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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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糸目様が見てる。

※某サイト管理者様へ
いただいた画像、改めて使用させていただきましたが、問題あればすぐご連絡くださいませ|ω・`)
即日撤去いたしますので… その節は有り難うございましたm(__)m
*

その晩。
「兄ちゃん」
「なあにネム」
酒屋の後片付けをしていた敦の背中に、弟が不満顔で「あいつら怪しいよ」と唇を尖らせる。
「あいつらスパイだよ。特にあの頭の先が立ってる赤毛の方」
「大輔さんのこと?あの人はそんなことないよ。良い人だから」
「嘘!だって見たもん。さっき、晩ご飯の後にケータイ見て何かイライラしてたし」
声を荒げる弟を、こーら、と敦は優しくたしなめる。
「そりゃあそうかも知れないよ。だって、ケータイって個人個人のプライベートが詰まった機械だし。勘ぐりすぎだよ」
「むー…」
「ネム」
「なあに」
「しばらく遊んであげられないけど、我慢できるね。アコちゃんと仲良く勉強できるね」
「ええっ!?」
「…出来るね?」
「むう…わ、分かったよう」
「よし、いいこいいこ」
ぷい、とあからさまなむくれっつらを見せつけ、不満たらたらでそそくさと部屋に駆け戻る弟に目くじらをたてる事もせず、敦はその背中に「ごめんね」と呟いた。

*

「なあ」
「はい何でしょう大輔さん」
「感じないか」
夜も更けて、風呂をいただき床の中に入った三人であるが、実は何か落ち着かない。
夕飯に試飲をさせてもらい、まだほろ酔いが抜け切らない三人ではあるが、湯上がりで酒っ気も多少抜け、一応意識はしっかりあるつもりだ。

…調子に乗って、敦の父と一升瓶を何本も転がした大輔は別としてだが。
布団の中で、枕を抱く格好でうつ伏せになり、そそと頭を中央の方へと寄せる。

「今は居ないみたいだが…今日一日ずっと、な」
「ああ」
「それはなんとなく。…ずっと」
そう、三人ともずっと見て見ぬふりをしている事がある。

…昼食の後からまたずっと、弟君がこちらを監視しているようなのである。

まあ、何となく理由は分かるから良いのだが。
思えば、昨日道々並んで帰る際にもずっと敦と自分達が話している横で仏頂面をしたまま一言も口をきかなかった。
普段はもっと喋るんですけど、と敦が苦笑いしてフォローしていたが、多分自分のよく分からない、知らない話題(アンアン話とかクイズゲーとか東京での思い出とか)で、盛り上がっていたせいだろう。
昨日の晩も、敦はずっと遅くまでこの部屋で雑談していた訳だから、あまり構って貰えていないのが不満なのかも知れない。
突然理由も前触れもなく押し掛けてきたのに、兄も父も自分には十分な説明も無いまま、なあなあでもてなししてるし、そのくせずっと居座られては大いに不満も不安も募ることだろう。
こちらも引け目は多分にあるし、アラ探しの一つくらいは大目に見てもいいかなとか思う。
ただ、叩いても凝視されても何も出ないから、徒労に終わるのが誠に申し訳ないが。

「昨日も昨日で隣の部屋から視線感じるし、俺何だか寝不足」
「そうなの?僕は何にも」
目尻をさも眠たげに(3ω3)←ぼよーんと緩ませる庵に、晶が素っ気無く答えると、向こうでケータイをいじっていた先輩も「ああ」と口を開く。
「…そういや言ってたな、敦。隣の部屋には座敷わらしがいるって。床の間におもちゃが置いてあったような」
「お家の守神様なんですっけ?僕の実家にもいるらしいんですけど、僕会った事なくて」
「そうなのか、大事にしろよ。…俺、明日少し出かけるかも知れんが、いいか?」
「いいですけど、どちらへ?」
ちょっとな、と答えて再びケータイに視線を落とす先輩にそれ以上突っ込まずにいるも、部屋が無言になると、途端に沈黙した室内が気になり出す。

東京でのゴミゴミした雑音の夜更けに慣れていたせいか、田舎の微かな虫の音しかしない静寂は逆に五感を無駄に鋭敏にさせた。
三人とも、布団に入ったままごそごそと枕を連ねて額を寄せ合うと、こにょこにょと声を潜める。

「あの遮光器土偶を思い出させるねっとりした視線はマジ勘弁だな」
「珍しいですね、大輔さんがそんな事言うなんて」
「いんやー…夕方メールチェックしてた時にあのちびっ子に絡まれてさ。企業スパイだろうとか、兄ちゃんが迷惑してるから出てけとかって」
「あの子、あからさまに僕らを嫌ってますよね。分からなくもないけど…何か遊んであげた方がいいのかな…」
「どうだかなー…多感な年頃だろうし。むしろ放置プレーでいいんじゃない?」
「あっさりだな庵…まあ、明日くらい何か手伝いしようぜ。それが筋ってもんだろうし…でないと、無駄に好意に甘えて勘ぐられて、あのちびっ子にじろじろ土偶ビーム喰らい続けるのもなあ…」
「うんうん分かります。大輔さんは春にもこれ喰らってたもんね」


080718.jpg




いやあああああああ(以下略)っちょっっちょおまっ何持ってるんだよそれはぁぁぁ!!

「大輔さんテンプレ通りのステキなテンパリよう乙です(笑)」
「一体いつの間にこんな代物を…(庵…恐ろしい子…)」
「さる情報筋からこっそりと頂戴した。
(沢村さん貴重な画像有り難うございました)
泥酔敦の開眼する正にその瞬間をな!!
「おまっ、それ消せ!俺の情けないハニワ面が写ってるじゃねえかよコラ!」
「いーやーでーすー♪何というか、あの弟君見たとき俺はデオキシリボ核酸の神秘を見たね。兄の毘盧遮那仏級開眼ビームとまではいかないまでm…」

真ん中の晶の布団を挟んで、大輔と庵が羽根布団をもみくちゃにしながらケータイを争奪していたまさにその時。

がたり。  …障子を僅かに開く音がした。

「・・・・」
障子の僅かな隙間から覗く、現代の生ける毘盧遮那仏の凍りついた視線。
敦が某図かずお級劇画タッチの形相で、今にも叫び出しそうになったまま硬直している。

「・・・」「・・・」「・・・」
その時、阿南酒造の奥座敷に戦慄が走った。

「ーーーーーーーーーーーーーーーっつぁ!!」
声にならない悲鳴を上げて、もんどり打つように庵に飛びかかると敦は顔面を真っ赤にして首を左右に振った。
「どっどっどうしたよ敦くーん(棒読み)」
「ああ!見えた!…それ春の時の…っ!!うわわあああああん!庵先輩何でそんなの持ってるんですかああ!!」
「さあねえ?なんでだろ~なんでだろ~なななんななんでだろ~」
「誤魔化さないでくださいよ!…消してくださいよ~お願いですからそれだけはあああぁぁぁぁ」
「えーっどうしよっかなー(棒読み)」
「お願いですから!!それ父に見られたらお前東京で何してるんだって事にぃ…うっうっ、うわあああん!」

「あ、そうそう。俺、ここに来る前お前のオヤジさんのメアドゲッツしたから★

「あひいいいいいぃぃぃぃ!!!」

「こいつ」「鬼だ」
そう呟きながら、晶と大輔は庵が何でそんなに余裕しゃくしゃくでアポなし突撃出来たか合点がいった気がした。
庵の奴、切り札があると思ってこんな事してやがったか。
何だか非常にムカムカしてきた。人として。
「今までそんな卑怯な手段使う子じゃないと思ってたのに…何かすっごい悔しいです僕」
「俺は正直ちょっと呆れてるぞ」
昨日は何か目的があって来ている風に言っていたのに、それも怪しい雲行きである。

アンアン涙目の敦をからかう庵を見つつ、晶がそろそろハリセン出そうかなと思いかけたその時。

がたり。  …再び障子を僅かに開く音がした。

「・・・・」
障子の僅かな隙間から覗く、現代の生ける遮光器土偶少年の射るような視線。
ネム少年が某図かずお級劇画タッチの形相で、今にも呪いを発しそうな眼光を放っている…。

「・・・」「・・・」「・・・」
その時、阿南酒造の奥座敷に第二の戦慄が走った。

「あ、ね、ネムっ!!」
ピシャリっ、と即座に閉じられた障子を開いて急いで敦が出て行った後、そのあまりの恐怖に三人は互いの顔を見合わせた。

「庵」
「君、後で絶対天罰下るから」

大輔と晶に「お前やりすぎ」と言わんばかりのじとーっとした視線に庵が申し訳なさそうに頭を垂れると、二人とも互いにふう、と溜息をつく。

「まあ、お前はおつむが人より出来が良いんだから、明日からキリキリ働いて一宿一飯の恩義を返そうか。な?」
「ですよね大輔さん、僕も今回だけは許してあげるから、明日キチンと敦に謝って、ガリガリ一緒に働こうね?」

「は、はいい…」

事の重大さにようやっと気がついたのか、涙目になっている庵に、二人は更にステキスマイルで追い打ちをかける。
「大丈夫だよ。僕が背後でキッチリみっちりしごいてあげるから♪…手抜き出来ないように、ずーっと監視しておいてあげるよ★」
「えっ、ちょ、それ晶は一番楽してるんじゃ…」
「おおそれはいいな。何か変なマネしやがったら、俺も久々にマドハンドしてやるから覚悟しておけよ?…いいな?オイコラ返事は」

「は、はいい…ぅぅっ…」
はいよろし、と晶は今日一番の笑顔で柏手を打つ。

「んじゃキリもいいし寝るか。で、明日から何か一宿一飯の恩義を返すっつうことで」
「ではそれに備えて就寝、明日朝早起きして緊急会議という事でいいですかね先輩」
「だな。夜に話すと電気代がもったいねえし。今日は備えて、明日は六時起きな」

「…ちょっとふざけただけなのに…ぐすぐす」

「何か」「言ったかなあ?かなあ?庵君」

「何にもございません」
すっかりしょんぼりした庵の不満顔を無視し、川並びの中央にいる晶は身体を起こすと、吊り下がった電灯の紐を引き、灯を消した。
後に、この悪ふざけがとんでもない事件の糸を引っ張ってしまうとは、このとき誰も予想していなかった…。

【7月20日深夜・明日は海の日・大輔は二日酔い気味】












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