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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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事件はイベント会場で起こる。
*
「みんな~~~こんにちわ~~~!!超あっつい中来てくれてどーもありがとー☆!!対戦クイズゲーム「アンサーアンサー」全国ツアーイン神戸!午後の部始めちゃうよぉ~!」

「こんちわー」「アイアイかわいー」など、ぽつぽつと聞こえてくるまばらな人垣の歓声に、司会者とアイアイは壇上で手を振ってにこやかに答える。

集客の少なさに内心がっかりしていたアイアイだが、そこはそこ、顔には出さずアイドルスマイルで元気いっぱいの笑顔を振りまく。
隣で同じく壇上の司会を務めるイベントスタッフが、また別の心情でアイアイの笑顔を眺めていることも知らず。

「ありがとーみんな!午後も張り切って行くよぉ~!それじゃ早速午後もメインイベント!「美人アンサーと対決」行ってみよ~!」
うおおおおおん、と先程の倍近い暑苦しい程の野郎共の盛り上がった雄叫びが、たまたま近くを通りかかった主婦とちびっこをびびらせる。

ああ成る程それが目的かと、典生は苦虫噛み潰したような面持ちで成り行きを眺めていたが、ふいに壇上へ出てきた相手を見てぎょっと目を剥く。

「はぁい、午後もこんにちわー☆」
「この暑い中、イベントに足を運んでいただき有り難うございます!」
「ございまーす!!」

目にも瓜二つな美女姉妹+幼女の登場に、会場周辺のみならず車で奥さんを待つダンナ衆もパワーウィンドウを下げて身を乗り出し、炎天下の屋外喫煙スペースで一服していたお父さんたちは思わず「おおっ」と口笛を鳴らして煙草を揉み消し会場へと歩み寄ってきた。

ピンクの魔女っ子風ワンピースにとんがり帽子の幼女をだっこした、上下紺ベストとタイトスカートのキャビンアテンダント姉妹に、会場からは「マーヤさーん!」「奥さあああん!」と黄色い声援が飛ぶ。にこやかな笑顔を称え、本物の客室乗務員さながらに背筋をただして左右の男性客に手を振って答える二人+ちびっこに、会場は異様な興奮を見せ始める。

「はあ~い、午前の部に引き続き、今日のスペシャルゲストさん!
地元神戸の主婦アンサー『ドレミ』さんと妹さんの『マーヤ♪』さんだよ~!
今日は娘さんと一緒に元気にアンアンPRしていただきま~す」
アイアイの紹介に続き、娘を抱えたままマイクを受け取ると『ドレミ』=典子は「こんにちわ!」と軽やかに歓声に応える。

「今日は会場にお越しいただき有り難うございます。全国主婦アンサー代表、ドレミと申します♪一週間前、隣の妹づてに突然のお誘いが舞い込みまして、このような場に私みたいな若輩者をお呼びいただき恐縮しておりますが、午後も精一杯頑張らせていただきたいと思います。皆さん、今日はゆっくり見て、楽しんで、そして早押しボタンのおもしろさを体感して帰ってくださいね!」
わらわらと集まってきた観客(主に男性)から割れんばかりの拍手が巻き起こり、口々に、右から左からひそひそと声が伝わってくる。

「おい、何だあの超がつく美人姉妹は?子持ちは別として、片方は新人アイドルか?」
「違うよ、アイドルはあの小さいツインテールの方だって。けばいCD売ってる」
「さっきそこのオタクっぽいのが言ってたぞ。あの奥さんと妹、ビール会社の朝比奈社長の末娘だってさ!」
「マジか!言われてみればすげーそっくりだ!じゃあこれ、アサヒデビールのPRか何か?」
「いや、ゲームだって。ほら、ウルト●クイズみたいなやつ。妹の方は現役有名女子大生だと」
「へえ…流石やり手社長の娘、頭いいんだな」

次第にささやきがざわめきになり、夫を車の運転へ連行しようと近寄ってきた主婦も周囲の熱気に何事かと足を止める。

「すげー、あれが本物の…なんだよな」
「そうそう、ネットで出てくるって噂聞いて来たけど、予想以上じゃん!人妻美しすぎる」
「俺来て良かったわぁ、あーアイアイじゃなくて人妻と対戦して握手してえーハアハア」
告知情報を聞いてイベント会場に来たらしいゲーマー数名の背後で「だが断る」と異様に低い男の声がした。
「えー何誰?まさか俺らに言っt…」
カチンと来て振り返ったゲーマーたちは、すぐ背後に立っていたリーマンの怒気極まった表情にひぃ、と短く悲鳴を上げて飛び退く。
丁度ほどよく出来た隙間をぬって、のしのしと壇上へと近付いてきた男の姿に、ニコニコ笑顔だった主婦の表情が「あ」と強張った。

「ママーーー!!何やってるんだよ!おいこら!」
突然の雄叫びに、会場の視線は声の主=典生に集中する。
呼ばれて、本物だと確信したらしい。
典子は娘をだっこしたままおろおろと人垣の中央に立つ夫を見やり、マイクを握る。

「えーっっ!!…て言うかパパこそ仕事どうしたのよっ!今日はイベント最終日じゃなかったの?!」
「ちょっと野暮用で抜けて覗きに来ただけだっ!つーかママ、今日はお友だちのCD販促アシスタントするんじゃなかったのか?!俺はてっきりCDショップとかの前でやってるもんだとばっか…」
「ええそうよ。妹のお友だちのCD販促兼、クイズゲームのPRアシスタントなバイト」
ペコちゃんみたくぺろりと舌を覗かせて誤魔化す典子に「クイズのが主体じゃないか!」と典生はすかさず突っ込み返す。
微妙な空気の夫婦間で、娘は呑気に母の胸元で「パパ~」ときゃっきゃ笑って手を振る。
その姿に「紀香可愛いねー後で写メしようなー」と一瞬典生の頬が緩むも、すぐさま眉が吊り上がる。

「ひっきょうな!そうと知ってたら無理にでも休みねじ込んだものをっ!お互い仕事で行けないもんだと思ってガマンしてたのに、自分たちだけ楽しむとはけしからん、けしからんぞ!しかも何だよその名前!それ本チャンじゃなくて、サブの方じゃ…」
「仕事です!きちんとした仕事ですー!パパ、分かったらすぐお仕事戻って下さいっ!後できちんと説明しますから!」
突如始まった夫婦ゲンカに、周囲の空気がまたぞろ騒がしくなってくる。

「ダンナに内緒だったの?」
「ケンカか?」
「何起こってるの?」

「ジャンマス夫婦!」
騒ぐ周囲に、誰かが一言叫んだ言葉で更にどよめきが増す。

「ジャッ…なんだって?」
ざます?何のこと?と首を傾げる買い物客に、プレイヤーらしい若い男がいかにもな説明を始める。
「特定のクイズジャンルのトップだってことです!あっちのダンナがスポーツのトップ、でもって奥さん本当は…」
「コラーッ!そこの方!言っちゃダメ!ここのデパート、お友だちな主婦の方もいっぱい来るのにっ!」
照れくさそうにイヤイヤと身をよじる典子ママに、典生隙有りとばかりに畳みかける。

「どうせイベントに出てる時点で明日のティータイムは話題の中心間違いなしだろっ!それなら本気で勝負しろっ漫アゲジャンルマスター!サブで手加減とは重ねて卑怯なり!」
「ああもうっパパのバカっ!それ言わないでほしかったのに!それに初心者の方ばっかりなイベントで本気出せる訳ないじゃない!…もういい、分かったわ!そこまで言うなら思い知らせてあげる!おさぼりしてる減点パパなんか、ステージでこてんぱんにしてあげるから!」
「何をぅ!?」
そこまで一息に言い切るや否や、娘を麻美に託すと「ちょっとお財布のカード取ってくる」と小走りにステージ裏手へと駆け下り、すぐさま一枚のカードを手に戻ってきた。

「んもう、折角大枚300円使ってイベント用にカード作ってたのに、結局いつものカードで勝負とはね」
口調は渋々といった風だが、どこか楽しそうなのは気のせいだろうか。麻美は紀香をステージに降ろすと、手を繋いで「ここで見てようね」と筐体後方へと引き下がる。
典生は急遽スタッフに誘導され、インカムを装備し壇上の筐体前へと腕組みして着座していた。
同じく乗務員姿の妻が向かいの筐体前へと着座すると、典生はそのまま口を開く。

「思えば今月初めの勝負では二十勝二十敗…ちょうど五分だった訳か」
ぽつりと夫が漏らすと、妻も真剣な面持ちでそうね、と応える。

「せっかく過去を封印しておきたかったのに、パパのバカ。これで明日はお友だちから質問攻めよ、どうしてくれるのかしら?…私が買ったら来月お小遣い半分にしますからね」
「じゃあ、俺が買ったら小遣いアップしてくれよ?黙ってた、と言うより言葉巧みに隠してたママが悪いんだからな!」

二人同時に、フリープレイ状態にセットされた筐体へとカードを差し込む。
ステージの液晶ビジョンに映し出される二つのアバター。

CN:アドウ(ヒゲ・野球選手・【スポーツマスター】)
CN:マアム☆(セミロング・魔法使い・【漫画・アニメ・ゲームマスター】)

「夢の対決だ!」「マスター対決だ!」
その価値を知る一部観客から起こった拍手は瞬く間に会場全体に広がり、いつしか駐車スペースとの境目ギリギリまで膨れあがった観衆の波に、アイアイのみならずイベントスタッフ全員が息を飲んで事の成り行きを見守っていた。

【7月27日午後・アイアイこの間傍観中・庵は昼寝中・続く】












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