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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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深夜の訪問者。
*

身体に重みが戻ってきた事で、陽一は影時間の終わりを感じた。
「ちっ…随分ガキどもに時間をとられたか」
気ははやるが仕方がない。影時間が収束するにつれて、自分の身体は元の不摂生な四十男に戻っていく。普段ならそれで結構なのだが、こういう時に己の身体のなまりを感じるのはキツい。

登り坂の終わりが見えてきた頃、満月に照らされた赤い血だまりが陽一の目の前に広がった。

いずれも、四肢をばらばらに引き千切られたり切り刻まれたりした、男の遺体が二つ。
どれがどっちのパーツなのか見分けも付かないほどに、遺体は臓物と大量の血痕を撒き散らして肉片と化し転がっていた。

「さすが化け物。容赦ねえ…」
家のまん前は止して欲しかったがなあ、と思ったが、仕方ない。
「アレ」に手を出そうとした、連中の方が悪いのだから。
遺体の始末は先方なり警察に任せるなりでいい。俺には、こいつらより大事なものがある。

さっき出たばかりの自宅にそろり、と戻ると、台所に、「アレ」がいる。
食卓の床に横たわる双葉を膝枕する、棺桶を背負い、金属質な異形の仮面をつけた、黒衣の死神。
奴はまるで生まれたての雛を慈しむかのように眠る双葉の顔を覗き込み、細い黒髪をそっとなぜる。

「(おかえり。おそかったね)」
死神の仮面の奥から、くぐもった少年の声がこぼれる。

「まあな。も少し早く帰りたかったが」
「(別に構わないよ。もう少し遅くてもいいぐらい)」

死神の影が揺れる。

後に残ったのは、ストライプ服の少年だった。
彼は、深く眠る双葉の頭を抱き抱えるようにして、自分の頬をすり寄せる。

「フタバ、僕を見て変な顔してた。きっとあれはデジャビュっていうのを感じたんじゃないかな」
「それはお前さんの気の迷い。もしくは願望、だな」
「そんなことないさ。僕には分かるよ」

顔を上げて、少年はくすり、と笑った。
「だって、僕とフタバはいっしょ、だもの」

「ファルロス」
陽一の押し殺した口調に、ファルロスと呼ばれた少年は無表情で押し黙る。
「双葉を助けてくれたのは感謝してる。だがやり過ぎだ。お前は手加減を知らない。幼すぎる」
「じゃあ、あの人たちを助けた方が良かったの?また僕らを狙ってくるのが分かってるのに?」
「…少なくとも、人間相手に本気を出すもんじゃねえよ。何だ外のあれは。しばらくミートソースが食えん」
「フタバを傷つける人間は、嫌いだ。死んでもいいと思うよ」
「俺は、そんなお前さんが嫌いだよ。…出来るものなら、追い出してやりたいさ」
「僕だって、フタバが悲しまないなら、二人でどこか遠くへ行って二人っきりでずっといっしょに暮らすのに」

暗闇の中、二人の視線がぶつかる。

「ふふっ」
陽一が、先に笑みをこぼす。
「貸しな。寝床に連れて行く」
名残惜しそうなファルロスの腕から双葉を抱き上げると、陽一は奥の部屋に歩いていった。
その背後に、もう少年の姿はなかった。












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