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ゲーム二次創作中心ブログ。 更新まったり。作品ぼちぼち。

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遺された声。
*
(『おお、救助部隊がやっときたか!』)
(『よかった、これで助かるぞ!さあ、早く案内を…』)
(『…戦闘プログラムβ始動…メノマエノエネミーヲ、ソクジ、シマツ…シマツシマス…イエス、マスター』)

(『う、うわあああああ!!やめっ…やめてくれええええ!!!』)
(『ちがう、わたしは…シャドウではない!にんげ…ぎゃああああああ!!』)

(『何故…何故だ…何故、機械のお前が、わしに銃を向ける!!向けられる!?答えろ、これはエラーなどではないのだろう!』)
(『………銃弾装填完了。エネミー、ノコリ、イッタイ』)
(『………答えろポンコツめ!それを聞かずして、死ねるか!』)

(『………アナタハ、ワタシノ、イチバンノ…エネミー、ダカラ、デアリマス…』)

「テテュスから全員抹殺完了の連絡が入った瞬間、俺は溜飲が下がる思いだった。だが、快感は無かった。この非常事態をくぐり抜ければそんな気にもなるかと思ったが、今日までそんなものを味わった覚えは、遂に無かった。俺は、テテュスに最優先の脱出ルートを割り出しそこから即時撤退するように指示を出した。だが、テテュスは脱出ルートのデータを俺に送信したのを最後に、突然回線を切断し、その後連絡は途絶えた」
「………」
「その後、テテュスと再会したのは、対シャドウ戦闘員となる事を桐条に誓約してから後、娘達のメモリー解析がほぼ完了し、廃棄処分となる直前だった。パーツは原型を留めていなかった。上半身のみ辛うじて残したそれは、全身の美しさはもとより、これが元々人型のアンドロイドだった事すら疑わしくなるような、焼け焦げた鉄くずの塊になっていた。
俺にとっては焼死体の写真を見るより、ずっと生々しくてリアルに感じられる傷跡だった。
ショック過ぎて涙すら出なかった。
娘の丸焼きなんざ、見るものじゃないな…。
やりきれなかった俺は上層部に頼み込み、やっとの思いでテテュスの最後のメモリーを閲覧する事が出来た。
…それで分かった事が二つ。
テテュスは、桐条鴻悦らを射殺後、他の生存者の反応を感知し救助に向かってシャドウの餌食になった事。
そして、もう一つ。遠隔からのオルギアモードは不完全であった事」
「不完全?どういう事だ」
「俺からのオルギアモードへの転換指示は、確かにテテュスに伝わっていた。だが、強制的なプログラム実行にはエラーが生じ、本来なら俺がテテュスに送った強制モード移行の指示命令はあいつを100パーセント支配出来る代物にはならなかった。…分かるか、成瀬?この意味が」
「………」

それが本当なら、テテュスは自ら指示をはねつけて桐条鴻悦を助け、脱出する事も出来たはず。
だが、桐条鴻悦は射殺された。テテュスは、スクラップとなってこの世から消えた。

「…あいつの最後のメモリーを見て、俺は知った。娘が、テテュスが、俺の傲慢な願いにどれだけ傷ついたか。どれだけの苦悩を、強いたのか」

眼前に広がる血溜まり。割れたグラスの破片
醜く顔を歪め、目を見開き自分を見上げる肉塊が、幾重にも重なり己を見ている。
この機械め。この機械め。コノポンコツノキカイニンギョウメ…。
最も実弾を撃ち込んだ、たるんだ肉とブランドのスーツで身を固めた老人の遺骸。
その顔は、苦痛に歪むでもなく、罵詈雑言にまみれ醜悪を露呈するでもなく、ただ不敵に笑っていた。
全てを為しえた機械の乙女に、問いかけるように。
本当に、これでお前は良かったのか、と。

(『マスター…エネミー、オールデリート、カンリョウシマシタ…』)

目の前の画像が切り替わる。
ノイズと砂嵐に占拠された、不鮮明で目のちらつく視界。
目の前には壁のように折り重なり、鎌首をもたげ、幾重にも廊下へと連なり折り重なったシャドウの群れ。
銃撃を繰り返すも、最前線のギガスの群れにはあまり手応えを感じない。
スコープ右上のエネミーを示す体力ゲージは一向に減る気配が無い。
指先から硝煙の煙がくすぶり、代わりに内蔵のマシンガン弾丸マガジンのスロットルがゼロを示した。

シャドウの拳が、魔力の熱が、凍てつく波動が、嬌声が。
全身を叩く。貫く。上腕パーツが、脚部が吹き飛び、引きちぎられる。
意識レベル低下。
思考レベル低下。
戦闘モード強制継続。銃撃不可。以降はペルソナ連続発動モードに移行。
ダメージ蓄積120%越え。
撤退指示プログラム及び臨界点制御プログラム破棄。
戦闘モード強制継続。銃撃不可。以降はペルソナ連続発動モードに移行。

(『マスター…ドウジマ、サマ…』)

戦闘モード強制継続。
戦闘モード強制継続。
戦闘モード強制継続。

(『…ワタシハ…アナタノ…ヨイ、ムスメデ、イラレマシタカ……?』)

戦闘モード強制継続。
戦闘モード強制継続。
戦闘モード強制けいぞ

メモリーは、そこで焼き切れていた。












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