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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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やられた分はきちんと接収。

*

「九州アンサーとの団体戦で、決勝の相手として俺達が登場するってのはどうよ?
団体戦の大将は杏奈さん。
俺等四人が先鋒・次鋒・中堅・副将となり、実質四人で杏奈さんとのグループデートを全力で阻止する。
相手が万一大輔さんのチーム桜島以外でも、ここで阻めば俺等がデートという形に収められるから先方の青写真的にも悪くないんじゃないかしらってな」
「い、庵!それじゃあ飛んで火に入るなんとやらじゃあ」
「バーカ。俺が考えもなくこんなこと言ってると思うか晶君?
先方は俺等が来るのを手ぐすね引いて待ってる訳だし、仮にも俺は元有名人。
そんな奴が自ら持ち込みで更にマイナーイベント盛り上げてやるって言ってるんだぜ?どうせ、俺が来なければあのクソカママネージャーは青息吐息なんだし、徹底的にふっかけてぐうの音も出なくさせてやろうじゃねえの。タダより高いものはねえって性根に叩き込んでやる!」

ケツ毛の根元までむしりとってやるぜ!と口走って女性陣が瞬間的に気まずそうにうつむく。
庵はバツが悪そうに舌を覗かせると、お食事中にサーセン、と話を続ける。

「香川大会での実績と費用対効果でネーデルテンボス側もこれだけ力入れて企画通してるはずだから悪い顔はされないだろうし、難色示したら俺も杏奈さんも辞退すると捻じ込んでやればいい。
おそらくタダ同然で俺らをこきつかえるものと踏んでるはずだ。
まずそこから叩いて徹底的にシステムとスケジュールの不備を叩き、ギャラ交渉に持って行く。
嫌ならそこでおしまい。悠々と杏奈さん達連れて観光に戻る。
もし相手が譲歩の隙を見せたら主導権を奪取し、速やかに隅々までイベント詳細を吐かせて一からこちらの都合が良いように全書き換えさせていただこうじゃないの。損害賠償とか訴訟になったらでかいヤマとバクチ打ったあっちの事務所へひっかぶせればいいしな。俺たちの知ったことじゃねえし、負い目もないしね。小学生の時と同額とは言わないまでも、交渉次第で前回のバイト代なんか目じゃないギャラを本社から引っ張ってやるよ。いやむしろあんなやる気のねえスタッフじゃあいつまでたっても成功なんかしやしねえし、俺に任せてもらったらアン大経済学部の意地にかけて全部黒字に転換させてやらあ。そしたらアフターは俺おごりで飲み会やろうぜ」
「おま…すごいな。今の今ですぐによくそこまで頭が…」
ぽかん、と口をあんぐりさせている大輔に、庵は「天才ですので」とにんまり意地悪く目を細める。

「で、企画名として九州アンサー返り討ち刺客、ってのはどう?SIGA開発ルームからじゃなくて東京からきますた的な」
「それなんて美容室だよ…」
「まあまあ、という感じで先方にプレゼンしたく思うんだけど、どうだろうみんな?意見よろ」

「いや、むしろ一番の心配はお前だ、安佐。そこまで奴らに深く関わって大丈夫なのか?」
保護者然として眉を潜める夏彦に、庵は困ったような苦笑を浮かべる。

「逆に、今だからこそバッサリ切り捨てられるかなと思って。
俺の知らない、手の加わらない所であれこれされる思いっていうのはアンサー庵時代に体験済みなんです。
怖いですよ?
視聴率のためにゴシップや噂で誇張させられていびつに歪んだ「安佐庵という天才」の像が、マスメディア内を一人歩きして膨らんでいくのは…晶は、何となく分かるかもしんないけど」
「あ…うん」

小学校時代、どれだけの同級生が「すごいねー」「頭いいねー」とほめそやす裏で庵を怖れ、また群れて口々に悪し様に罵っていたか。
間近で、ごく普通の友人達が何かの拍子に嫉妬を剥き出しにして悪口を垂れあうような醜い空間を生み出したのは、まぎれもなくテレビの向こうの「生意気でいけすかない、大人を見下す天才児」を視聴率のダシにしていたマスメディアが原因なのは、子供の目から見ても明らかだった。
類い希な才能と褒めそやしていたのは最初だけ。言葉尻の揚げ足を取り、ことあるごとに言動を否定的に解釈ししたり顔で批判する…。
庵は、羨望と名声を集める「テレビ放送でもトップ扱いの有名人」というフィルタを通る前も後も、何も変わらなかったのに。
自分以外で、それをきちんと理解していた人物がいかに少なかった事か。

「だから、出来れば今回はそんなおぞましい事態を招く前にどうにかしたいと思って。
きっと、このまま何もせず避け続けてもやつらは調子に乗ってどんどん俺の情につけ込んでくる気がしますし。
だから、ここで徹底的にやりこめてもなお、更に何かしてくるなら…俺も色々考えはあります。ともかく、今回俺は心を鬼にして、徹底的に内部からやりこめますので。それ見ても怖がったり引いたりしないでねってくらいかなあ」
「それは構わん。むしろどんどんやって、芸能界の先輩であるお前があのチビちゃんにアイドルの厳しさを教えてやるといい」
制裁やむなしな空気に、庵も一同もうんうんと互いに頷きあう。

「ほんじゃあ決まりだな。大輔さん、お友だちの車はいつ長崎着です?」
「五時過ぎ目標でこっちを目指してるそうだが渋滞で少し遅れると聞いた。その後は佐世保のテンボスへ移動。先輩の話だと、おそらくお前達にも数日前から園内のホテルが用意されてるはずだ。今回はネーデルランド・テンボス自体がスポンサーについてるから寝泊まりの心配は要らない。他チームも明日には全員ホテル入りだそうだ」
「それなら丁度いいですね。ちょっとスポンサーも含めてお灸を据えに行かないと」
「それは激しく同意だが…あんまり甘くみない方がいいかも知れんぞ、庵」

「構いませんよ。…俺を誰だと思ってるのか、ちょっと厳しく言いつけた方がいいでしょうしね」

一瞬だけ、庵の目の奥が底光りしたのを察して大輔は背筋が寒くなるのを感じる。
時々、本当に時々だけなのだが、庵は刃のような冷たい感情を一瞬だけかいま見せる事がある。
それを肌で感じる度に、「こいつは俺等とは違う」とはっきりと感じる。
そして、そう思う度に大輔は言いしれぬ不安を覚えた。

「それじゃあ、いっちょ頑張りますか!その前にごはん食べきらないとな~」
暗い刃はすぐに顔を消し、そしてお決まりのように普段の明るい庵の表情が場を打ち消して明るく変えていく。
残り香すら残さないように。

その不安が何であったのかを彼が知るのは、もう少し、先の話。

【8月10日昼・会議終了・庵君が本気になったようです・続く】












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