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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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死の宣告。
*

実験は、何の障害も現れる事なく、滞り無く粛々と進められた。

フタバは、いつの間にか泣くこともなくなった。
いつも俯いて、連れてこられる「素養」を宿した生け贄の子供達から視線を逸らし、ただただ苦痛と地獄の瞬間が過ぎ去るのを待っていた。

その姿を見て、日向はさらに生け贄の子供に残虐な行為を行うことでフタバの精神を揺さぶり、間接的になぶり続けた。
目をえぐり、腕を切り落とし、薬物を投与し苦しみもがくのを研究員達と遠巻きに笑いながら鑑賞したり…。

ペルソナは無限に在るものではない。
きっと全てのペルソナを、アルカナの素養を宿せばこの地獄も終わる。薄々、フタバはそう思い、耐えて、耐えて、堪え忍んだ。

苦痛も、罵倒も、死臭にも_。

素養の移植実験の他にも、日向はフタバに対して無茶な要求や、過度の実験を繰り返し続ける。
何十回もペルソナを連続して消耗し尽くすまで召喚させ続けたり、植え付けたペルソナを交互に召喚させ、長時間召喚状態を維持させたり…。
他にも、補助魔法を用いて苦痛に耐える実験、鞭打たれた傷を自分のペルソナで回復し、また鞭打たれ回復呪文の効用を確認する実験…。
それは幼子はおろか、大の大人でも耐えられるような内容ではなかった。

だが、フタバは耐えた。耐えきってしまった。

精神を安定…制御するためのヘッドギアを装着され、たえず脳波を管理され、脳内には常に洗脳用に開発された低周波の波動が放射されていた。
感情は既に支配され、日向は手元にヘッドギア制御用のリモコンをこしらえると、暇つぶしにスイッチを押してはフタバの感情を弄んだ。
「泣き」のボタンを押せば大粒の涙を流し、「怒り」のボタンを押せばあーあーと大声でわめき。
鞭打ちながら「喜び」のボタンを押し続け、笑いながら「いたいいたい」と泣き声をあげるフタバを「マゾ」だ「変態」だとあざ笑った。
研究者たちは、皆フタバを見て、同じようにげらげらと笑っていた。

最後のアルカナ「世界」_龍神のペルソナの素養を得た頃には、フタバは既に壊れかかっていた。
数日前から、ペルソナの素養実験で死に絶えた子供達の名前を呼んでは、
「かなこちゃんが実験済んだらアイス食べたいって」
「たけし君は野球したいって」
と、いるはずの無い子供達の囁きを口走り、にこにこと笑いながら「おかあさん」と繰り返し呟いていた。

全てのペルソナ…といっても、遂に調達出来なかった「死神」のペルソナを除いた数だったが、研究者達にしてみれば実験は大成功だった。
これで、「本当の」実験への下準備が済んだのだから。

「フタバ、よく頑張ったね」
「お、とう、さん…」
「お前は良い子だ。本当に、良くできたよ」

フタバにとって、どれだけ嬉しい言葉だったろう。
小さい頃から、どれだけ努力しても、どれだけ良い点数のテストを持って帰っても、褒めてもらえなかった父親に、初めて褒められたのだから。

「でもフタバ、これからが本番だ。分かるね?」
「うん…おかあさん…つれてかえるんでしょ……どしたらいいの?」
「ああそうだ。だからフタバ、最後に………お前が生け贄になるんだ」

「え?」

「ふふふ…くく…あはははははあはは!馬鹿が!ああ、もう止めだ。嘘は止めよう!…フタバ、あのな、お前のくだらんペルソナを育てたらおかあさんが戻ってくるっていうのな」
「うん…」
「全部、うそ、だ」

「え…」

「じゃあ、何故あれだけ人殺しをしておいてお前にペルソナを植え付けたか説明してやろう。…お前の内にある、上位シャドウの生け贄とするためだ」
「イケニエ…」
「そうだ。頭の悪いお前じゃ分からなかったろうなあ。ホントの父親に似て、お前は本当に頭が悪いなあ。そんな凄い力を宿していながら気づきもしないで。ペルソナの力に釣られてやってきたのか、それとも全く別の原因なのか、お前の内に『死』を封印した欠片が埋まっているのよ。しかも、その中には並のシャドウなんかお呼びもつかんような強力な力を秘めたシャドウが眠っている。それは、我々の推測通り、『死』と『仮面』を捧げる度に力を増しているようだ。…もうじき、お前の内側を食い破って出てくるのさ」

「………」

「いいぞ、その絶望に満ちた顔!ああ、なんと清々しい気分だろう…こんなに満ち足りた気分は初めてだ…最後に、お前に教えておいてやろう。…私はお前の父親なんかじゃない。お前の父親は、私から妻を奪おうとしたばかりか、私から地位も名誉も奪った忌々しく浅ましいウジ虫のような男よ。あいつは、すました顔して葉子と何度もデートを繰り返し、きっと何度もセックスを繰り返し、毎日毎日葉子と一緒に私の悪口でも言い合って笑っていたのだろうよ。そんな男の息子であるお前は、生きている価値などない。いや、父親の代わりに生きたまま苦痛を与えてやろうと思っただけよ。どうだ?苦しかったか?本当に私が父親と思ってたのか?そんなはずないだろう!お前も私を馬鹿にしてたんだろうが!このゴミ!クソガキが!…ああ、いい気分だ。その調子でもっともっと苦しむんだ!恨むなら、あの男を恨めよ?お前の大好きなおじちゃん、をな?」

げらげらと下卑た笑い声を上げて笑う日向の背後で、研究員がロンギヌス・コピーを構えて眼前に迫る。
研究員たちの予定では、この後フタバの内に眠る封印を解放する事で「宣告者」=死神のシャドウを「ペルソナ」の形で召喚し解き放ち、形を為した所でロンギヌス・コピーの力によって支配下に置き、自分の意のままに操ろうと目論んでいた。

フタバは、目に涙をためたまま、呆然と父親を_日向を見つめていた。

ドウシテ。

ロンギヌス・コピーの切っ先が、フタバの胸を貫く。

ドウシテ。ドウシテ。ドウシテ。ドウシテ。ドウシテ。ドウシテ。ドウシテ。ドウシテ。ドウシテ。ドウシテ、オトウサン…。

フタバの両目から、大粒の涙がこぼれ落ちる。痛みが胸元から全身を貫いた瞬間、彼はあらん限りの声で叫んでいた。












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