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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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愛しい声を塞ぐ音。
*

同じ頃。
庵たちは国道沿いのコンビニで遅い昼食を取ろうとしていた。
「アイスもついでに買っていく?」
「下に溶けて垂れないようなのにしろよー?掃除込みで車借りてるんだからさ」
「俺チェリオ買おうかな…おっ、このコンビニしろくま置いてるな…どうするか」
「ご当地キャラのグッズとかあって面白いな~。あ、覚えておいたらクイズに出ませんかね~」
「ところで大輔さん、お昼ご飯の方は」
「冷やし中華買った」
「(…やっぱり麺類だ!)」
本当は手ごろで早い牛丼屋でも良かったのだが、珍しく庵が車酔いして横になりたいと主張したため車内で昼にしようと決まったためだった。
「気持ち悪い」と訴える庵をクーラーをかけたままの車内に残し、四人がコンビニに入ってしばらくした後、庵のケータイが軽快な着信メロディを奏でた。

「…もしもし」
『庵君?…私、のどか。今大丈夫?』
「ん」
『…あのね、今電話があってちょっと気になることもあって、それでしつこいかなと思ったんだけど心配で』
「どしたの」
『…ええと、庵君、香川来るの明日になりそうかな』
「何かあった?」
一拍おいて、のどかの不安そうな声がケータイ越しの機械音になって耳の中を滑る。

『…台風来てる』

「………え?」
『今朝早くに台風四号が九州沿岸で発生して、今猛烈なスピードで北上してるって…岡山香川に来るのは二日後らしいけど、その影響で明日から天気は下り坂で、所によっては暴風警報が出そうだって…』
「…嘘だろ?」
『私も最初信じられなかったけど、天気予報見たら本当だったの。今日の夜には鹿児島と宮崎が暴風域に入るから、四国直撃するルートを通るでしょうって』
「マジか…」
『庵君…』
「ん?」
『大丈夫?…なんだか声が元気ないよ』
「ん、いや…ちょっと車に酔ってるだけ。久々だったから。気にしないでいいよ」
『本当?…もしカチンと来てたらゴメンね。私やっぱりしつこいかな…ごめん』
「いやいや、そんなんじゃないって!俺、全然怒ってないし、むしろ連絡くれて超嬉しいし」
『…そっか。それなら良かった…』
ホッとした様子ののどかの息遣いに庵も安堵しかけたそのとき、庵は目の前がグニャリと歪む奇妙な既視感を覚えて、クラっとシートにもたれこむ。

『…でね、庵君。もう一つ聞きたいことがあるんだけど…』

「…」

電話の向こうで、大好きなあの子が何か真剣に話してくれている。
それが分かるのに、頭が、視界が、全身が何かおかしい。

けだるい。
ずっと世界が揺れている。
耳鳴りがやまない。

彼女の声を邪魔する不快な金属音が耳を埋め尽くす。
不愉快な音。耳の内側が膨れ上がって、脳の中まで膨張していくみたいで。

…熱い。

熱い…。


「庵君、それでね…庵君、庵君?」

『おーい庵、戻ったよぉ』
庵が無反応になって数十秒後、切ろうかどうしようかと迷っていたのどかの耳にコンコン、と窓ガラスのノック音と晶の声が遠く聞こえ、次に聞こえたのは「庵!?」と叫ぶ晶の大声だった。

『…おい晶、庵どうした?…まずい、顔が真っ青だぞ!!』
ガチャガチャとドアを荒っぽく開ける音と、衣擦れの音。車のドアを開けたせいで車外の道路から聞こえる車の走行音が増して晶たちの声をさえぎる。

『熱がひどい…無理しすぎたのかもしれない。病院連れて行こう!ここからなら知ってる病院近いから!』
『わ、わかった!大輔、敦、庵を後部座席に連れて行け!横にしておいてくれ!』
『分かった!おい晶、代わりに助手席行ってくれ』
『うわ、ああああ、どうしたんですか!?』
『分かりました!大輔さん、庵頼みます。多分いつものだから大丈夫だと思うけど…幾らなんでも顔色が酷すぎる…』

「えっ、えっ、何?何があったの?」
のどかがケータイに叫びだそうとした瞬間、そこで電話は途切れた。

【7月29日昼過ぎ・庵熱暴走・車内パニック・香川でもパニック・続く】












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