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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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ないたのはだれ。
*

泣いている。
黒い赤子が泣いている。

母親恋しと、泣いている。
踏みつぶされた猫のような、ざらついた泣き声で。

ボギャアア ボギャアア ボギャアアアア アア アアアアン…

黒い赤子が泣いている。
天上の母親恋しと呼ぶように。
あいつの不幸を呼ぶように。

俺は手を伸ばす。
俺は赤子の首に指をかける。

黒い粘土が指に食い込む。
じっとりと絡みつく、油粘土を初めて掴んだときに感じた不愉快な生暖かさ。
体温を真似た、生ぬるい疑似的な薄ら寒い体感温度が不愉快さを更に刺激する。
鼓動も無い。
赤ちゃんの持つ若々しい肌の艶もなく、
ハリも潤いもない、笑顔も愛らしさも無い、黒い粘土に宿った命。

死神。
あいつの不幸。
畏れ、恐怖、背負わされた因果のカタチ。
俺が、俺の娘が、無理矢理背負わせた、導いてしまった負の遺産。

双葉。
今、解放してやろうな。
重かっただろう?
辛かっただろう?
もう、いいんだ。

もう、お前の側で恐ろしい不可解な事件は起こらなくなる。
いきなり、自分をいじめていた誰かが大怪我を負ったり、
怯えた目で怖々遠巻きに避けられたり、
陰で理由もなく「あいつがやった」だのと言われなくなるぞ。
理由も原因も分からずのけ者にされたり、友達無くす事も無くなるさ。

だから、もっと自分を愛せよ。

無くした記憶なんか、きっちり忘れたままにしておけよ。
いいんだ、忘れたことなんか放っておけば。

お前は普通の子供だ。
お前がいるから周囲が不幸になるなんて言う奴が居たら、鼻先で笑ってやればいい。
お前が不幸を振りまく種なんかなはずないんだ。
だって、俺は、お前に…。

そこまで一息に思いが至り、ふと赤子にかけた指を止める。
赤子は泣きやんでいた。
二つの孔に目をやる。

視線が、ぶつかった気がした。

赤子は、なんのてらいもなく、俺に笑いかけた。
キャッキャッと、ごく普通の赤子の笑い声で、俺に、ホントに嬉しそうに、笑いかけた。



何故だろう。

何故、涙が溢れる。

こいつは死神だ。
息子を不幸にする悪魔だ。
憎むべき敵、シャドウじゃないか。

なのに。

なんで。

俺は悲しい。
泣いている。
苦しい。
胸が苦痛と悲しみで一杯になる。
溢れる。
涙が溢れる…。

赤子が笑っている。
可愛くもない、不細工な黒粘土。
笑っても半端なく不細工なのに、つられて笑みが口元からこぼれた。












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