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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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糸目糸目糸目そしてセミロング。
*

「では議長、次の議題に」
「だな。さて、トイレ休憩は済んだが…みんなションベン済ませてきたな?おやつ補充はきっちりしてるか?
…うむ、なら次の議題に進む。
次はクイズ問題の質向上と悪問等に対する苦情及び対戦形式の改善点だ。有意義な意見を出してほしい。
あ、そうそうエリオンは先程さりげなく『予算』と口にしていたのでバッテンマスクの刑な。あざとい発言も慎むように。では、始めてくれ」

「では」
今度の挙手はスポーツ班のカッブである。
「秋からSSSリーグが解放され、そこの一部協会員が空気を読まずに顧客であるプレイヤーを押しのけて勝っていくとの噂…情報を入手しました。我々協会員はほどほどに競りほどほどのところで負けて体育座りをするのが常であり仕事であると思うのです。しかし、そこの点を忘れクイズに興じるプレイヤーの方々を本気で潰そうとしている協会員がいるのはいかがなものかt…」

「おっと、聞き捨てなりませんね」
「全くですよカッブさん」
SSS協会員席で事の成り行きを静観していた糸目協会員・ガリアーノとガボリオが、サングラス下で細い目を鈍く光らせゆっくりと重い口を開く。

「私たちはお仕事として『クイズの対戦相手』をしているのですよ…最上級クラスともなれば猛者ばかりが集まってくるのは自明の利。ならば全力でかかっていかねば逆に退屈させるというものですよ」
「思えば、SSが最上級クラスだった頃にはマルグレーテさん以外は随分とプレイヤーになめられていたようですし、同じく協会員が来るだけで「接待乙」と溜息をつかれているような事態ではね。ここで一つ、お金を投入してクイズをプレイされているプレイヤー様方のご期待に応え死力を尽くしてお相手するのが礼儀ではないかと思われますが?」
「気持ちは分からんでもないが、それはやりすぎるとリーグ上がりたてのプレイヤーや負けが込んでいるプレイヤーが嫌気を感じて去っていく懸念もあって…」
「その甘やかしがダメなのでは?カッブさん…貴方は適正な能力配分と手抜きの区別がついておられないようだ」
「全く持ってガボリオに賛成です。プレイヤーはもはや生ぬるい早押しなぞ求めてはいないのですよ。押すか押されるか…コンマ1秒を凌ぐその圧倒的な緊張感こそ、大量の連コインを呼び込むのです」
「ダウト!連コインは新規客を遠ざける一旦だ!席が埋まっているだけで客はよそへ行っちまう!」
カッブ援護にロビンソンも声を荒げる。
「そうだ!某所でも連コインは問題だったろう!」
「そういう問題ではありませんよ…」
分かってないなあと言いたげに、ガリアーノの口元がにやりと微笑む。
「私の言っている連コインとは、いつまでもコインを投入してくださるヘビーユーザーの事ですよ?マナーもなっていない一部プレイヤーの事を強調し揚げ足を取られては困りますねぇ」
「全くですねガリアーノさん。これだからぬるま湯体質の協会員は困りますねぇ」
「(むかつく…っ!むかつくこの糸目軍団っ!)」
「(同じ協会員なのに、成績優秀だからって上位リーグのマッチング担当になれたからと図に乗るなよこの新参どもがっ!)」
体育会系のスポーツ班男性陣のみならず、他協会員メンバーのこめかみにもちらほらと青筋が浮き出しているのを見て慌ててマーティが「待て待て」と制止をかける。

「今私達を見てこの糸目うざいと思ってましたねカッブさん」
「なぬっ!」
「きっと僕たちが童顔なのでバカにしているんですよ。むかつきますね」
「本当ですね、いつまでも毛先を逆立ててればイケテると思ってますからねソフモヒさんたちは。そんなのだからいつまでたってもアバター使用率が最下位なんですよ。トサカのくせにむかつきますよね」
「うるさいぞこの線目!お前等なんか目の色変更しても反映されない細さのくせに!他のアバターに比べてほんのり損な仕様のくせに!」

SSSの糸目二人、顔を見合わせてひそひそと耳打ちする。

「今、精神的苦痛を感じましたねガボリオさん」
「はい、そして今カッブさんは全糸目ユーザーをバカにしましたね。これは損害賠償ものですよガリアーノさん。ここは一つゴディバのグランプラスを所望しておきましょう」
「それはいい発想ですね。すぐに会議にかけましょう」
「ついでに本高砂屋のきんつばも追加で」
うんうん、と無表情で頷く糸目三人の視線の先で、あからさまにカッブは顔をしかめる。

「おい待てそこの糸目、というか一人増えてるぞ?」
「お気になさらず」
「糸目は皆兄弟です」
「童顔故になめられる事も多い我等、こういう時には結託し主張するのです。容姿で足りない部分を数で補う。自明の理ですね」
「というかだな、そこで混じってるの歴地社班のパルトだろコラ。ボナお前ちゃんと面倒見てろっての」
「あっ、ごめんロビンソン、暇そうだったし俺も寝てた」
「寝るなよ!そしてパルトも元の席戻れ元の席、またフェルマーさんとキュリーさんがお怒りになるぞ」
「はーい」
「終わったか?」と収集のつかない部下たちに呆れ気味なマーティのくたびれた欠伸がゆるやかに響く。

「SSS担当の面々は知らないだろうが、初期からの協会員はいかに客を呼び込み、また逃がさないか、新規開拓はどうするかで随分と辛酸をなめたものだ…クイズに対しての能力調整もそのためやむを得なかった時代があったのさ…お前達も先輩を敬い、常に学ぶ事を忘れぬように」
「すみません、不躾に過ぎました」
「以後気をつけます」
「うむ、二人とも分かってくれればいい。カッブとロビンソンもまあ落ち着け。そして着席」
「はい」
「はいっすボス」
一触即発の雰囲気がひとまず落ち着いたところで、マーティは懐からペラペラの皮財布を取り出し万札を引き抜くと、SSS席の端っこに座るポニテ協会員に手招きをする。

「あー、済まないがミオ君。ゴディバと聞いて小腹が空いてな…ちょっと甘味を切らしたから近くのデパ地下で何か買ってきてくれ。ここと、通常業務のみんなの分も。俺のおごりだから」
「はい、かしこまりました。いつも通り、頬がひしゃげるほど甘いのがいいです?」
「うむ、いつものアレよろしく。釣りはいいから」
「まあ、有り難うございます!では、行ってきます♪」
パタパタと愛らしい足音を残して去っていったミオ協会員が出て行った会議室内では、副議長席から半径数十メート四方に恐怖の「セミロング・殺意の波動」が放出され始めていた。

「いつも通り?あれは何のことかしら」
不穏な単語を見逃さず、指摘する副議長レイの視線がビシビシマーティの背後に突き刺さる。
あー…と、ミオ以外の他協会員全員が顔をしかめ、忍び寄る嫌な予感で背中を凍り付かせる。

「…こにょこにょ…マーティさんとレイさんって…」
「あ、うん…そうなんだよ…だけどレイさんって嫉妬深いだろ?だからことあるごとに…ごにょごにょ…」
「…確か、ボスはトーマスとメイにも寛容だって言ってたっけか…こにょこにょ…」
「…・・・あ、レイさんのこめかみにめっちゃ青筋浮いた」


「ちょっと議長、いいえマーティ!また貴方…!」
「ちょっおま、何誤解してるんだ!彼女には何度かお使いに行ってもらってるだけで」
「何度も?今『何度も』って言ったわね!この浮気者!さては好みの顔だからって採用したんでしょ!」
「ちっがう!『何度か』!『何度か』だ!そんなお前、公の場で大声出すなって…・・・アッーー!!それは止せ!!」

「…あ、やべ。爆弾持ち出した」
「着火するぞ!総員机の下に待避!爆風に備えるんだ!アフロになっちまうぞ!」
「イエッサ!!」
「こんな事もあろうかと、防空頭巾を携帯しておいて正解だったなキュリー」
「全くですね。備えあれば憂い無しです」
「毎回毎回ケンカとか、二人とも飽きないよな~…っと、来る!!伏せろっ!」

その頃。
階下で通常業務に励んでいた協会員たちは、轟く爆音と会議室の窓から立ち上る煙を目の当たりにし、寒空の下窓から顔を覗かせると「ああまた会議が中断してらぁ」と、何事も無かったかのようにぴしゃりと窓を閉め、身を震わせると再びデスクへと引き上げ「今日は長引きそうだねー」と、しばし雑談に花を咲かせるのであった。

【立ち上る煙・深まる年の瀬・続く】












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