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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

( ´ω`)っ【業務連絡】
※(あんちゃんの旅日記は週末に更新の予定です。デジカメのケーブルが行方不明になってるよママン!ウワアアアアン!)

某所では既に書きましたが、ちょっくら旅に出ていた中の人ですこんばんわ。
その節はたくさんの方にお世話になりました。取り急ぎ、この場を借りて御礼申し上げます。
人とふれあう時間っていいものですね。もっと優しい自分になりたいものです。
出会いに感謝。人の優しさに多謝。出会った全ての人に「ありがとう」。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!

*

そして勝者は王者を求める。
*

壇上での決勝戦は、実質的な大将同士の争いとなっていた。

チーム桜島→大将・オレゴン(小野田)8824万プロ
A大Q研→副将・アンアン(庵)225万プロ

一回戦:多答フィニッシュ 30対20で小野田辛勝。
設問に対する回答数の妙で、サービスエース2連続を決めて勝利。

二回戦:虫食いクイズ   10対30で庵勝利。
こちらも負けじと初手でパネルを的確に抜いて解答を収めて勝利。

こわごわ戦況を見つめる杏奈とA大Q研メンバー。
じりじりと熱視線で大将を見守るチーム桜島の面々。
そして、運命の三回戦は早押しクイズ。

現在20対20でのイーブンで戦局は切迫しており、会場全体の迫るような視線の先には集中しきった男二人が座っていた。
オレゴン=小野田は無意識に歯を食いしばった顔で、対して庵は無表情に近い無我の相で。
お互いに画面しか見えていない。
混雑しきった人混みの歓声も、遠く聞こえる園内放送も、売店の売り子の枯れた客寄せ声も既に遠い。

問題が表示されると同時に、一行の半分も表示されきらぬ間にボタンを強打する音が会場を貫く。
数秒の間を置いて、的確に解答パネルの文字を一文字一文字、迷いなく押し抜いていく。

画面には、予定調和の「◎」が表示され、会場全体が大きくどよめく。
おおおっ、と一様に驚きの声が上がった後、大きな拍手が会場全体から自然と沸き起こる。
勝者と敗者が決した瞬間であった。

「勝者決定したよぅ!…アンアン勝利で、A大Q研さんの勝ち~☆桜島さん残念でした~~!」
アイアイのアナウンスで、会場全体が大きく揺れた。

「負けた…か」
惜しかった、と敗者…小野田は悔しげに台へ突っ伏した。

「ちょっち危なかった、かな」
と言いつつ、多少言葉尻に余裕があるのが小憎らしい。画面を挟んだ勝者=庵に対してちょっとばかりカチンと来たものの、やっぱ憎めない奴だと、小野田は大輔が前日語っていた庵の人柄について思い出していた。

『あいつは誤解されやすいだけで、いい奴だと思いますよ』
まさしく、そのままいい奴だからこそ悔しい!と面と向かって言ってやるかと、小野田は敗残の将として己の体面を保つ事もなく、しかめっ面のまま立ち上がり庵へ握手を求めた。

「いや、勝負抜きでも面白かったわ。後でもっかいやらねえか?」
「勿論、いいっすよ」
本当に嬉しそうに庵は立ち上がって、小野田の手を取り握り返すと、一仕事やり終えた男の爽やかな笑みを浮かべる。
庵自身も割とプレッシャーで筒一杯な心持ちだったのだが、これで当初の目的は果たせたと内心は大きな安堵で包まれていた。
イベント的にも、大物同士が互いの健闘を称え合うという最高の状態でフィニッシュである。会場からは二人の握手を讃える拍手がそこかしこから起こる…と同時に、別のコールも起こっていた。

「おいおい、これで終わりー?」
「九州男児が負けたまま引っ込めるかよー!」
「サツマさんはー?」
「王者は出ないのー?」「サッちゃん出番はー?まだー?」

「まだ誰かいるのか?」「何?九州王者って」
「何だぁまだ強いのがいるか!さっさと出さんか!」

「王者!王者!」「おっうっじゃ!おっうっじゃ!」
「王者!王者!」「おっうっじゃ!おっうっじゃ!」


会場で王者コールが起こっている一方、ステージ裏手の本部。
どのタイミングで乱入しようかとスタッフ共々機を見ていた大輔は、会場からの大合唱で頬が熱くなるのを感じた。
「マジか」
「マジマジ。君、自覚ないみたいだけどネット上でもリアル方面でも人気かなり高いよ。早くブログ再開しなって」
「あ、あざーす…」
小太りのスタッフにせっつかれる一方、細身のスタッフが外部から連絡を受け「そろそろ行ってって」と大輔に催促をする。
「動かし方は昨日のレクチャーで大丈夫だね?」
「問題ないっす」
トレーラー奥に据え付けられている、外装無しのタッチパネルとボタンのみの筐体。パネル上部左右には小さなカメラが二基。
台座には早押し用のボタン脇に、格闘ゲーム用の青い四連ボタンを据え付けた小さな機器が取り付けられている。
パッと見、早押しボタンに加え左サイドへ四択用のボタンが付いた仕様のように見える。このボタンで表のスクリーンに映し出されたアバターの表情を喜怒哀楽でいじくる事が出来るのだが、マイク音声に合わせた素早い反応を出すため、画面上部のカメラ二台で大輔の顔の動きを捉えて大画面でのキャラの表情にリンクしリアルタイムで反映させる試みらしい。なので、笑えば笑顔になるし、怒れば憤怒の相に。より自然に画面上のキャラ画像に表情を添付できるらしい。
「了解。じゃあ映像と音声リンクさせて、五秒カウント後にオンにするからね。威勢良くお願い」
「ラジャ。カードのスタンバイもオッケイっす」
そう言われると緊張するよな、逆に。
大輔は頭に装着したインカムをもう一度整え直すと、ふう、と細く息を吐いた。

「(んじゃ、久々に行くか。相棒)」
おそらくは会場の大画面一杯に大写しになるであろう、かつての相棒にそっと語りかけると、大輔は「マッチング中」と表示されたままのモニタと、右脇にある会場を俯瞰するカメラからの画像を映す液晶モニタへと、ゆっくり視線を落とした。

【8月12日夕方・大輔真の出陣・やまないカーテンコール・続く】












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