てりよしつやよしのどごしよし。
*
7月31日の晩ご飯・讃岐うどん+α(+安西母&のどかの特製地鶏入り炊き込みおにぎり)
「かーちゃん、洗いもん終わったし俺も一緒に食っていい?」
「あらまあ、相席いいかしら?」
「どーぞどーぞ」
安西一家も交えての晩ご飯。テーブル二つをくっつけて所狭しと皿を並べる。
「みんなしっかり食べてねっ!」
「はいっ!のどかさん(ののちゃん)!」
全員うどんの上にこれでもかと天ぷらを満載し、ぞろぞろと着席。のどかママのおかみさんは「ねぎ足りないねぇ」とわざわざハサミ片手に小口ネギをその場で切って全員のうどん上へとトッピングして回る。
「はーい、これでネギも良し!冷つゆもたっぷり入れたかい?」
「はーい!」
「はいよろしい!」
「それでは」
「いただきます!」
店内に黙々とこだまする「ずるずる」「つるつる」の輪唱。
箸と丼のこすれる音だけががちゃがちゃと重なる。
丁度空腹だった男達五人と安西姉弟の真剣な食べっぷりに安西夫婦の目が細くなる。
「やっぱり讃岐うどんはコシがあって美味しいです(*´ω`)」
にこにこな庵の隣で、「良かったー!」と心底嬉しそうなのどか。
「おにぎりも食べてみてね!ウチの人気商品なんだよっ!」
「もちろんいただきます」
見ているだけでごちそうさまな二人はさておき、食べるのに苦戦しているのも二人。
「………一気にすすれないれふ」
「………むぐ、ちょっ、コシあって食いちぎれん」
おまえら失礼だなあ、と二口三口で麺の半分を飲み込んだ夏彦がいも天に歯形をつけて注意を飛ばす。
いえ美味しいんですけど、と敦がまず反論。
「太麺食べ慣れてないもので…すみません、片付けあるのに早く食べられなくって」
「ああ、気にしなくっていいんよ。遠方からネット見て来るお客さんとか、割とウチの麺のコシに驚くからねー」
「讃岐うどんはコシが命!本場もんだからこその太さと粘りよ。まあまあ、うどんは逃げないからゆっくり食べんさいね」
慣れっこな様子でころころと笑うおかみさん、「ところでみんな東京の人かねぇ?」と首を傾げる。
「いや、俺と晶は隣の岡山で」
「自分は神戸の方です」「僕は新潟です」
「あらまあ遠くから有り難うねえ」
「俺は九州です」
「ああ、それは何となく分かったわよぉ。博多の人とか?」
「何で分かったんですかっ!?」
えええっ、と目を丸くする大輔にほっほっほとおかみさんまたも快笑。その後ろから、カウンター越しにおやじさんが代わりに答える。
「さっきごぼうのかきあげ乗せてただろ?あれ、九州から来る長距離トラックの運ちゃんがみんな喜んで食べるんだよねー。兄さん食べにくそうにしてるけど、博多のうろんはやわいからね。そりゃバレバレってもんよ」
「そ、そんなところで…」
「おじさん格好いいですねー、探偵みたい」
「いやそこはクイズの回答者みたいって言ってくれないと!」
言いながら、がはははと笑うおやじさんの隣で、おかみさんが「この人アタック25出た事あるんよー」と身内プチ自慢。
「パネル一枚しか取れなかったけど」
「ノブそこは内緒でしょ!?んもう!」
唇を尖らせる姉のどかに、ノブはイーッと歯を見せてぷいっ、とそっぽを向く。
「ごめんね、ノブったらいっつもああなんだ。後でいっぱい言いつけておくから」
「いやいや、全然気にならないから」
むう、と不満げにむくれるのどかの横顔をそっと見つめながら、「いい家だな」と庵はぼんやりと思った。
【7/31夜・お腹いっぱい・これから就寝・続く】
7月31日の晩ご飯・讃岐うどん+α(+安西母&のどかの特製地鶏入り炊き込みおにぎり)
「かーちゃん、洗いもん終わったし俺も一緒に食っていい?」
「あらまあ、相席いいかしら?」
「どーぞどーぞ」
安西一家も交えての晩ご飯。テーブル二つをくっつけて所狭しと皿を並べる。
「みんなしっかり食べてねっ!」
「はいっ!のどかさん(ののちゃん)!」
全員うどんの上にこれでもかと天ぷらを満載し、ぞろぞろと着席。のどかママのおかみさんは「ねぎ足りないねぇ」とわざわざハサミ片手に小口ネギをその場で切って全員のうどん上へとトッピングして回る。
「はーい、これでネギも良し!冷つゆもたっぷり入れたかい?」
「はーい!」
「はいよろしい!」
「それでは」
「いただきます!」
店内に黙々とこだまする「ずるずる」「つるつる」の輪唱。
箸と丼のこすれる音だけががちゃがちゃと重なる。
丁度空腹だった男達五人と安西姉弟の真剣な食べっぷりに安西夫婦の目が細くなる。
「やっぱり讃岐うどんはコシがあって美味しいです(*´ω`)」
にこにこな庵の隣で、「良かったー!」と心底嬉しそうなのどか。
「おにぎりも食べてみてね!ウチの人気商品なんだよっ!」
「もちろんいただきます」
見ているだけでごちそうさまな二人はさておき、食べるのに苦戦しているのも二人。
「………一気にすすれないれふ」
「………むぐ、ちょっ、コシあって食いちぎれん」
おまえら失礼だなあ、と二口三口で麺の半分を飲み込んだ夏彦がいも天に歯形をつけて注意を飛ばす。
いえ美味しいんですけど、と敦がまず反論。
「太麺食べ慣れてないもので…すみません、片付けあるのに早く食べられなくって」
「ああ、気にしなくっていいんよ。遠方からネット見て来るお客さんとか、割とウチの麺のコシに驚くからねー」
「讃岐うどんはコシが命!本場もんだからこその太さと粘りよ。まあまあ、うどんは逃げないからゆっくり食べんさいね」
慣れっこな様子でころころと笑うおかみさん、「ところでみんな東京の人かねぇ?」と首を傾げる。
「いや、俺と晶は隣の岡山で」
「自分は神戸の方です」「僕は新潟です」
「あらまあ遠くから有り難うねえ」
「俺は九州です」
「ああ、それは何となく分かったわよぉ。博多の人とか?」
「何で分かったんですかっ!?」
えええっ、と目を丸くする大輔にほっほっほとおかみさんまたも快笑。その後ろから、カウンター越しにおやじさんが代わりに答える。
「さっきごぼうのかきあげ乗せてただろ?あれ、九州から来る長距離トラックの運ちゃんがみんな喜んで食べるんだよねー。兄さん食べにくそうにしてるけど、博多のうろんはやわいからね。そりゃバレバレってもんよ」
「そ、そんなところで…」
「おじさん格好いいですねー、探偵みたい」
「いやそこはクイズの回答者みたいって言ってくれないと!」
言いながら、がはははと笑うおやじさんの隣で、おかみさんが「この人アタック25出た事あるんよー」と身内プチ自慢。
「パネル一枚しか取れなかったけど」
「ノブそこは内緒でしょ!?んもう!」
唇を尖らせる姉のどかに、ノブはイーッと歯を見せてぷいっ、とそっぽを向く。
「ごめんね、ノブったらいっつもああなんだ。後でいっぱい言いつけておくから」
「いやいや、全然気にならないから」
むう、と不満げにむくれるのどかの横顔をそっと見つめながら、「いい家だな」と庵はぼんやりと思った。
【7/31夜・お腹いっぱい・これから就寝・続く】
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