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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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嵐を呼ぶ男達in新潟駅前。
*

【七月十九日早朝・新潟駅前・高速バス停昇降口付近】


「は~るばる来たぜ新潟~あ~なたとぉ~食べたい鮭茶漬け~」
…着いて早々、睡眠バッチリの庵は非常に上機嫌である。
鼻歌偉人から、替え歌超人にランクアップしている。

「ねみぃ」
「れふよねぇ」
目の下に出来たクマも鮮やかな、不眠の二人は寝ぼけ眼のまま、新潟についた実感をあまり感じぬままぼんやりと快晴の空を仰ぐ。
ああ新潟に着いちまった、着いちゃった。
気怠い全身のまだるっこさに、大輔と晶は何度となく大あくびをする。

「何だよ二人とも、車で寝られないタチ?駄目だぞ三半規管を鍛えないと!」
「そうじゃねーよバカ…ああ眠いくそ眠い…」
酔い止め飲んでたてめえが言うなと、大輔は言いたい所をぐっと堪え、代わりに「行き先は」と問い直す。
「ああ、もうチェック済み。どこのゲーセンが近いかも調べておいた。後はどうやって行くかなんだよな…」
そう言うと、庵は手荷物を地べたに置き、そそくさと中からあるものを取り出した。

A4サイズのスケッチボード+黒の極太マーカー。
…庵が何を考えているか、半分頭が寝ている二人にも容易に想像は付いた。
二人の予想通り、庵はキュッキュッ、とスケッチボードの真新しいページにでかでかと「阿南酒造」と小汚い字で力強く書き記す。

「よしでーきた」

「庵君」
「おい安佐…もとい庵。お前、これで何する気だ」
クマのせいか普段より殺気が二割増しな二人に詰め寄られても、庵はどこ吹く風で「ああこれね」とにっこり笑って答える。

「ヒッチハイクに決まってるじゃん!」

既に日は高く、駅前は朝日に照らされて蒸し暑い。
涼しげな日本海側とはいえ、今日は普通に暑くなりそうである。
二人は行き当たりばったり超人安佐庵に着いてきた事を激しく後悔しつつ、バス車内で確認しあった行動を実行に移す。
晶は背中に手をかけ、大輔は手に作った拳を思い切りゴキゴキと鳴らす。

数十秒後。
乾いたハリセンの炸裂音と、重いボディーブローとで後方に吹っ飛んだ庵は、「何すんだよう」と涙目で身をよじった。

「もっと計画的に動け貴様は!!…ああもう、電話は後だ!住所教えろ、俺は前に一度新潟来た事あっから、もしかしたら何とかなるかも知れない!路面調べて、バス乗る方が固い!こんな糞暑い中、寝不足で路上ヒッチハイクなんか出来るかあ!」
大輔に雷を落とされ、庵はむー、と唇を尖らせる。
「えー…一応バス路線図と金額表は全部頭に入れてきたけど、結構ここからかかるんだよなあ」
「分かってるならさっさとしろよバカ!!」
「ねえ二人とも、その前に敦の家に電話一本入れておいた方が…」
調子悪そうなか細い晶の寝ぼけ声は、駅前で一目も気にせず怒鳴り合う二人の声にかき消される。

「えー、でも物は試し、書いちゃったしちょっと俺そこの大通り行ってくるわ」
「あー!!ちょっ…待てバカ!あのバカがっ!!」
ハイテンションで駅構内から出て行った庵と、キレ気味にそれを追う大輔。

その遙か後方、スタート地点で既に精魂使い果たした感のある晶は、一週間の不摂生な生活を激しく後悔していた。
全身を襲う倦怠感に耐えつつ、ハリセンを杖代わりに「お腹空いた…」と誰にも聞こえぬ声で呟き熱気に肩を落とし、ぼんやりと二人が戻るのを待ちながら夏空を憎々しげに見上げた。

「敦、なにやってんのかなぁ…」

【本編へ続く】












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