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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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昼下がりの二人(+酔っぱらい)。

※こちらの都合で、数日分の更新分を一気にしてます|ω`;)
すみませんがご了承下さいませ…
*

「悪いな、何から何まで」
伸びたまま、アルコールと疲労の影響からかすうすうと寝息を立てている大輔の枕元で、茜はバツが悪そうに手ぬぐいを絞ってそっと載せる。
「いえ、そんなお気になさらず」
すぐ傍らに控え、そんな茜の側についている敦は、普段とは違う茜の暗い表情がずっと気がかりであった。
「あの、お食事は」
「ああ、簡単にもらった。ありがとな」
「そうですか…」
何か楽しい話題でも、と思い考えるも思いつかない。こういう時、敦は自分の気の効かなさが嫌になる。

無言のまま、茜の看病する様子を眺める。
Tシャツの上から、「いざって言うときに従業員のフリしておきな」と父から渡された藍色の法被を羽織って座したまま、じっと物憂げにしている。
父は事情を知ってか知らずか、昨晩の茜の話だけで彼女の逗留を容認したようだ。
もしかしたら、何か思う所があるのかも知れないし、情報通な父の事だ。
詳細も既に見聞きしていたのかもしれない。
いずれにせよ、父は「お嬢ちゃんの側にいてやりな」とだけ自分に言い含めると、先輩達を伴って二階のコレクション部屋へと引っ込んでしまった。
先輩達は不安そうだったが、こういうときこそ、どんと構えて安心させるのが筋とも思うし。

彼女の横顔を見る。
ぴんと伸びた背筋。
細い鞭のように、しなやかで丸みを帯びた身体。
ゲーセンや町中で時折会っても、普段はボーイッシュか、でなくばアーミー系の男性的なスタイルしか見たことがなかったため、今自分の隣で慎ましく座っている姿に我知らず驚いているのかも知れないが、…その背中に、妙に色気を感じてしまう。
普段強気な誰かが珍しく気弱な姿をしていると、心配してしまう人の情が動いてるだけかも知れない。だが、法被の襟から伸びる首筋の白さ、いかにも柔らかそうなうなじに、外仕事で日焼けしても「屁でもねえな」と言わんばかりな普段の茜のあっけらかんさは見えず、代わりに斜陽の家業をその細身に背負う健気さばかりが際だって、いつもの気丈さでさえもいじらしく思い出されて…。

何か似てる感じ。…身体が我知らず引かれていくみたいな。

ああ、あれかな。
まるで、麹で満ちた蔵の戸を微かに開いた時のような。
隠そうとしても滲み出る、薫り立つ女性の香気。
そんなようなものを、どうやら自分は感じているらしい。

なーるほどな。
やっぱり、大輔さんはああいうけど、茜さんって秋田美人なんだな。
だってこんなに…。


………
………ん?

今、自分は彼女に何を思っていた?

「なあ、敦…おい敦?」
「へっ、あっ、ああ!…どうしましたか茜さん」
「いや、それよりお前どうした?顔赤いぞ。ぼーっとしてるし…お前も二日酔いなら、まとめて看病してやるよ」
「ええっ!?えっえっでも僕お酒呑んでないですしそのあの、結構ですっ!」
けげんそうに自分の顔を覗き込む茜に、敦は全く無意識に引きつった笑みを浮かべ、より一層頬をリンゴのように真っ赤に染めて俯く。
その表情がどう映ったのか、茜は眉をひそめてふうーっと、長い長い溜息を吐いた。

「やっぱ柄じゃねえのかな、こういうの…結構得意なつもりなんだけど…」
「ほえ?」
「いや、何でもねえ!…あーあ、やっぱこんなゴリラみたいな女、さっさと欲しい欲しいって言ってる奴のトコへ嫁に行くべきなのかなぁ…」

「そっ、そんなことないですぅ!!!」

敦の力一杯な力説を込めた絶叫が奥座敷に響き渡り、直後数秒二人とも硬直したまま沈黙が続いた。

「そ、そう、か…悪ぃ、気使わせた。でも、ありがとな」
「い、いえこちら、こそ、大声出してしまい…」
何とも言えない沈黙が、再び二人を包む。
お互いに顔を見合わせ、ぎこちなく苦笑いを浮かべる。
思えば、ゲームとクイズと実家の家業以外、お互いに接点もなくあまり喋った事もない。
春の花見後は、例の「敦がポン酒で開眼事件」の影響もあり、他のメンバーに比べて一線を引いていた節もあり、敦と茜は似通った境遇の割に今日まで面と向かう機会すらなかったのである。

「一週間」
茜が、ぽつりとそう呟いたのを聞いて、オウム返しに敦も「一週間?」と問い直す。
「ああ。出来たら今月末…それまで粘れば、何とか嫁入りしなくてもいいはずなんだ。だけど…」
「だけど?」
「…やっぱ聞いておくべきなのかな…敦、悪いけど、ここ任せてもいいか?ちょっと、お前んとこの天才に用があるんだ」
「ええ、構いませんが…庵先輩に何のご用事ですか?」
「それは…世話になってるお前には言いたいとこだけど、先方から口止めされてるんだ。済まないな」
「そ、そうですか…分かりました。ここは僕がしますので、行ってきてください」
「ありがとな。いつか、絶対埋め合わせするから」

そう言い残し、そそくさと部屋から去っていく茜の背中が廊下の奥に消えるまで、じっと障子越しにぼんやりと見つめる。

相談ってなんだろう。
庵先輩には言えて、自分には言えない事。
そう頭の片隅で変換して、何故か胸の奥がちくりと痛んだような。

…気のせい。
うんこれは気のせい。きっと気のせい…。
庵先輩は天才だから、茜さんは相談しに行くんだ。
だから、羨ましくなんかないぞ。絶対ないない。


……
あれれ?

まただ。
僕はさっきから、何を考えてるんだこれは…?

「…ふうー…」
無為な思索に耽っていた敦は、突然大息を吐いて目覚めた(?)大輔に必要以上に身をこわばらせた。

「何びびってんだよ」
「すみません…」
気持ち程度、枕から頭を起こした大輔は、俯く敦の顔を見て怪訝そうな表情を浮かべる。

「まあいいけど。ところで敦どうした?お前顔真っ赤だぞ。そんな呑んだっけお前?」
「へええ?!えっえっ、いや、気のせいですよ大輔さん!!み、水、替えてきます!!」
慌ただしくバタバタと出て行った敦の背中に、「ま、待て!」と大輔が声をかけるも、敦は振り向かずそのまま部屋を出て行ってしまった。
一人ぽつーんと部屋に残され、大輔は一人「なんだよそれ…」と布団に突っ伏す。

「頼みたい事があったんだが…まあ、後でどうにかするか…」
布団の中でだらりと伸びきった大輔の視線の先には、ザシキワラシを祀った阿南家の床の間とオモチャを収めた木箱があった。

【7月21日・おかしな敦・庵と晶は繁パパと激論バトル中・大輔は何か見えてる】












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