【宴席編その1】
「あいつはブッチャーの○○」
「ハンターは肉を狙っています」
「饅頭超人」
の三本立てでお送りいたします。
「あいつはブッチャーの○○」
「ハンターは肉を狙っています」
「饅頭超人」
の三本立てでお送りいたします。
*
桜花絢爛、花吹雪。
宵の刻に酔いしれて。
既に七時を回り、周囲にはアルコールの芳香、酒の肴であろう弁当や露店から様々な食の匂いと、華やぐ人の活気が満ちていた。
花見の酒席に酔いしれる人混みを縫うように、大きな枝振りの立派な桜木の下へ、ちんまりと広がった空間が。
「おう、待ちくたびれたぞ!」
そこには、「大学町町内会」の袢纏を羽織った茜が、一人敷かれたブルーシートの上で立ち上がり大きく両の手を振るのが見えた。
「茜ちゃん、お待ち~」
にっこりと麻美らが人混みを縫って駆け寄ると、いつにない満面の笑みで茜に出迎えられる。
「ったく、腹ペコだぞ!麻美の手料理美味いからな、昼は軽くサンドイッチで済ませて陣取っておいたんだ」
「茜先輩、お疲れ様です。袢纏、どうしたんですかそれ」
のどかに聞かれて、「これか?」と、茜は袢纏の襟首をつまむ。
「そこの商店街にある、瀬賀酒店の店長が場所取っておいてくれた代わりに、ここいらの見回り代わってくれって。まあ、形だけのものだから、見回りはいいから揉め事が起こった時に頼むってさ。あそこの店長、ボクの親戚なんだけど、ブッチャーみたいなツラのくせに気がちっさいんだよな!ちょっと小突いただけで泣き出すくらいだから、きっと去年なんかあったんだろうぜ」
それを聞いて、顔をしかめる男女一人ずつ。
「(…先輩、ブッチャーの親戚だったんだ~…)」
人は見かけによらないよぅ、と思った反面、知ってたら500円取って貰えたかな~と思い至り、藍子は悔しさを噛み締める。
そしてその隣。
「(…あれの、親戚か…)」
やっぱりお嬢様大学なんて都市伝説かと、大輔は人知れず心の中で現実の侘びしさを噛み締めていた。
「じゃあ、始めますかな。アナマリアの部長さん」
「そうだな。今日は楽しい宴席にしようぜ、アン大の部長さん」
ヒゲ白衣夏彦と袢纏ショート先輩茜、がっちりと握手。
アン大クイズ研究部とアナマリア女学院大クイズ研究部、お互いのサークルの歴史が始まった瞬間であった。
*
※以降、会話中心となります。ご了承下さい。
茜「今日最初はノンアルコールっつってたけど、やっぱりお祝いの席だし、責任持って飲める奴は飲んでいいからな。つか、ボクが飲みたいからなんだけどさ…ああ、飲めない奴や未成年に勧めたり無理強いは絶対禁止だかんな!特にお前等!覚悟しとけよ」
男性陣「は」「はい…」(言い返せない…とてもじゃないが言い返せない…)
麻美「まあまあ茜ちゃん、そのくらいで…それじゃあ、始める前だけど乾杯の準備ついでにお重も開けておきましょうね」
庵「やったぁ(*´ω`)」
本日のお重メニュー:
一段目:【おむすびとお手製いなり寿司】
麻美「おむすびの具はランダムで練り梅・かつお・こんぶ・ツナとあるからね」
夏彦「いなりも全部お手製だ。揚げに醤油が染みてて美味いぞ」
晶「これ、全部麻美さんが握ったんですか?」
麻美「あら残念、実は夏彦さんと敦君にも手伝ってもらったのよ。どれがどれだか分かるかしら?」
のどか「(すっごい形がいい三角のおにぎりは麻美先輩として…)」
晶「(…あのやたらと控えめな俵型のは敦で…)」
茜「(…あのやたらばかでっかい球状のは…あいつのだろうな…)」
二段目:【おはぎと栗鹿の子】
麻美「これは夏彦さんの注文してたおはぎを詰め替えただけ。ちょっと手抜き☆」
夏彦「美味いぞ!たんと食えよ!」
三段目:【肉料理】
【さやえんどうとにんじんの牛肉巻き・和風鶏唐揚げ・肉団子】
庵「牛肉巻き美味しそうです」
麻美「美味しそう、じゃなくて美味しいわよ~」
晶「(いかん、庵がハンターの目になってる…自重させなければ…)」
そうびかくにん→せなか→ハリセン あきらは ハリセンを こっそりそうびした!
四段目:【煮物と卵】
【高野豆腐と蕗の煮物・筑前煮・だし巻き卵】
杏奈「先輩煮物とってもお上手!ちっとも煮くずれしてませんよ~」
のどか「だし巻きなんか、プロの仕事みたい!全然焦げてないし」
麻美「あらありがと~。良ければ、また今度教えてあげるから。食べたら感想聞かせてね」
五段目:【お野菜】
【菜の花とほうれん草のおひたし・ポテトサラダ・スライストマト・季節のフルーツ詰め合わせ】
麻美「ここはお野菜と果物中心ね。後は…」
夏彦「どっさり饅頭と菓子買ってきたからな!好きなだけ食えよっ!!」
夏彦の脇にでん、と据えられていた紙袋とエコバックの中から、敷かれたシートの上、お重の横にこれでもかと言わんばかりの甘味がどっさりと…。
庵「今日は食の貯蓄デーだな…先輩ありがとーございます!」
夏彦「おう、お前がめいっぱい食っても大丈夫なくらいあるからな!」
晶「(…先輩、将来の健康がすっごい心配です…)」
敦「(普段から、お菓子とコーヒー以外食べてるの見た事ないや…)」
大輔「(すげえ甘党だな…菓子類に塩っ気のあるつまみねえし…イカくんとか欲しくなってきた…)」
男性陣に対し女性陣は↓
のどか「(…こ、この量は…ああでも、今日はお祝いの席だし、ちょっとくらいカロリーオーバーしても…うん、よし!食べちゃお♪)」
杏奈「(…お饅頭に、駄菓子に、何だか懐かしいお菓子ばっかりですね。美味しそうだし、一個づつ頂こうかな)」
麻美「(ま、これなら生菓子系ははけそうだし、駄菓子は夏彦さんのポッケに収納されそうね。安心安心)」
茜「そんじゃ、乾杯すっかな。みんな飲むもの持ったか?」
全員「はーい」
茜「いよっし。では、僭越ながらボクが音頭を…両サークルの発展と交流、更なる向上を目指して…」
全員「かんぱーい!!」
【宴席編2に続く】
桜花絢爛、花吹雪。
宵の刻に酔いしれて。
既に七時を回り、周囲にはアルコールの芳香、酒の肴であろう弁当や露店から様々な食の匂いと、華やぐ人の活気が満ちていた。
花見の酒席に酔いしれる人混みを縫うように、大きな枝振りの立派な桜木の下へ、ちんまりと広がった空間が。
「おう、待ちくたびれたぞ!」
そこには、「大学町町内会」の袢纏を羽織った茜が、一人敷かれたブルーシートの上で立ち上がり大きく両の手を振るのが見えた。
「茜ちゃん、お待ち~」
にっこりと麻美らが人混みを縫って駆け寄ると、いつにない満面の笑みで茜に出迎えられる。
「ったく、腹ペコだぞ!麻美の手料理美味いからな、昼は軽くサンドイッチで済ませて陣取っておいたんだ」
「茜先輩、お疲れ様です。袢纏、どうしたんですかそれ」
のどかに聞かれて、「これか?」と、茜は袢纏の襟首をつまむ。
「そこの商店街にある、瀬賀酒店の店長が場所取っておいてくれた代わりに、ここいらの見回り代わってくれって。まあ、形だけのものだから、見回りはいいから揉め事が起こった時に頼むってさ。あそこの店長、ボクの親戚なんだけど、ブッチャーみたいなツラのくせに気がちっさいんだよな!ちょっと小突いただけで泣き出すくらいだから、きっと去年なんかあったんだろうぜ」
それを聞いて、顔をしかめる男女一人ずつ。
「(…先輩、ブッチャーの親戚だったんだ~…)」
人は見かけによらないよぅ、と思った反面、知ってたら500円取って貰えたかな~と思い至り、藍子は悔しさを噛み締める。
そしてその隣。
「(…あれの、親戚か…)」
やっぱりお嬢様大学なんて都市伝説かと、大輔は人知れず心の中で現実の侘びしさを噛み締めていた。
「じゃあ、始めますかな。アナマリアの部長さん」
「そうだな。今日は楽しい宴席にしようぜ、アン大の部長さん」
ヒゲ白衣夏彦と袢纏ショート先輩茜、がっちりと握手。
アン大クイズ研究部とアナマリア女学院大クイズ研究部、お互いのサークルの歴史が始まった瞬間であった。
*
※以降、会話中心となります。ご了承下さい。
茜「今日最初はノンアルコールっつってたけど、やっぱりお祝いの席だし、責任持って飲める奴は飲んでいいからな。つか、ボクが飲みたいからなんだけどさ…ああ、飲めない奴や未成年に勧めたり無理強いは絶対禁止だかんな!特にお前等!覚悟しとけよ」
男性陣「は」「はい…」(言い返せない…とてもじゃないが言い返せない…)
麻美「まあまあ茜ちゃん、そのくらいで…それじゃあ、始める前だけど乾杯の準備ついでにお重も開けておきましょうね」
庵「やったぁ(*´ω`)」
本日のお重メニュー:
一段目:【おむすびとお手製いなり寿司】
麻美「おむすびの具はランダムで練り梅・かつお・こんぶ・ツナとあるからね」
夏彦「いなりも全部お手製だ。揚げに醤油が染みてて美味いぞ」
晶「これ、全部麻美さんが握ったんですか?」
麻美「あら残念、実は夏彦さんと敦君にも手伝ってもらったのよ。どれがどれだか分かるかしら?」
のどか「(すっごい形がいい三角のおにぎりは麻美先輩として…)」
晶「(…あのやたらと控えめな俵型のは敦で…)」
茜「(…あのやたらばかでっかい球状のは…あいつのだろうな…)」
二段目:【おはぎと栗鹿の子】
麻美「これは夏彦さんの注文してたおはぎを詰め替えただけ。ちょっと手抜き☆」
夏彦「美味いぞ!たんと食えよ!」
三段目:【肉料理】
【さやえんどうとにんじんの牛肉巻き・和風鶏唐揚げ・肉団子】
庵「牛肉巻き美味しそうです」
麻美「美味しそう、じゃなくて美味しいわよ~」
晶「(いかん、庵がハンターの目になってる…自重させなければ…)」
そうびかくにん→せなか→ハリセン あきらは ハリセンを こっそりそうびした!
四段目:【煮物と卵】
【高野豆腐と蕗の煮物・筑前煮・だし巻き卵】
杏奈「先輩煮物とってもお上手!ちっとも煮くずれしてませんよ~」
のどか「だし巻きなんか、プロの仕事みたい!全然焦げてないし」
麻美「あらありがと~。良ければ、また今度教えてあげるから。食べたら感想聞かせてね」
五段目:【お野菜】
【菜の花とほうれん草のおひたし・ポテトサラダ・スライストマト・季節のフルーツ詰め合わせ】
麻美「ここはお野菜と果物中心ね。後は…」
夏彦「どっさり饅頭と菓子買ってきたからな!好きなだけ食えよっ!!」
夏彦の脇にでん、と据えられていた紙袋とエコバックの中から、敷かれたシートの上、お重の横にこれでもかと言わんばかりの甘味がどっさりと…。
庵「今日は食の貯蓄デーだな…先輩ありがとーございます!」
夏彦「おう、お前がめいっぱい食っても大丈夫なくらいあるからな!」
晶「(…先輩、将来の健康がすっごい心配です…)」
敦「(普段から、お菓子とコーヒー以外食べてるの見た事ないや…)」
大輔「(すげえ甘党だな…菓子類に塩っ気のあるつまみねえし…イカくんとか欲しくなってきた…)」
男性陣に対し女性陣は↓
のどか「(…こ、この量は…ああでも、今日はお祝いの席だし、ちょっとくらいカロリーオーバーしても…うん、よし!食べちゃお♪)」
杏奈「(…お饅頭に、駄菓子に、何だか懐かしいお菓子ばっかりですね。美味しそうだし、一個づつ頂こうかな)」
麻美「(ま、これなら生菓子系ははけそうだし、駄菓子は夏彦さんのポッケに収納されそうね。安心安心)」
茜「そんじゃ、乾杯すっかな。みんな飲むもの持ったか?」
全員「はーい」
茜「いよっし。では、僭越ながらボクが音頭を…両サークルの発展と交流、更なる向上を目指して…」
全員「かんぱーい!!」
【宴席編2に続く】
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