対決。
*
「ここからは推論で話す。ペルソナ同士の神話的な繋がり、そしてフタバ少年の少女に対する愛情も加味しなければならないが、多分あの島内での生活で少年を支えていたのは親への期待と愛情だったと俺は思っている」
「父親である日向に対しての、ですか?」
「ああ、そうだ。島に入る前に、既に日向は息子の能力を知っていた。そして、半ば強制的にペルソナ研究に連れ込み実験を強要した。病院での入院中に既に母親の死を知らされていた少年は、父親にすがる以外、頼る者縋る者が無かったと思われる。日記にも書いていたが、父親に好かれたいがために、島内での耐え難い屈辱やイジメ、器具実験による苦痛や実験の失敗による罵倒にも必死で耐えていた…」
『フタバの日記まで読んだんだね。最低だ』
「お前が言うなよ死神。それが俺らの仕事だったんだ…どんな苦痛も、少年は耐えた。そうすれば、いつか父親に褒めてもらえると思って、それだけを希望に真っ暗な日々を過ごしていた。白石の死後、友達もおらず、白石以外には人間扱いすらされなかった環境で、唯一信じられるのは肉親の父親しかいなかったからだ。だから、父親の更なるどんな無謀な要求でも答え続けた。人形になれと言われればなり、我慢し、いつか実験が成功すれば褒めてもらえると思って…だってそうだろう?価値が無いと思われれば、捨てられるだけだ。親戚縁者のどこにも行き場所が無く、ずっと病院のベッドで途方に暮れて泣いていたのだからな。『エウリュディケ』の波動に抵抗できたのも、それだけ親に期待し、縋りたいという思いの強さ故、ではないかと思っている」
「では…では、父親に甘えたい、褒められたいという強い願望が日向二葉の自我の崩壊を防ぎ、結果的に『エウリュディケ』を用いた戦闘を可能にした、貴方はこうおっしゃりたいと、そういう事ですか」
「そうだ。己をぎりぎりまで殺して、父親の望む戦闘マシーンになることで、愛されたかっただけなのだよ。最後に、父親に裏切られた瞬間、こいつが出てきて全員皆殺しにしていただろう?…全ての期待が裏切られて、己を押さえる必要が無くなったからだ」
死神を指差すと、幾月は身をすくめ後ずさる。
「…だが、気がついた時には溜まりに溜まっていた怒りや苛立ち、憎悪を制御できずに父親のみならず研究員もろとも皆殺しにしてしまい、研究の段階で既に20人、こいつに素養を植え付ける実験において死亡している。我に帰って己の業の深さに耐えきれず、その瞬間に『日向二葉』という少年の精神は崩壊した。残されたのは、移植された全ペルソナの素養と、己の暗い願望によって産まれた死神…デスの存在のみ。…幾月よ。こいつはな、俺達が島に来るまで母体である少年を喜ばせるために子供の姿にまでなって慰めようとしていたんだ。だが、一度歪んで壊れた心は、シャドウのお前には癒せなかった。そうだろ?」
『違う!…フタバは元気になってたんだ。あの時お前達が島に来なかったら、ボクはフタバとずっといっしょだったのに!』
今にも飛びかかってきそうな怒気を発して、死神が叫ぶ。
「ああ、そうだろうな。お前の都合良く精神をねじ曲げられて、終いには身も心もシャドウとなって一体化していた事だろう。…シャドウは一つになる性質があるからな。お前もさしづめ、その小僧と一体化したかったのだろう?ペルソナという形でなく、同じ生命体としてな」
『!!……っ…あの時は、あの時はそれがいいと思ってたんだ!フタバは誰からも愛されていなかった。どれだけ記憶を辿っても、誰もフタバを必要としていなかった。母親も、父親も、友達も、先生も、誰も…!孤独。孤独。孤独…。周りの冷たい人間に心を傷つけられて、フタバの心は冷たい氷みたいにかちかちに凍って、最後には粉々に壊れてしまってた…ボクは、その冷たい氷の一滴から産まれたシャドウ。そしてペルソナ。ペルソナは主人の写し鏡。だから、ボクはフタバの望んだ『おともだち』になりたかった。それだけだ!』
「だが、そうならなかった。俺らチーム全員の反対を押し切って、隊長だった成瀬陽一がお前の母体を連れ帰って、人間に戻しちまったからな」
重たい沈黙が部屋に沈む。
俺は話を続けた。
「…もう、大体分かっただろう?幾月。今、ここにいるのは誰だ?…日向なんて研究者の顔も名前も覚えていない、母親の顔すら覚えがない、以前の記憶をまるまる無くした少年、成瀬双葉だ。こいつはあれから今日まで、成瀬の時間を食い潰しながら、あいつの贖罪代わりの家族ごっこで人間として育て直され、感情を取り戻し、一応まがりなりに新しい自我を得た。だがそれは、日向の支配も無く、ましてやペルソナすら知らない、養父の成瀬に対し重度とも言える依存を抱えて育った高校生の自我でしかない。『エウリュディケ』に、耐えられるはずなどなかったんだ」
「では、洗脳プログラムは…」
「日向の勘違いと妄想の中にしかない、夢幻の産物だよ。…ほぼ8年か。お疲れさん。お前の妄想にも決着が付いて良かっただろう?」
背後で、幾月はがっくりと膝を折り、その場に力無く座り込む。
ちら、と振り返ると、幾月は怒りで充血しきった目を見開き、今にも食って掛からん勢いで俺を睨んでいた。
「…それなら、何故そこまで説明しなかったのです!!何故、わざわざ暴走を引き起こし、死神を召喚してまで恥をかかせた!…まさか、僕まで巻き込んでデスに殺されるおつもりで?…冗談。ゴメン被りますよ。事実が分かった以上、もうここにいる必要は無い。僕は影時間の間、この近くに緊急用に作っていたシェルターにでも避難させていただきますよ。…おおっと!動かないでくださいね…」
身体を半分捻って背後を見返すと、幾月の手には拳銃が握られていた。
「……ふ…ふふ…くっくっく……堂島さん、さしずめ、貴方は僕を嵌めたつもりでしょうが、嵌ったのは貴方の方だ。…仲良く、化け物同士、殺し合いでも何でもすればいい…」
拳銃を俺に向けたまま、よろよろと後ずさる幾月の姿に心底呆れ、そして俺は限りない憤怒が腹の底から突き上がってくるのを感じた。
「ど阿呆が…嵌ったのは、お前も、俺も、同じだ」
「…?」
幾月の背後に、黒い影が揺らめく。
それは全身厳めしい鋲打ちのベルトで拘束され、般若の面を付けた手足の異様に長い男の幻だった。
「…!!!」
幾月が気付いた瞬間、男の幻影は幾月の拳銃を手刀で叩き落とすと、奴の月光に伸びた影に抜き放った倭刀を突き立てる。
幾月は膝を片方床に付け、頭を庇って手を振り上げたポーズのまま身体が硬直し動けなくなり、パニックしたまま口をぱくぱくと震わせた。
「…あ…がっ…がが…!」
「影縫いを施した。俺が倒れるか解除するまで動けんぞ。…数年がかりの馬鹿な妄想から解放してやっただろ?もう少し、付き合えよ」
ジタバタと無駄に足掻く幾月を尻目に、俺は再び死神と向き合う。
死神は、手の内に横たわる少年をじっと覗き込み、不安げにそっと指先で少年の前髪を掻き上げ、表情の変化を見つめている。
死神が顔を上げる。
抱き抱えていた少年を自分の背後にそっと降ろし、もう一度顔を覗き込み、静かに立ち上がった。
「…少しは学習したみたいだな。殺すのではなく、エサにするだけとは」
『…フタバ、僕が人殺した後でフタバの心の海に帰ると酷い悪夢にうなされて何日も苦しむんだ。きっと、怖いんだと思う。血の臭いで、ひとりぼっちを思い出すから。それに、成瀬のお父さんも人殺しなんか止めろって言ってたから、しない事にした。…だけど、フタバを襲うなら容赦しない』
「ほお、そうかい。そりゃ楽しみだ…俺も、そのつもりで来たからな」
コートを床に投げ捨て、懐に仕舞っていた薄手の革手袋を填める。
胸元に付けていたショルダーから拳銃を引き抜くと、俺はそれを自分のこめかみに構えた。
『何、それ?…そのおじさんが持ってたのは…違う………黄昏の…羽?』
「やはり分かるか。これはペルソナの簡易召喚用機器…俺と、お前らの養父との合作だ。最近のガキはこれに頼りっぱなしだが、確かにこいつは楽でいい。前回のように、ペルソナの消耗でお前に止めが刺せなかった、なんて事にならんように会社から失敬してきた。これなら、召喚時のコストが10分の1で済む。楽なもんさ。…あいつを過去のしがらみに縛り、あまつさえ、都合良く利用して死なせようとしているお前らをのうのうと生かしておく訳にはいかん。世界のためとは言わん。だがあいつの、成瀬の自由のために、死ね」
『…違う。僕らは、フタバはあの人と本当の家族になったんだ。あの人がいたから、ボクもずっと幸せでいられた…病気も、ボクが呼び寄せたものじゃない。利用してなんか絶対ない!!信じて、ボクも、フタバも、成瀬のお義父さんを父親として本当に愛してたんだ!』
「言い訳なら、成瀬が三途の河原に来たときにでも言うんだな………消えろ」
俺はためらわず、引き金を引いた。
微かな衝撃と共に、頭の一部がスカッとした衝動に襲われ、心が震える。
クラオカミが幻影となり像を結ぶ。
分身の幻影は迷う事なく死神へと向かい、あの日と同じく奴の頭上へと刀を振り下ろした。
「ここからは推論で話す。ペルソナ同士の神話的な繋がり、そしてフタバ少年の少女に対する愛情も加味しなければならないが、多分あの島内での生活で少年を支えていたのは親への期待と愛情だったと俺は思っている」
「父親である日向に対しての、ですか?」
「ああ、そうだ。島に入る前に、既に日向は息子の能力を知っていた。そして、半ば強制的にペルソナ研究に連れ込み実験を強要した。病院での入院中に既に母親の死を知らされていた少年は、父親にすがる以外、頼る者縋る者が無かったと思われる。日記にも書いていたが、父親に好かれたいがために、島内での耐え難い屈辱やイジメ、器具実験による苦痛や実験の失敗による罵倒にも必死で耐えていた…」
『フタバの日記まで読んだんだね。最低だ』
「お前が言うなよ死神。それが俺らの仕事だったんだ…どんな苦痛も、少年は耐えた。そうすれば、いつか父親に褒めてもらえると思って、それだけを希望に真っ暗な日々を過ごしていた。白石の死後、友達もおらず、白石以外には人間扱いすらされなかった環境で、唯一信じられるのは肉親の父親しかいなかったからだ。だから、父親の更なるどんな無謀な要求でも答え続けた。人形になれと言われればなり、我慢し、いつか実験が成功すれば褒めてもらえると思って…だってそうだろう?価値が無いと思われれば、捨てられるだけだ。親戚縁者のどこにも行き場所が無く、ずっと病院のベッドで途方に暮れて泣いていたのだからな。『エウリュディケ』の波動に抵抗できたのも、それだけ親に期待し、縋りたいという思いの強さ故、ではないかと思っている」
「では…では、父親に甘えたい、褒められたいという強い願望が日向二葉の自我の崩壊を防ぎ、結果的に『エウリュディケ』を用いた戦闘を可能にした、貴方はこうおっしゃりたいと、そういう事ですか」
「そうだ。己をぎりぎりまで殺して、父親の望む戦闘マシーンになることで、愛されたかっただけなのだよ。最後に、父親に裏切られた瞬間、こいつが出てきて全員皆殺しにしていただろう?…全ての期待が裏切られて、己を押さえる必要が無くなったからだ」
死神を指差すと、幾月は身をすくめ後ずさる。
「…だが、気がついた時には溜まりに溜まっていた怒りや苛立ち、憎悪を制御できずに父親のみならず研究員もろとも皆殺しにしてしまい、研究の段階で既に20人、こいつに素養を植え付ける実験において死亡している。我に帰って己の業の深さに耐えきれず、その瞬間に『日向二葉』という少年の精神は崩壊した。残されたのは、移植された全ペルソナの素養と、己の暗い願望によって産まれた死神…デスの存在のみ。…幾月よ。こいつはな、俺達が島に来るまで母体である少年を喜ばせるために子供の姿にまでなって慰めようとしていたんだ。だが、一度歪んで壊れた心は、シャドウのお前には癒せなかった。そうだろ?」
『違う!…フタバは元気になってたんだ。あの時お前達が島に来なかったら、ボクはフタバとずっといっしょだったのに!』
今にも飛びかかってきそうな怒気を発して、死神が叫ぶ。
「ああ、そうだろうな。お前の都合良く精神をねじ曲げられて、終いには身も心もシャドウとなって一体化していた事だろう。…シャドウは一つになる性質があるからな。お前もさしづめ、その小僧と一体化したかったのだろう?ペルソナという形でなく、同じ生命体としてな」
『!!……っ…あの時は、あの時はそれがいいと思ってたんだ!フタバは誰からも愛されていなかった。どれだけ記憶を辿っても、誰もフタバを必要としていなかった。母親も、父親も、友達も、先生も、誰も…!孤独。孤独。孤独…。周りの冷たい人間に心を傷つけられて、フタバの心は冷たい氷みたいにかちかちに凍って、最後には粉々に壊れてしまってた…ボクは、その冷たい氷の一滴から産まれたシャドウ。そしてペルソナ。ペルソナは主人の写し鏡。だから、ボクはフタバの望んだ『おともだち』になりたかった。それだけだ!』
「だが、そうならなかった。俺らチーム全員の反対を押し切って、隊長だった成瀬陽一がお前の母体を連れ帰って、人間に戻しちまったからな」
重たい沈黙が部屋に沈む。
俺は話を続けた。
「…もう、大体分かっただろう?幾月。今、ここにいるのは誰だ?…日向なんて研究者の顔も名前も覚えていない、母親の顔すら覚えがない、以前の記憶をまるまる無くした少年、成瀬双葉だ。こいつはあれから今日まで、成瀬の時間を食い潰しながら、あいつの贖罪代わりの家族ごっこで人間として育て直され、感情を取り戻し、一応まがりなりに新しい自我を得た。だがそれは、日向の支配も無く、ましてやペルソナすら知らない、養父の成瀬に対し重度とも言える依存を抱えて育った高校生の自我でしかない。『エウリュディケ』に、耐えられるはずなどなかったんだ」
「では、洗脳プログラムは…」
「日向の勘違いと妄想の中にしかない、夢幻の産物だよ。…ほぼ8年か。お疲れさん。お前の妄想にも決着が付いて良かっただろう?」
背後で、幾月はがっくりと膝を折り、その場に力無く座り込む。
ちら、と振り返ると、幾月は怒りで充血しきった目を見開き、今にも食って掛からん勢いで俺を睨んでいた。
「…それなら、何故そこまで説明しなかったのです!!何故、わざわざ暴走を引き起こし、死神を召喚してまで恥をかかせた!…まさか、僕まで巻き込んでデスに殺されるおつもりで?…冗談。ゴメン被りますよ。事実が分かった以上、もうここにいる必要は無い。僕は影時間の間、この近くに緊急用に作っていたシェルターにでも避難させていただきますよ。…おおっと!動かないでくださいね…」
身体を半分捻って背後を見返すと、幾月の手には拳銃が握られていた。
「……ふ…ふふ…くっくっく……堂島さん、さしずめ、貴方は僕を嵌めたつもりでしょうが、嵌ったのは貴方の方だ。…仲良く、化け物同士、殺し合いでも何でもすればいい…」
拳銃を俺に向けたまま、よろよろと後ずさる幾月の姿に心底呆れ、そして俺は限りない憤怒が腹の底から突き上がってくるのを感じた。
「ど阿呆が…嵌ったのは、お前も、俺も、同じだ」
「…?」
幾月の背後に、黒い影が揺らめく。
それは全身厳めしい鋲打ちのベルトで拘束され、般若の面を付けた手足の異様に長い男の幻だった。
「…!!!」
幾月が気付いた瞬間、男の幻影は幾月の拳銃を手刀で叩き落とすと、奴の月光に伸びた影に抜き放った倭刀を突き立てる。
幾月は膝を片方床に付け、頭を庇って手を振り上げたポーズのまま身体が硬直し動けなくなり、パニックしたまま口をぱくぱくと震わせた。
「…あ…がっ…がが…!」
「影縫いを施した。俺が倒れるか解除するまで動けんぞ。…数年がかりの馬鹿な妄想から解放してやっただろ?もう少し、付き合えよ」
ジタバタと無駄に足掻く幾月を尻目に、俺は再び死神と向き合う。
死神は、手の内に横たわる少年をじっと覗き込み、不安げにそっと指先で少年の前髪を掻き上げ、表情の変化を見つめている。
死神が顔を上げる。
抱き抱えていた少年を自分の背後にそっと降ろし、もう一度顔を覗き込み、静かに立ち上がった。
「…少しは学習したみたいだな。殺すのではなく、エサにするだけとは」
『…フタバ、僕が人殺した後でフタバの心の海に帰ると酷い悪夢にうなされて何日も苦しむんだ。きっと、怖いんだと思う。血の臭いで、ひとりぼっちを思い出すから。それに、成瀬のお父さんも人殺しなんか止めろって言ってたから、しない事にした。…だけど、フタバを襲うなら容赦しない』
「ほお、そうかい。そりゃ楽しみだ…俺も、そのつもりで来たからな」
コートを床に投げ捨て、懐に仕舞っていた薄手の革手袋を填める。
胸元に付けていたショルダーから拳銃を引き抜くと、俺はそれを自分のこめかみに構えた。
『何、それ?…そのおじさんが持ってたのは…違う………黄昏の…羽?』
「やはり分かるか。これはペルソナの簡易召喚用機器…俺と、お前らの養父との合作だ。最近のガキはこれに頼りっぱなしだが、確かにこいつは楽でいい。前回のように、ペルソナの消耗でお前に止めが刺せなかった、なんて事にならんように会社から失敬してきた。これなら、召喚時のコストが10分の1で済む。楽なもんさ。…あいつを過去のしがらみに縛り、あまつさえ、都合良く利用して死なせようとしているお前らをのうのうと生かしておく訳にはいかん。世界のためとは言わん。だがあいつの、成瀬の自由のために、死ね」
『…違う。僕らは、フタバはあの人と本当の家族になったんだ。あの人がいたから、ボクもずっと幸せでいられた…病気も、ボクが呼び寄せたものじゃない。利用してなんか絶対ない!!信じて、ボクも、フタバも、成瀬のお義父さんを父親として本当に愛してたんだ!』
「言い訳なら、成瀬が三途の河原に来たときにでも言うんだな………消えろ」
俺はためらわず、引き金を引いた。
微かな衝撃と共に、頭の一部がスカッとした衝動に襲われ、心が震える。
クラオカミが幻影となり像を結ぶ。
分身の幻影は迷う事なく死神へと向かい、あの日と同じく奴の頭上へと刀を振り下ろした。
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