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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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無色透明の心で。
*

今朝、榎本さんが僕の家に行って必要なものを持ってきたいと言うので、ご厚意に甘えて家の鍵を渡すと、僕は久方ぶりに一人で留守番をしながらぼんやりと窓の外を眺めていた。
今日は良く晴れていて、窓際の大きな白いソファに腰掛けてるとウトウトするくらい暖かい日だった。いまだにぼんやりする頭の片隅で、日差しを心地よく思いながら、僕は榎本さんに申し訳なく思っていた。
今日は休日だと言ってたから、こんなに遅いのはきっと家の片付けで手間取っているからだろう。

本当は、僕が行かなければいけないのに。
でも、「僕も行きます」と言いかけて、言葉が口から出てこなかった。

一旦帰って、想像できる家の惨状を思い浮かべるよりも、
人気の無くなった部屋を見て、

そこにおとうさんがいない現実がはっきり目に映るのが、怖い…。

外に出られなくなったのも、きっとそのせい。
外に出て、僕の通う高校の同級生にでも会ったら僕は何と説明したらいいんだろう。
「おとうさんが倒れて、僕も倒れてた」なんて言ったら、きっと気持ち悪がられる。
僕みたいに、いつも父親の事を気に掛けてるだけで、いつだったか周りの同級生に「ファザコン」だと面白可笑しくからかわれて、心の底から泣いた覚えもある。

どうして、皆はいつもそばにいる人の温かさを気付かないでいられるのだろう。
やっぱり、失わないと、分からないのかな…。

…。
………。

…どうでもいい。

他人の思いなんか、探るだけ、無駄だ。
だから、「どうでもいい」くらいで、丁度良い。
他の人がどうして欲しいのかを考えて、それに合わせて、想像できる限りベストな選択肢を返していれば、世界は万事順調に動く。
何食べる?と聞かれたら「なんでもいい」、どっちがいい?と聞かれたら「どっちでもいい」。
それで慣れてしまえば、皆さして疑問に思わなくなる。

いつだったか、高校に入ってしばらくたった頃、同じクラスの友達とワックに行って注文を聞かれた事がある。
注文をまとめてオーダーしていた友人に「どうでもいい」と答えたら、何故か期間限定の超LLサイズバーガーを注文され、飲み物もラージでオーダーされた。
おごりだ、というので二枚重ねのピクルスもジュースも残さず美味しく頂いたら、その場の全員が目を丸くして僕を見ていた。後で分かったのだが、その特大セットを食べきると金一封にタダ券クーポンがもらえたらしく、友人達は皆一様に「食べきると思わなかった」と、ニコニコクーポン券を握りしめながら僕に感謝しまくっていた。僕も、タナボタでちょっとしたお金が手に入ったから文句は言わなかったが、もし残したらどうするんだったんだと聞くと、「俺が食うつもりだった」と、運動部の奴が笑いながら答えた。その後に、耳元でさりげなく呟く。

「今度から、食べたいものくらい、もっとはっきり言えよ。俺らに合わせなくていいから」

彼は、僕が高校に入ってすぐに、初めて声を掛けてきた相手だった。
今、学校で親しくしている友人も、元は彼の紹介で付き合いが始まっている。
きさくで、いつもニコニコしていて、誰彼となく話しかけ、気付けばクラスの人気者。それが彼だ。
何故か僕がiPodをいじっていたり、ぼんやり外を眺めていると、彼は決まって僕の側に来て話しかけてきた。
押しつけがましくもなく、ごく自然に、誰とでも触れあえるおおらかさが、不思議でたまらなかった。

彼でも、今の僕を見たら「気持ち悪い」と思うだろうか。
こんな歳にもなって、親にべったり依存してると知ったら、誰でもドン引きするかもな。

……ああ、また。
…無駄なこと考えてた。

いいんだ。他人がどうであろうと。

僕は、何も考えなくて良い。
プライドとか、自分の意志の尊重とか考えるから、生きるのが苦しくなる。
それなら、目の前にいる「誰か」が笑って過ごせるように、潤滑油のように全てが上手く流れるように僕の心は「無」のままでいいじゃないか。
彼だって、周りの皆だってきっと分かって近づいてくる。
僕が、自分の望んだ通りの言葉を返すと、頭のどこかで分かっているから…。












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