」

「ああ、それなら…」
庵が周囲の声に答えようと口を開きかけた瞬間。

グウウウウウウウウウ…。

…彼のお腹が盛大に空腹を訴えた。

「………」「………」「………」「………」
全員の顔がひきつったのを見て、庵は申し訳なさそうに腹を撫でた。

「…すみません、グリコーゲンが足らんとです…」
途端に、溶けかけたアザラシのような庵のくたびれきった面持ちに一同深々と溜息をもらした。

「…ですよね、僕ももうお腹ペコペコ」
「仕方ない、どっかのファミレスに場所を変えよう。お金は食費五万持ってる庵君負担で」
「ええええ!!お代官様、それだけはそれだけは」
「いっつも人ん家のエンゲル係数跳ね上げてるくせによく言うよ!この口か、この口が言ったかこのこの」
「あああ引っ張らないでもち肌ほっぺた引っ張らないで痛い痛い」
「それなら、あの、私がごちそうしますから!」
「ああいいですよのどかさん。女性に食事をごちそうになっては男が廃りますから。安藤先輩はどうされます?」
「俺も行くぞ!メシは自腹で食う、年下におごられるのはどうも好かんし…」
五人が座席から腰を浮かせかけたのと同時に、階下から勢いよく駆け上がってくる人影が五人の視界に飛び込んできた。
【続く】












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