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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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男二人、愚者一匹。

*


……
………。


「気がつきましたか?」

…重苦しい頭部の鈍痛と、腕や足に走る動脈のうずきで目を覚ます。
出血したせいか、思考の巡りが鈍い。
薄汚れたビルの谷間。濃緑色の満月がぼんやりと見える。
霞んだ視界がくっきりし始めると、目の前にいたのは見慣れた元同僚の姿だった。

「榎本…お前、逃げたのでは」
「強烈なシャドウの気配を感じたんで、慌てて戻ってきたんです。そりゃ、怖かったですけど…。エスケープロードが間に合って良かった」

そうか、最後に見た光はこいつの力だったのか…。
やっと状況を把握し、堂島は大きく息をつく。
と、同時に身体のそこかしこから激痛を感じ、短いうめきが口元からこぼれた。

「ああ、まだ動かないでくださいよ。僕、金森さんや成瀬さんみたく即効性のある回復呪文は使えないんですから…。
頭の方は多分大丈夫ですけど、右の二の腕とふくらはぎを貫通した銃創の方が心配です。弾丸も身体に残ってませんし、傷も塞ぎましたけど、銃創は発熱する可能性があります。それに、出血やダメージからみても、もう戦うのは無理ですよ…」
「馬鹿言え。今あいつをしとめなくてどうする…俺は行く。どうせだ、ナビ、頼めるか」
「何を言ってるんですか?馬鹿はそっちですよ!重傷なんですよ?しかも巨大シャドウが二体います!お願いです、ここでじっとしていて下さい」
「巨大シャドウ…それは死神と、さっきいきなり姿を現した」
「そうです…先日、堂島さんからいただいた報告書にもあった謎の巨大シャドウ…『愚者』です」

お互いに、重い空気が垂れ込めるのを感じる。
榎本は、おそるおそる口を開く。

「本当は成瀬さんにお伝えするはずだった報告書にあった、『鬼さんこちら』を歌いながら現れる、正体不明の巨大シャドウ…その姿は桐条の支部に所属する研究員のレポートからあちこちで目撃されてますが、その移動ルートには一定の条件がありました。これは、堂島さんも影時間対応機器主任として、報告を受けてるはずですよね」
「ああ、他の連中には分からんようだったが…俺とお前なら分かるよな」

「ええ…あのシャドウ、成瀬さんの引っ越し先を追いかけるように移動してる…」
ごくり、と榎本が生唾を飲み込む音がする。

「そうだ。どう考えてもあいつを…『死神』を追っている。てっきり、死神と同化するためだと思っていたが…」
「さっき周辺をサーチしましたが、どうやら死神は戦闘を離脱した後気配が消失しています。エネルギーが切れたのか、『愚者』のシャドウを振り切るためかは判断しかねますが、少なくとも死んではいません。対する相手も友好的には感じられませんね。どうしてか、戦闘意欲丸出しで死神を追っています…」

「分からんな…何が目的だ?」
「僕にもさっぱり…だけど、一つ言える事があります」

「死神と、あの愚者を戦わせてはならない、という事です。どちらが勝つにしろ、負けた方は相手に取り込まれ、更なる力を得てしまう…」
「……」
「でも、僕らだけでは勝ち目がありません。とてもじゃないけど、二体同時はおろか、一体相手をするのも、これでは不可能です」
しばしの沈黙の後、堂島は肩を落とすと力任せに壁を殴りつける。

「…くそっ!身体さえまともに動けばっ…幾月め!」
薄々分かっていた結論に、堂島は悔しさを滲ませる。

榎本は暗い顔元ながら、押し黙った後顔を上げた。












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