なんかいるような。
*
一方。寝床としてあてがわれた畳部屋で布団の上に胡座をかいて、大輔は何故かとある場所を凝視していた。
「大輔、どうかしたか?」
「え?あ、いや…」
隣に布団を敷く夏彦の問いかけに、大輔は珍しく曖昧を言葉を濁すのみである。
「落ち着かないなら、場所変わるぞ」
「いや、いいです。むしろ俺がこっちのがいい気がしますし」
「…? 仏壇がそんなに気になるか?」
俺んちにもあるがこんなもんだぞ?と首を傾げる夏彦に、大輔はどう説明したものかとうなじを掻く。
多分、この畳の間は仏間、なのだろう。手頃な場所がないのでここに寝床を作ってもらったのだが、その奥角に鎮座している仏壇が、どうにも気になる。
大輔は仏壇側、夏彦は隣室との間仕切りになっている障子側で寝るのだが、仏壇の方からどうも…気配がする。
あの世的な意味で。
もうすぐ盆だから一人二人気配「のみ」が増えていても気にする事もないのだが、今までの経験上…あんまり、「よろしくない」気配がしてならない。かといって、ほぼ見ず知らずの初対面な家でお祓いするのもなー、と思ってどうしたもんかと考えていただけなのだが、言いかけてバリバリ理系のヒゲ白衣にそんな事説明しても果たして理解してもらえるかどうか、と思い直し言いあぐねて今に至る。
「見える」体質っていうのも不便だよな、とこういう時だけちょろっと思うが、まあ悪ささえしなければ問題ない。
お祓いするにしても夜より朝の方が効果が高いし、隣で寝てる夏彦にちょっかい出されないように気を張っていればいい。その程度のことだ。
「いや、何でもないっす。先に休みますね」
「そうか、俺も寝るよ。昨日今日とずっと運転して疲れたぜ…」
二人してばたんばたんと横になると、間もなく眠気が瞼を包む…。
「(あの仏壇…庵のオヤジさんのだよな…)」
とするともうすぐ三回忌だから、遊びに来てるだけかな?などとぼんやり寝ぼけた頭で思いながら、大輔はそのまま眠りに落ちていった。
【7月29日深夜・大輔さんはみえるひと・お休みなさい・続く】
一方。寝床としてあてがわれた畳部屋で布団の上に胡座をかいて、大輔は何故かとある場所を凝視していた。
「大輔、どうかしたか?」
「え?あ、いや…」
隣に布団を敷く夏彦の問いかけに、大輔は珍しく曖昧を言葉を濁すのみである。
「落ち着かないなら、場所変わるぞ」
「いや、いいです。むしろ俺がこっちのがいい気がしますし」
「…? 仏壇がそんなに気になるか?」
俺んちにもあるがこんなもんだぞ?と首を傾げる夏彦に、大輔はどう説明したものかとうなじを掻く。
多分、この畳の間は仏間、なのだろう。手頃な場所がないのでここに寝床を作ってもらったのだが、その奥角に鎮座している仏壇が、どうにも気になる。
大輔は仏壇側、夏彦は隣室との間仕切りになっている障子側で寝るのだが、仏壇の方からどうも…気配がする。
あの世的な意味で。
もうすぐ盆だから一人二人気配「のみ」が増えていても気にする事もないのだが、今までの経験上…あんまり、「よろしくない」気配がしてならない。かといって、ほぼ見ず知らずの初対面な家でお祓いするのもなー、と思ってどうしたもんかと考えていただけなのだが、言いかけてバリバリ理系のヒゲ白衣にそんな事説明しても果たして理解してもらえるかどうか、と思い直し言いあぐねて今に至る。
「見える」体質っていうのも不便だよな、とこういう時だけちょろっと思うが、まあ悪ささえしなければ問題ない。
お祓いするにしても夜より朝の方が効果が高いし、隣で寝てる夏彦にちょっかい出されないように気を張っていればいい。その程度のことだ。
「いや、何でもないっす。先に休みますね」
「そうか、俺も寝るよ。昨日今日とずっと運転して疲れたぜ…」
二人してばたんばたんと横になると、間もなく眠気が瞼を包む…。
「(あの仏壇…庵のオヤジさんのだよな…)」
とするともうすぐ三回忌だから、遊びに来てるだけかな?などとぼんやり寝ぼけた頭で思いながら、大輔はそのまま眠りに落ちていった。
【7月29日深夜・大輔さんはみえるひと・お休みなさい・続く】
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