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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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三月も残り僅かとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ハチヤです。

大変遅刻し申し訳ない限りですが、お題をアップさせていただきます。

今回はmyuuさんからいただきましたお題を。

( ´・ω・)「長いことすみませんでした…」

前回のヒゲ先輩の続きからになります。
今回もお題二つで、連作になる予定。次回は四月更新予定です。
楽しんでいただけたなら、幸いです。ハチヤでした。


話を降られて、俺の知り合いであるロンゲ(仮名)は「あれ~僕の話効きたいです~?」といつも通りに調子ぶっこいた物言いで微笑みの貴公子(笑)と化しているので、はいはいと生返事する代わりに、出来立てホヤホヤの豚骨ラーメン(麺ハリガネ)を汁もこぼれんばかりな勢いで卓上へ乱雑に付け届けてやった。

先日、クイズゲームの勝負で負けたので、今日は俺のバイト先でラーメンを一杯奢ることになっていたのだが、なんつうか…こいつに負けるのはやはり気が悪い。
性根が腐った悪いやつ、では断じてない。
のだが、秀才のくせして性根がギャグ方向に香ばしい勘違い系俺様モテ王厨二病妄想をこじらせたお調子者の能天気…なので、見てる分にも自慢話を聞いてる分にも微妙な気分にさせられるものの、常に周囲へ生暖かい微笑みをもたらす笑いの貴公子であることは間違いない。そしてテンプレであるかのようにお気の毒なフラレ方をして最高に落ち込み、俺らはみだし者の大学生たちに酒のつまみにされながら慰められる、脅威のワンパタ…もとい黄金伝説を持つ、がっかり男である。
更には女は語るに及ばず、男から見ても非の打ち所のないイケメンなので、更にがっかり感は大きい。
最近の流行りで答えるなら容姿端麗性格大問題な「残念系」な色男(笑)なのであった。

「はーて、何のことですっけね。僕も多方面からお呼びがかかるから、またこれが…」
「そうかい、にしては今日も昨日も明日も明後日もオールフリーってのは可笑しな話だな?まあ与太話はその程度で、こないだ好きになったっていうポニ娘さんは」
「いやーね、僕も今度ばかりは苦戦するかな、と思ったんですよこれが。ですが彼女は僕の愛の告白を聞いてすぐに即答してくれたんですよ!」
「ほう!そりゃなんて」
「私、憧れている人がいるんです!だからあなたはダメです!…だそうですうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!という訳で!今日は栄えある二百回目の僕の慰められ記念日!という訳で!飯はあそこのモヒ(俺のことだ)がおごってくれるから!俺はここで小一時間ぐらいふてくされながら伸びきった麺をすするぞちくしょー!ちくしょーちくしょー… …何でだ、今回だけは絶対に離したくないと思ってたのにいいいい…
「あーやっぱりなーそうじゃないかなーと思ってましたー(棒)」
んじゃ俺は例の約束あるから待ち合わせに、と席を立とうとする無精髭の先輩を「ちょっと話聞いてくださいよおおおおおおおおお!」と酒も入ってないのにばか騒ぎするロンゲ。視線には店員たる俺への非難と好奇の目。見てられない。
昨年晴れて希望職種に就いた、おっさん顔なヒゲ先輩の腰元に追いすがる残念ロンゲを指差して、隣ではツンツン頭のデフォ(仮名)がひゃーひゃー笑っている。昼間から一杯引っ掛けてるわけではなく、こいつはいつでも能天気なだけだ。俺の頭はマッハで頭痛。

「ロンゲフラレ過ぎクッソワロタwwwwwwお前本当に黙ってたらいいのにwwwお口にチャックwwwwwリアルでチャックした方がいいwwwwww」
「五月蝿いぞネット廃人!君こそ5ちゃんに毒されすぎなんじゃないの?語尾にWで草生やし過ぎだろが!オタ臭い喋り方はモテないぞ」
「別にいいしwwww俺こないだ彼女出来たしwwwお前みたくwwwリアルで『口を開けばガッカリ王子wwww』とか言われてないからwwww」
「よろしいならばデフォ君こないだ貸した五万円即返しなさい」
「話し合おう」
「分かればよろしい」
もはや、俺たちの会話は漫才に近い。
そして全員が非常に宝の持ち腐れ的な意味で残念な才能の持ち主…のはずだったが、それもヒゲ先輩のリア充化でにわかに変化しつつ…、いや、変化してほしいと俺が勝手に思っているだけだ。
デフォはマイブームにどっぷり浸かりやすくて、飽きるまで周囲がドン引きするほどにハマり込む。今はネットサーフィンと称して某巨大掲示板の記事まとめサイト巡回が趣味。しかしてその正体は、田舎から出て来て二年の純朴青年。
ロン毛もロン毛で容姿端麗成績家柄優秀、そして親は一流企業の専務と、錚々たる一流名家育ちの坊ちゃんなのだが、この高飛車な性格で周囲をたえずガッカリさせるのが特技。ブランドモノを自慢したがり、何かいいことがあるとすぐに自慢しちゃう、そんな可愛げ爆発の同い年。
こいつが何故嫌われないか疑問だろうが、自慢する分己の失敗も包み隠さずに報告して回るからで、その裏表のなさだけは、美徳と賞賛してやったっていいだろう。
裏表が無い分、分かりやすいのである。頭は悪くないはずなんだが。
後、金の貸し借りも一応督促はするが使うときには後腐れなく奢るし恩に着せない。
そういう大事なところを押さえてる奴なら、上辺だけの奴と一緒にいるよりずっと面白いさ、とヒゲ先輩は語る。そこは同意。
こうして、大学内でも浮きまくりの濃厚個性派メンツが出来上がって二年な訳だが。

今回ばかりは、メンツ内でも空気(と思っているのはお前だけだ、と全員から即座に突っ込まれるのが解せないが)な俺に、妙な風の吹き回しがやってきたようで。

さて、濃厚グループOBヒゲ先輩の恋の春色にほんのり染まった(ように見えるとはロン毛談)背中を見送ると、俺も定時でバイト先のエプロンを外しロン毛とデフォの宴席に加わる。卓の端っこには、店長がそっと餃子を人数分差し入れてくれていた。

「今回ばっかりは本気だったんだよ」
昼からビールを所望するため、ワンクッション代わりにあてがったノンアルコールビールで酔いが回った(気になった)のか、ロン毛は卓上に頭をけだるげに転がしながらウダウダと口から愚痴を垂れ流し始めた。

「そりゃまた相当だったんだな」
「もちろん。僕は彼女にならオレオレ詐欺に引っ掛けられても本望だったと思う」
「いやむしろそこは結婚詐欺かなと」
「俺ならキャッチセールスを疑う。むしろ詐欺されてもおつりが来るレベル」
「と、ともかく!…彼女は素晴らしいよ。あんな一目惚れは初めてだ」
「ゲーセンで顔見てそのまま惚れ抜いて、だもんな」
「ゲーセンにいるのが場違いなレベルだったし」
「むしろゲーセンじゃなくてセレブの社交場や優雅なマナーセミナーにドレスアップして来ててもおかしくないレベルの」
「言えてる」
三人揃って同じタイミングで餃子にラー油をどぼどぼ注ぎ、ほどほどにフーフーして一口にほおばると、「でも」とデフォ男が渋い面でもそもそ口を開く。
「そんな超絶美人が高速でポップンクリアしてどや顔するか?」
「そうそこだ」
「しかもQMAはちょっとマテウスとかいうレベルじゃない高速回答だったし」
「最上クラスでぶっちぎりってどんだけー」
「でもってアンアンでは言うまでもなく」
「即押し即答特番サバイバルでもぶっちぎりの大虐殺」
「そこなんだよなあ…」
ロン毛は渋々な面持ちで箸を止める。
「ちょっと考えてみてほしいロン毛君」
「はいはいなんだろうねデフォ男君」
「あれだけの美人が、あからさまにフリーなのって、ぶっちゃけおかしいよね」
「はいそうですね」
「だとしたら、やっぱり性格に難ありなんじゃないのかなーと」
「ぶっちゃけ、中身は重度のオタクかはたまた腐女子か」
「はいそれも予測済みですね」
ラー油たっぷりな餃子のラストワンを口にねじ込みゴックンすると、ロン毛は口回りにべっとりとついた油分をナプキンで拭き取り、改まった表情で背筋を伸ばし居住まいを正す。
「それでもだね諸君」
「はいはい」
「僕はね!僕は彼女にもう、後戻りできないほどに!心をマッハで奪われてるの!もう!どうしようもないっ!くらいに!…だからだね、性格に難ありだろうが容姿だけの大問題女子だったとしても、だ!せめてお付き合いする、人となりに触れてみる、というレベルにすら達することが出来なかった僕のこの苦悩!苦しみ!分かってもらえたなら幸い」
「はーいよくわかってるよー」
「お前、納得するまでしつこいもんな」
分かりきってたと言わんばかりの俺たちに、ロン毛は幾分不服げながらも「そういう訳だから」と結論を口にする。
「僕は今後とも彼女にアプローチしていくつもり。だから、協力よろしくね」
「はーいはいはい。ちゃんと気をつけておいてやんよ。だがストーカーにはなるなよ。つきまといは絶対ダメ。百パーセント脈無しだったら、いつも通り即時撤退な」
「意義無し。ではたっぷり昼飯を食らうがいい。ヒゲ先輩がご祝儀…もとい残念見舞いにチャーハン三人前の代金前払いしてくれてるから」
「ありがたしありがたし。じゃ、ひとまずラーメン替え玉一つ!」
そうして、俺たちの遅い昼飯は滞りなく終わり、俺の財布は幾分軽くなり、そのままゲーセンに向かったわけだが。

本当に偶然、ばったりと、彼女がゲーセン入り口の目の前にいた。

長いポニーテールをなびかせる、ゲーセンに向かうにはややこんもりとした森ガールスタイルの美少女。
「もりーん」という擬音がまことに似つかわしい、初春にしては着膨れの激しいスタイルに毎回微妙な気分にさせられるものの、そこはそれ、やはり彼女の可愛さ補正でしっくりと見えてくるから不思議だ。
しかも、その厚着をもろともせずの手捌きで男顔負け(いや大抵の男も女もかなわない容姿とレベルの)高速プレイをかますのだから、恐ろしい。
形容するなら、森の麗しい(ちょっと厚着な)妖精とでも言おうか。

見る度に意味がないと思いつつ思う。
まともなドレス…せめて身軽で小綺麗なワンピースを着せたら、どれだけ眩い美女が出来上がることか。
それこそ、ロン毛のみならず半径一キロ圏内の男たちは即座に恋に落ちるほどの。
…悲しいことに、俺の極狭ストライクゾーンに来ないタイプの美女なんだけども。
しかし、これではまるで宝の持ち腐れ…もとい、着膨れである。
もったいないオバケの出張サービスがあるなら、彼女の家に是非派遣したい。

で。
そんな彼女と、俺ら三人の目があった。

「あ」
と、彼女が俺の顔を見るなり、ととと、となめし革のショートブーツで小走りに俺の眼前へ駆け寄って来るなり俺を指差す。

「やっと見つけました!」
「へ」
「お願いです、つきあってください!」

世界がフリーズした。
俺の隣では、ロン毛ががちょーん、と言わんばかりな口あんぐりでフリーズし、
更に隣では、恐怖マンガみたいな劇画タッチの驚嘆顔でデフォ男が硬直し、
俺はまんま、言葉を無くしてポカン顏で目を剥いていた。

え?
今俺に何が起こったの?

「なっ…な、何で俺が?!」
「先日調べて分かりました。あなたは私の憧れの人だったからです。」
「え?それはどういう点で…」
申し訳ないが、俺はあらゆるゲームにおいて成績は平々凡々だ。
突出した記録や勲章など持ち合わせてはいなかったはずだが。
返答を待たずして、ポニ子は「とにかく」と話を遮る。
「お返事は今度でいいので、考えておいてくださいね!」
いつも通りの、まるで笑顔のない、眉根に皺を畳んだ真剣な表情のまま、森の子ポニーはゲーセンにも入らずそのまま雑踏の中に消えていった。

世界は再び動き出した。
事態が夢幻でないのがじわじわと理解されてくるにつけて、三人共顔を見合わせた。

「えーっとこれどういう事かなソフモヒ君」
「俺が聞きてえよバーカ」
「つうか、俺もモヒもいっつもロン毛がアプローチしてる間、背後で空気になってたはずなのに」
「だよなデフォ。ついでにヒゲさんもな」
「納得いかないよ!何これ!世界はロンポニで出来ているはずなのにっ!」

知るかボケ、と思ったが、正直俺も困惑している。

美人美人と連呼したものの、俺はさっぱりあのポニーちゃんに興味がない。
むしろ、ヒゲ先輩の知り合ったセミロングのお姉さんのが好み…というのはここでは関係ないか。
むしろ、俺、いつの間に目を付けられていたのやら。

第一、ダチの思い人に突然幕間から引き合いに引きずり出されて、ラブコメ舞台に乱入させられても困る。
こんな急展開は望んでないというのに。

だが。

「安心しろよ、俺にその気はない」
「えー!?マジで?彼女くらいのレベルそうそうにいないって分かってて?」
「理解してる。その上で、興味ない。なので、俺が色々と情報を引き出してこようじゃないか。どうだロン毛?」
それなら文句あるまい、と涙目なロン毛に救いの一手を提案すると、ロン毛は懐疑的ながらも「本当に?」と切実そうに充血した視線を向ける。

「ああ、任せておいてくれ」

友人と彼女の橋渡しなら、これほどのチャンスもあるまい。
そう、殊の外事態を楽観視していた自分にモンゴリアンキックを食らわせてやりたくなったのは、来週の日曜日のことであった。

【次回更新:「他愛のない喧嘩」】












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