↓【前回の続きです】
*
翌朝。
妹「ふあああぁぁ…眠いよう…」
→時計確認。 …今日は休みだが、随分寝過ごしたようだ。
「昨日頑張り過ぎてちょっと疲れちゃったかな…でもでも、今日はあんちゃんもお休みの日だし、どっかお散歩にでも行こうかな…ってあれ?あんちゃんいない…」
側にはきちんと畳まれた布団と、小さな包みと、手紙が一通。
手紙の表には、ダイナミックな筆文字で(若干、まだ墨の匂いが残っている…墨を擦ったのだろうか…)「ツン子へ」の文字が。
「おー、あんちゃんからお手紙きたよぉ~…えーと、何々…(中はペン書きだ…)」
『ツン子へ
突然、こんなお手紙を書いてすまない。
ただ、面と向かっていうのもなんだしあれだったし、第一あんちゃん肝っ玉が小さいので踏ん切りつかなかったので、こういう形に落ち着きました。
ごめんな、あんちゃんいくじなしでごめんなごめんな』
「…いや、別にいいのに~」
…
『あんちゃん、ずっと貧乏だったからお前にも随分迷惑かけたと思う。
お前だけじゃなくて、他の人にもだけど…でも、テストに万一受かったら、まず一番にお前に有り難うを言おうと思ってたんだ。
ありがとなツン子。いつも一緒にいてくれてありがとな。
いつも朝ご飯食べて、バイト行って、晩ご飯の用意してくれてありがとな。
あんちゃんは、いつも感謝しています。
俺がプロテスト間近になった頃から、ずっと中の人が集中的に俺にばかりお金と時間を使って、あんまり回答台の前に立たせて貰えなくなっても、いつもニコニコ笑って不満も言わず応援してくれてありがとな。
本当は、回答台の前に立ちたくてウズウズしていたのを、あんちゃんは知っています。
寝言で「こうだよぉ~」とか「やったよぉ~」とムニャムニャ言ってたからです』
「あちゃぁ~…寝言聞かれてたよ~恥ずかしいよ~…」
『ツン子は寝言も正直な子で、あんちゃんは嬉しいです(*´д`*)。
Aリーグに落ちたけど、きっとすぐに昇格出来るよ。
ツン子はあんちゃんに勿体ないくらいの、優しくて良い子だから』
「………あんちゃん…」
『多分、ツン子は怒るだろうから面と向かっては言えないけど、いつまでプロでいられるかも分かりません。そう長くない間で落っこちると思います。なので、まだ当分は内職も続けます。お引っ越しも出来ません。だけど、不自由させないよう、あんちゃんはこれからもっともっと頑張ります。
ツン子も、何か欲しいものがあったら、時々おねだりして下さい。
高級品は流石に買えないけど、ツン子があんまり我慢し過ぎてやしないか、そっちの方が気になるからね。ツン子は辛くてもあんまり言わないから、あんちゃんは心配です。
それに、年頃の女の子なんだから、あんちゃんみたいに一張羅というのも不憫です。
なのであんちゃん、ツン子にプレゼントを買って帰りました』
「プレゼント…って、ほえええ!!この包み紙かなあ~?うわ~い!」
ガサガサガサ…(袋を開ける音)
つ【銀縁のピンクハートブローチ】
(上位魔女っ子御用達:普段着のアクセサリでもナウなヤングに大人気の一品)
「・・・・・ブローチだよお!! ・・・可愛いよお~…」
『夏にプレゼントしてくれたコートのお返しです。
プロアンサーになった時に、協会からもらった金一封で買いました。
勝率アップの魔法が込められているそうなので、また魔女っ子さんに戻ったら、胸元につけておきなさいね。
後は、普段良く使ってるヘアバンドのゴムが傷んでいたので買い足しておきました。
これも入れておきます』
「あんちゃん、ツン子のものばっかり買いすぎだよ~…どれも高い物ばっかりだし…ん、まだ何か底にある…」
『最後に。ツン子はウェイトレスさんを目指していると言っていたので、未来への贈り物を入れておきます。
いつか、一人前になったら付けなさいね。
たくさん詰め込みすぎて潰れてやしないか心配ですが、一個でも気に入ってもらえたら嬉しいです。
ツン子。いつかどこかで、誰かが言っていた言葉をお前に贈ります。
「叶う夢だから、心に宿る」
お前の夢が叶うよう、あんちゃんもツン子を応援しています。
あんちゃんより』
ガサガサガサ…
……
………
「・・・・・エプロン。前から欲しかった、アヒルちゃんのエプロン…」
「あんちゃ~ん、あのエプロン欲しいよ~…」
「駄目だよツン子、あれは四桁プロさんや上位ランクのウェイトレスさんとかがつける特注エプロンだよ…目玉飛び出るくらい高いし、デザイン他のと同じだし…それにツン子、今魔女っ子だし…ね?」
「むー…でもっ、でもっ、今はちょこっとお仕事で使うし…アヒルちゃんだしフリフリだしぃ…」
「ツン子は、ウェイトレス見習いだから、外でビラ配りだし…」
「でもでもっ、時々中でお手伝いするもん!お姉さんも超かわいいエプロン着てるもん!!ツン子も着たい!買って!」
「バカ!!あそこのお店のエプロンも高級品ですっ!!(`・д・´) せっかくご厚意で一着貸してもらってるのに、何言ってるの!本当なら借りるのも気が引けるような、俺等みたいな貧乏人じゃあ普段触れないような品物なの!そんな聞き分けのないワガママ言う子は、協会の支給品で我慢しなさい!!エプロンも後でiceさんに返してくるからなっ!!」
「むっ………ふえええええん!!あんちゃんのバカー!!キライー!!」
だだだっ…(駆け去っていく音)
「ツン子…(´・ω・`)」
「むー…まだ、ツン子ウェイトレスじゃないのに…早すぎるよぉ~…
あんちゃん、ありがとうだよぉ~… 。・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン」
ガチャッ…
「…ヒックヒック…って、だあれ~… ・・・あっ」
|ω`;) オロオロ…
「あ… あんちゃん、おかえり~」
「う、うんただいまツン子。今朝はゆっくり寝られたかな?」
「うん、ぐっすりだったよ~。でねでね、今枕元にプレゼントあったよ」
「そ、そうかい。きっとサンタさんだなうんうん」
「(時季はずれだよぉ~)あんちゃーん、お手紙…」
「ん?何の事かな?あんちゃんちっとも…」
「ありがとねあんちゃん、大好きだよ~」
「(*´・ω・`)ありがとはこっちだよ…」
「ん?なーに?」
「何でもないよ…ささ、お昼用に今日は奮発して、近所の手作りパン屋さんでサンドイッチ買ってきたんだよ。一緒に食べようね…」
「うん、お茶入れてくるね~」
今日もボロアパートの片隅で、兄妹は平和な時間を過ごしています。
現在:兄・プロなりたて 妹・ウェイトレス志望
※関係者各位様、問題ありましたらお伝え下さいませ…特にお店の方は不都合ありましたら連絡いただければと思いますので…|ω`;)相変わらずの長文失礼しました…。
翌朝。
妹「ふあああぁぁ…眠いよう…」
→時計確認。 …今日は休みだが、随分寝過ごしたようだ。
「昨日頑張り過ぎてちょっと疲れちゃったかな…でもでも、今日はあんちゃんもお休みの日だし、どっかお散歩にでも行こうかな…ってあれ?あんちゃんいない…」
側にはきちんと畳まれた布団と、小さな包みと、手紙が一通。
手紙の表には、ダイナミックな筆文字で(若干、まだ墨の匂いが残っている…墨を擦ったのだろうか…)「ツン子へ」の文字が。
「おー、あんちゃんからお手紙きたよぉ~…えーと、何々…(中はペン書きだ…)」
『ツン子へ
突然、こんなお手紙を書いてすまない。
ただ、面と向かっていうのもなんだしあれだったし、第一あんちゃん肝っ玉が小さいので踏ん切りつかなかったので、こういう形に落ち着きました。
ごめんな、あんちゃんいくじなしでごめんなごめんな』
「…いや、別にいいのに~」
…
『あんちゃん、ずっと貧乏だったからお前にも随分迷惑かけたと思う。
お前だけじゃなくて、他の人にもだけど…でも、テストに万一受かったら、まず一番にお前に有り難うを言おうと思ってたんだ。
ありがとなツン子。いつも一緒にいてくれてありがとな。
いつも朝ご飯食べて、バイト行って、晩ご飯の用意してくれてありがとな。
あんちゃんは、いつも感謝しています。
俺がプロテスト間近になった頃から、ずっと中の人が集中的に俺にばかりお金と時間を使って、あんまり回答台の前に立たせて貰えなくなっても、いつもニコニコ笑って不満も言わず応援してくれてありがとな。
本当は、回答台の前に立ちたくてウズウズしていたのを、あんちゃんは知っています。
寝言で「こうだよぉ~」とか「やったよぉ~」とムニャムニャ言ってたからです』
「あちゃぁ~…寝言聞かれてたよ~恥ずかしいよ~…」
『ツン子は寝言も正直な子で、あんちゃんは嬉しいです(*´д`*)。
Aリーグに落ちたけど、きっとすぐに昇格出来るよ。
ツン子はあんちゃんに勿体ないくらいの、優しくて良い子だから』
「………あんちゃん…」
『多分、ツン子は怒るだろうから面と向かっては言えないけど、いつまでプロでいられるかも分かりません。そう長くない間で落っこちると思います。なので、まだ当分は内職も続けます。お引っ越しも出来ません。だけど、不自由させないよう、あんちゃんはこれからもっともっと頑張ります。
ツン子も、何か欲しいものがあったら、時々おねだりして下さい。
高級品は流石に買えないけど、ツン子があんまり我慢し過ぎてやしないか、そっちの方が気になるからね。ツン子は辛くてもあんまり言わないから、あんちゃんは心配です。
それに、年頃の女の子なんだから、あんちゃんみたいに一張羅というのも不憫です。
なのであんちゃん、ツン子にプレゼントを買って帰りました』
「プレゼント…って、ほえええ!!この包み紙かなあ~?うわ~い!」
ガサガサガサ…(袋を開ける音)
つ【銀縁のピンクハートブローチ】
(上位魔女っ子御用達:普段着のアクセサリでもナウなヤングに大人気の一品)
「・・・・・ブローチだよお!! ・・・可愛いよお~…」
『夏にプレゼントしてくれたコートのお返しです。
プロアンサーになった時に、協会からもらった金一封で買いました。
勝率アップの魔法が込められているそうなので、また魔女っ子さんに戻ったら、胸元につけておきなさいね。
後は、普段良く使ってるヘアバンドのゴムが傷んでいたので買い足しておきました。
これも入れておきます』
「あんちゃん、ツン子のものばっかり買いすぎだよ~…どれも高い物ばっかりだし…ん、まだ何か底にある…」
『最後に。ツン子はウェイトレスさんを目指していると言っていたので、未来への贈り物を入れておきます。
いつか、一人前になったら付けなさいね。
たくさん詰め込みすぎて潰れてやしないか心配ですが、一個でも気に入ってもらえたら嬉しいです。
ツン子。いつかどこかで、誰かが言っていた言葉をお前に贈ります。
「叶う夢だから、心に宿る」
お前の夢が叶うよう、あんちゃんもツン子を応援しています。
あんちゃんより』
ガサガサガサ…
……
………
「・・・・・エプロン。前から欲しかった、アヒルちゃんのエプロン…」
「あんちゃ~ん、あのエプロン欲しいよ~…」
「駄目だよツン子、あれは四桁プロさんや上位ランクのウェイトレスさんとかがつける特注エプロンだよ…目玉飛び出るくらい高いし、デザイン他のと同じだし…それにツン子、今魔女っ子だし…ね?」
「むー…でもっ、でもっ、今はちょこっとお仕事で使うし…アヒルちゃんだしフリフリだしぃ…」
「ツン子は、ウェイトレス見習いだから、外でビラ配りだし…」
「でもでもっ、時々中でお手伝いするもん!お姉さんも超かわいいエプロン着てるもん!!ツン子も着たい!買って!」
「バカ!!あそこのお店のエプロンも高級品ですっ!!(`・д・´) せっかくご厚意で一着貸してもらってるのに、何言ってるの!本当なら借りるのも気が引けるような、俺等みたいな貧乏人じゃあ普段触れないような品物なの!そんな聞き分けのないワガママ言う子は、協会の支給品で我慢しなさい!!エプロンも後でiceさんに返してくるからなっ!!」
「むっ………ふえええええん!!あんちゃんのバカー!!キライー!!」
だだだっ…(駆け去っていく音)
「ツン子…(´・ω・`)」
「むー…まだ、ツン子ウェイトレスじゃないのに…早すぎるよぉ~…
あんちゃん、ありがとうだよぉ~… 。・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン」
ガチャッ…
「…ヒックヒック…って、だあれ~… ・・・あっ」
|ω`;) オロオロ…
「あ… あんちゃん、おかえり~」
「う、うんただいまツン子。今朝はゆっくり寝られたかな?」
「うん、ぐっすりだったよ~。でねでね、今枕元にプレゼントあったよ」
「そ、そうかい。きっとサンタさんだなうんうん」
「(時季はずれだよぉ~)あんちゃーん、お手紙…」
「ん?何の事かな?あんちゃんちっとも…」
「ありがとねあんちゃん、大好きだよ~」
「(*´・ω・`)ありがとはこっちだよ…」
「ん?なーに?」
「何でもないよ…ささ、お昼用に今日は奮発して、近所の手作りパン屋さんでサンドイッチ買ってきたんだよ。一緒に食べようね…」
「うん、お茶入れてくるね~」
今日もボロアパートの片隅で、兄妹は平和な時間を過ごしています。
現在:兄・プロなりたて 妹・ウェイトレス志望
※関係者各位様、問題ありましたらお伝え下さいませ…特にお店の方は不都合ありましたら連絡いただければと思いますので…|ω`;)相変わらずの長文失礼しました…。
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