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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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※もう少しかかります、すみませんすみませ…orz

疲労にむせぶ午後。


ここはとある大学、この大学構内で目的地も定かではない放浪を何百メートルも続けていた…。

初めは気軽に声をかければ「きゃーかわいいー」と微笑まれる展開が続いていたが、俺が必要とする命名を希望する頃には皆手を振って去っていき、
この大学に属する十数名余りの学生が「コンパ」なるもの中に巻き込まれていった…

俺は戦った・・・初めはすぐに見つかる、我が主人の為と信じて戦った。
だが、戦いは長引くばかりで終わりがなかった・・・・

俺は疲れた。誰もかれもが疲れていた。



「…って、俺は疲れてはおらんな。ばててるのはこいつだし。な?」
「だからさっきから何一人芝居してるんだよお前は」
いや一人芝居ではないぞ、と腕に抱いたワンコの前脚をフリフリしつつ、白衣のヒゲ男は「ボトムズは分からんか」と寂しげに呟いた。
「何それ、アニメか?」
「ああ、俺が小さい頃には夏休みに毎朝再放送してたもんだが…そうか、世代の差がこんなとこにも…」
「いやそんな歳違わないし…だから何でアニメネタをあたしに降ってくるんだっつうの」
「ん、いやその…すまん」
せっかくウチの大学に来させておいて、犬の看病に付き合わせちまったからついな、とヒゲは肩をすくめてみせる。
「お前さん、歩き疲れたとかはないのか?紙袋もトートの中も結構な紙束だが」
「少なくとも、そっちよりかは平気だよ。元営業職なめんな」
インドアに日光は辛ぇわ、と顔をしかめるヒゲにショートヘア女性は「でも、気遣いありがとな」と歯を見せて笑う。ヒゲもまんざらでなさそうだ。
「教授は急用で行き違うし、わざわ出向いた意味ねえっての。早く資料見せてほしかったのにな」
「それは別にいいよ。急いでないし。それよりそのワンコ、腹へってるんじゃないか?あたし、昔秋田犬飼ってたからワンコの扱いは慣れてるぜ」
ちょっと貸して、とヒゲの安定感ある腹の上から細くて柔らかいショートヘア女性のの太腿へ移動させられ、犬はどこか照れくさそうにくうん、と鳴いた。
「おっ、こいつオスだ。名前なんて言うんだろ」
「毛並みはいいから、飼い犬っぽくはあるんだが…」
せめて首輪でもありゃ良かったんだが、とぼやくヒゲに対し、ワンコはどこか不満げにおん、と一鳴きして身をよじった。



デフォ男(仮)は、すぐに己の浅慮を嘆いた。
まず、ご主人がずっと校門前にいる訳もなく移動するという点を失念していたし、首輪を嫌がったばかりに身分証明出来るような物を何一つ身に帯びていない。
はぐれたが最後、どうすれば家に帰れるかもわからない状況になって始めて焦るも駆け回ることしか出来ずに右往左往していたら、このヒゲショートカップルに拾われた次第である。
しかし、彼は犬であった。
言葉は通じない。よってシッポを振るほか無いやるせない状況であった。
おん、と鳴いてもおおおん、と鳴いても、遠吠えに答えるご主人はなし。嗚呼。

「どうする?こいつ」
「人懐っこくはあるが、俺は無理だぞ。お前さんと違ってイヌなんざ飼ったこたあねえしエサとかシッコの世話とか無理ゲーすぎる」
「あたしんちもペット不可物件だし…そうだな、ひとまず写真入りでツイートしとくか。それで、気づいた誰かが連絡してくれたら」
「誰も反応なしだったら?」
「そしたら可哀相だけど大学の事務局に通報するか、保健所…いや保健所はイヤだな。出来れば、どっか二・三日でも面倒見てくれる奴がいてくれたら」
「そんな奇特な奴いたっけかな」
ちょっと考えておいて、とヒゲに子犬を抱かせてショートはスマホでワンコアップの写メを撮影すると、一分と間を置かず「はい送信」と親指で画面を軽く叩いた。
こんな感じで送ったよ、と見せられた画像には「迷子のワン太郎だわん」と短いコメントがつけられていた。無難だな、とヒゲも率直な感想を呟く。
「しかしワン太郎とか、もう少しなかったのか?」
「じゃあ何があんだよ」
ライカとか言うなよ?と釘を刺され、即座にヒゲが言葉を飲み込んだのがわかった。
「で、ではクドリャフカ」
「ロシアかよ!…って、スプートニクの搭乗犬全部言ったら次はハム君とでも?」
「何でそうやって先読みするんだ!ネタつぶさんでくれよ!」
多答クイズでも即積み即答は基本だろ?とショートは鼻を鳴らす。
「あんまりにもオリジナリティがないもんだから、ついな。悪い悪い」
「で、お前さん的に他に良いニックネームは?」
「えー、あたしか?そうだなあ、ワン次郎、ワンポコ、ワン一郎…やっぱり犬だからワンとかつけてすぐに犬だって分かるようにしたいかなー。そうそう、ウチで飼ってた秋田犬の名前ワン五郎だったぜ」
ずっとそういうセンスか!…とヒゲがノリツッコミして頭を抱える。
「無難にポチでいい気がしてきた」「それはど直球すぎくないか?」
ワンシリーズいいじゃんよー、とショートがぶーたれる。

その時、デフォ男(仮)は思った。
このカップルは見込み薄なり、と。
休息充分、前途多難の兆しなれど即時移動を決す。
ぴょい、と膝上から飛び降りると素早く人の気配がする方向へと駆け出していく。

「あっ」「待てっ…!あ、くそっ、いっちまいやがったか…」
そのとき、ピロリーンとヒゲのケータイから着信音が。

「おや、あいつらからか」
「お前の後輩さんからか?どしたって」
「お前のツイート見て、そいつ今どこだ、って…」
タイミング悪すぎるぜ…と、ヒゲはばつが悪そうに頭を掻いた。

【続く】












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