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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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笑顔の下で。
*

ルームサービスの軽い朝食後。
庵の説明は食事中から淡々と続いていた。

「…と、まあざっとこんな感じ。参加者の一般アンサーのみんなにもバイト代代わりに園内の景品とプライズグッズ、夏休み期間中の園内フリーパスがもらえるようにしておいたから、とことん絞れるだけ搾取しまくれたかな、っと」
「おいおい、やりすぎなくらいやりこめたんだなお前…」
ようやく床から起きあがった夏彦が、神妙な面持ちで手渡された朱書きだらけの仕様書を指先でなぞる。
相変わらず顔色は青みがかった土気色だが、流石の研究者である。真面目な話にはすぐ脳みそが動く仕様に鍛えられているようだ。

「で、庵は今日どうするの?明日大会なのに、これ間に合うの?」
「内容自体に変更はないから問題はない。要は労働に対する正当な賃金請求と、マスメディア全般に関する規制願い、そしてイベントプロモーション側には俺達参加者・スタッフならびにネーデルランド・テンボスに対し、正式な形式に則って誓約書を書かせた。今後、事前の承諾無く、俺・安佐庵の名を騙った売名行為及び商活動を禁じ、またそれによって生じる、生じるであろう費用・経常利益を不当に搾取した場合、訴訟を起こす構え有りとし、これに反する行為を二度と行わないように念書を書かせたと思ってくれたらいい。仏の顔も二度目ということで、刑事告訴までは止めておいたよ」
「それでも、相当なお灸になったんじゃねえのこれ。で?あいつの事務所はこれを飲んだのか?」
「飲ませた。といっても、追加予算に関してはネーデル本社からすぐに決済手続きが取られる手はずになってるから、あそこの事務所にはいっさい損は出ないようにしといた。あんまり弱小事務所をいじめちゃダメだろうし、これをひっかぶせられたら一瞬で潰れるだろうしね」
「それって相当高額だったんじゃないの?どうやったの庵?」
晶の疑問に、庵は「つてをな」と短く答え、昨日の残り物である温くなったジンジャエールをぐいと飲み干す。

「つて?」
「ないしょ」
「・・・」
「そんな目で見るなよぉ、ちょっとセレブな知り合いに頼んだだけだから」
「ええー、誰それ?」
「ないしょ」
「・・・ホント?自分で何かひっかぶって無理とかしてない?庵やせ我慢する事あるし…」

「晶」

「え?」
「俺にだってお前に言ってない秘密の一つや二つくらいあるんだぜ。覚えておきな」

ぽかんと目を見開く晶の眼前で、表情の薄い友人は無機質にペラペラと朱書きまみれの仕様書をめくっている。
微妙な空気を察してか、庵は「そんな顔するなよ」と肩をすくめてみせた。

「なっ、何かっこつけてるんだよ。ちょっとからくり教えてほしいって言っただけなのにさ」
「まあまあ、またいつかな。俺ひとまずビッパールームで寝るな。リハーサルには出るから。何かあったらまずケータイに連絡くれろ」
「あっ、こら待て安佐。リハーサルって聞いてないぞ?」
「わかった。お疲れさんだぜマジで…って、なんだそのリハーサルって?」

リハーサルに目が点な他のメンバーに庵は「説明訊いてないのか?!」と眠たげだった瞼をくわっと見開く。

「バカっ!今日の午後には会場予定地のこのホテルすぐ横、エウロパ広場でアンアンのステージ設営が済むから準備出来しだい夕方から通しのリハーサルするって」
ほれ仕様書にも、と庵は仕様書を手に取りパラパラとめくってその箇所を示す。

「えええ!?ゆっくり出来ないんですかあ~」
「甘ちゃんすぎるぞ敦。俺等は参加するだけでなくバイトも兼ねてるんだ。しかも、今回は主催者側となって演出の一部も担うんだぞ、こんくらい当たり前だっつうの。で、クイズ参加者にも実際のステージで出入りからクイズの進行、退場までの一連の流れを説明するから、それまでに酔い醒ましておく!分かった?」
庵は手早くくるくるっと丸めた仕様書で敦の眠たげな額をこづくと、次に大輔に仕様書の先を向ける。
そのやり手プロデューサーのような庵の剣幕に、大輔も短く「お、おっす」と殊勝に答える。
庵はようやく得心した様子で「分かればよろしい」と鼻息を荒々しくふんっ、と吹き出すと、途端、一気にくたびれた様子でのろのろと肩を落として退出していった。

「…先輩、昨日はもの凄い頑張ったみたいですねー…」
申し訳ないなあ、と頭を垂れる敦に、夏彦は「煙に巻かれたような気もするが…」と言いかけて、再び顔面蒼白となり慌てて口を押さえる。

「のわあっ!ちょ、ここで吐くのはまずい!」
「だだだだめですよ安藤先輩いいいいい!!」
「誰か誰かあ!風呂桶!風呂桶ーーーっ!!」

その後、辛うじて事なきをえたものの、四人はその場でぐったりと夕方まで貴重な遊園地観覧の機会を逃し酒臭く寝過ごすのであった。

【8月11日・ダラダラホテルデイズ・その頃女性陣はちゃっかりお買い物・続く】












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