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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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誰が彼をそう育てたか。
*

『まだ間に合う、と言ったらどうする?』
「なん、だと…」
エサに食い付いた釣り堀の魚を上から見降ろしているような、哀れみと侮蔑の視線で「もう一人の俺」は俺を見つめる。

はっ、と鼻先で笑った後、たじろぐ俺の首筋を掴むと肩を引き寄せ顔をにじり寄らせ、そっと呟く。

『どっちにしろ、お前も俺も、もう助からん。明日までの命だ』
「…!ばかな…!」
『嘘なもんか。…自分の身体だ、分かるだろ?日に日に痛み止めの量は増えても、だるさも苦痛も身体の重みも増える一方。このまま行けば、明日の朝には立派におシャカさ。分かりやすかろう?』
「う、嘘だ!そんな、でまかせ…」
理性で押し留めようとしても、ボロボロと動揺が表情に浮き彫りにされていくのが分かる。
隠せない。消せない。…否定できない、死の恐怖。
悔しさと苛立ちが更に表面に滲んで、「もう一人の俺」をにやつかせる。不愉快以上に、腹立たしさで頭が真っ白になっていく…。
『信じねえならいいさ、別にな。でも、その時にはもう全部お仕舞い、だがな。どうする?きっと双葉はお前が死んだら少なからず動揺するぜ?もしかしたら、ショックでペルソナ出しちまって、そこらへん血の海にしちまったりとかな』
「!そんな事…」
『あるさ。お前、自信あるだろ?双葉に、もの凄く好かれてるって。あいつが自分にどれだけ精神的に依存しきってたか、把握してるんだろ?』
「………」
『このままじゃ将来自立する時まずいよな、と思いつつ嬉しかっただろ?だって、双葉はお前の生活を支えるのが生き甲斐みたいだったものな?何をする時だってお前の好みと時間や懐の融通を気に掛けて、自分の事は二の次三の次。部活もしない、夜遊びもしない、いつも家事、いつも倹約、いつも家のために我慢して…そうして時々、砂糖を混ぜた泥のようにべったりと甘えてくる…普通なら、気持ち悪いと思うぜ?しかも元は赤の他人、しかも男…お前、キモイと思った事、いっぺんも無いようだったけど?』
「当たり前だ!あいつは記憶喪失の前ですら親の愛に飢えて、しかも実験の後には両親の記憶も無く、いきなり世界に放り出されたも同じだった…双葉にとっては、俺しか家族がいなかったから、きっとそうなっただけ。普通の里親に預けられてたとしたら、あいつはそこで親孝行なごく普通の子供に育ったはずさ」

『違う』
低い否定の声色に、カッと頭に血が上る。

「何が!」
「もう一人の俺」の腕を振りほどくと、奴は心底呆れた様子でタバコをくわえ、輪っか状の紫煙を口から吐き出した。

『お前がそう育てた。
…まだ分からんか?
お前が、自分の心の傷を埋めたいがために、双葉を、自分を愛するように吹き込み、自分の望むように自分に仕える態のいい「家族」に育てたんだよ!!』
「!!?」

「もう一人の俺」の表情に、初めて憤怒の相が浮かぶ。それは侮蔑と綯い交ぜになって、汚物でも見るような軽蔑した視線となって俺を突き刺した。












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